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2-6

――だがそんな二人を見届けるように屋敷の中から見ていた黒いフードを着た男は手の平に乗せた『映承石』で二人の街を出る姿を写し、食事を続ける男に向きかえった。

「……これで計画通り、といった所だな」

「はっ、準備はすでに済んでおります。後は奴らが村に辿り着きさえすれば……」

「全ては思うがままか。ふっ、全く奴の子は良い手駒に育ってくれたわい。ふはっはは」

男は何が嬉しいのか反する行動を起した自分の息子を見て笑みを浮かべていた。

その表情は実に不気味でありこの世とは思えぬような笑みを浮かべ、テーブルにあったトカゲの姿焼きをナイフで串刺しにして笑っていた。

「そして彼らが手紙の違いに気が付いた時には手遅れ。仮に気付たとしても更なる憎悪と悪意が蓋を押し開ける希望を貪る事となるでしょう。しかしながらこの行動になんの意味があるのでしょうか。これではむしろ奴らを急き立てるだけでは?」

「ふっ、イオニスよ。お前は知らずとも良い。当初の計画通りに事を進めればそれで良いのだ。元よりそのように最初から契約されていた筈だが、何か……不満でもあるか?」

「………いえっ、過ぎた言葉、申し訳ありません」

「そう全ては予定通り。もう少し、もう少しで積千幾億の苦労が報われるのだよ。くくく、はっははははははははは!!」

(一体……この男は何を考えているんだ? これで本当に王都に水の供給が行えると言うのか。否、私は考える思考など必要はない。ただ全てを見届ける。それが私の与えられた責務だ。例えどのような犠牲を払おうとそれは変わる事はない。だが……)

イオニスは男の恍惚とした異様な様子を見ている事しか出来ず、感情を押し殺しただその不気味な意思と欲望に傅くだけであった。

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