vol.1
「晴香~?」
「はやっ!ちょっと待って(>_<)」
「入るぞー」
「はーい」
私は藤沢晴香。今日から中学生。
入学式なのに寝坊寸前の私を家まで迎えにきてくれたのは、池内和希。こちらも中1。
ものごころついたときから、ずっと一緒にいる幼なじみ。
幼稚園も小学校も、そして中学校も、ずっと一緒。
「早く着がえろー!」
「えー寒いー」
「は?!ふざけんなよ、脱がせるぞ!」
「キャー変態ー、ってか時間ヤバ!もっと早くきてよー」
「お前のせいだろ。」
「えー」
まわりからみたらただのバカ2人組だけど、“幼なじみ”だからこそできる他愛ないやりとり。
私は仕方なく服を脱いで、新しい制服に。
いろいろ言っておきながら、結局和希と2人で着替えていることに特に意味はないけど。
ようやく着替え終わり、そろそろ家を出る。
そういえば、私の父と母は旅行中…というか出張中。
2人してそろってニューヨークへ行ってしまった。
私は“英語がわからない”ということで家には1人で住んでいる。
ときどき近所のおばさんが「元気ー?」とくるから、1人ですむことに問題はない。
合いかぎは、和希が持ってる。家族みたいなもんだから。
そんなことを考えてたら…
学校についちゃった。
ずっと和希の後ろ姿をみてたから…、道がわかんない!
「和希~~~~~」
「なんだよ」
「道~~~~~」
「は?」
「み・ち!」
「主語は?」
「道!」
「述語は?」
「へ?」
「なに?」
「道!」
「道?」
「うん。和希についてきたから覚えてない!」
「うわー、帰りファイトじゃん。」
「ねーぇ!お願い!」
「俺ん家にくるの?」
「えっ?!」
「何したいの?」
「はっ?!変態ー(O_O)」
「え、なに考えてんの?」
「もぉー!うちきて!って言ってんのぉ!!」
「何すんの?」
「なんでもいいじゃん!」
「わー、変態。」
「ちーがーう!」
「…笑、またあとでね。」
「うん。」
「「……って、同じクラス?!」」
席は遠いけど、なんだかこれから、ずっと、1日中一緒にいる気分になった。




