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相談<沙織>

都内のある中学校に今西美夏(いまにし みか)と中島沙織(なかじま さおり)は通っていた。

二人とも中学三年生でクラスは違うものの大の友達同士だ。



沙織「遅いなぁ・・・」

時間は朝8時5分。今日は金曜日、学校へいくためにこの交差点で待ち合わせをしているのだが・・・

待ち合わせ時間は8時。もう5分も過ぎている。

毎日7時55分には待っている沙織としては、何でよく遅れるのかが解らない。

美夏「ごめーん。寝坊した!」

(この言葉を10日前にも聞いたんだけど)

沙織「いいよいいよ。」毎回許してしまう沙織がいる。




美夏「明日、休みだから一緒に遊ぼ。」

珍しく美夏から誘ってきた。

沙織「賛成!どこ行く?」

美夏「原宿とかは嫌いだから・・・そうだ!この間面白い映画を借りてきたんだけど家で見ない?」

この二人の間にはこういった遊びの形もそう珍しい事ではない。


二人の隣りを他の生徒が笑いながら歩いていく。


秋のはじまりのまだ強い日光が差している。


沙織が話しおわった時たくさんの生徒が前に見えた。


もう学校だ。

沙織は別れて1組に入った。




1組の教室の窓際の一番前に座った。

「おはよう」

クラスの友達の小林梨沙(こばやし りさ)とあいさつをして、またどうでもいいような話をする。

(今日は何かいい事あったな。)沙織はそう直感した。

沙織は人の心を感じるのが得意だ。自分でもそう思っている。

沙織「どうしたの?なんか機嫌いいじゃん。」

梨沙「そう!来週コンサート行くんだ!!もう超うれしいんだけど!!」

梨沙がその歌手の良いところを語ろうとしたときだった。

梨沙「あっ寺井。おはよう」

沙織「おはよう」


クラスメートの寺井昭(てらい しょう)が登校してきた。

沙織は彼を想っていた。

勿論これは彼はもとより誰一人として知らないことだった。




沙織が彼を好きだと思ったときはちょうど一年前の美夏とも梨沙とも仲良くなる前のことだ。

沙織は上級生に人前であがってしまい上手く話せないことを馬鹿にされていた。

そんな時彼は一言「頑張れ」と言ってくれた。

彼のそんな優しさに惹かれ好きになっていた。

沙織の初恋だった。


朝の休みも終わり、2週間後の合唱コンクールに向けて歌の練習をして・・・

沙織の一日はいつもと変わりなく終わった。

でも沙織は前から思っていたことがあった。

誰かに彼の事を話したい、相談したい。




翌日。美夏の家に集まった。

美夏お薦めのビデオは最高にウケるコメディーで二人とも死ぬほど笑った。

美夏「これから何する?」

沙織「ポーカーやろうよ。暴露大会で」

美夏「面白そうじゃん。」

そしてポーカー大会。勝った方が相手に一つ質問出来るとあって二人とも本気だった。

沙織は一勝をあげ美夏に質問をした。

「好きな人はいる?」

美夏は一瞬固まった。沙織は美夏同様そんなことを話題にしたことは一度もなかった。

「いないよ」


次の勝負二人の間の会話が無くなった。

美夏「ストップ!!」

美夏の手札には8が4枚並んでいた。

美夏の質問は・・

「好きな人はいますか!」

沙織は「はい。います。」ちゃんと答えた。

美夏は一瞬固まったがその後「えっ誰?」ちゃんと聞いてきた。

「同じクラスの寺井くん。」

そして洗いざらい彼の事を話した。

「絶対秘密だからね。」





美夏がいつになく深刻な顔をしていたのは一緒にあの日の5日後だった。

いつもたまっている階段で美夏は重い口を開いた・・


空はオレンジ色に染まっている。


人通りもまばらだ。


「あのね・・私好きな人がいるんだ・・」


しばらく二人とも何も言わなかった。


しんとした夕暮れが広がっている。


「隣りのクラスの中本俊也(なかもと しゅんや)くん。一緒にふざけたりしているうちに好きになって・・。」


また静寂が支配する。


「絶対内緒ね。まだ沙織にしか言ってないから。あと・・こないだのポーカーの事沙織が相談したいから言ったでしょ。

照れてゲーム式にしたけど。解ってるからね!」

そういって美夏は近くの自分の家に走っていった。


(美夏には敵わないな)

苦笑いをしながら沙織も家へと急いだ。










はじめましてsunfishです。

初めて恋愛小説に挑戦します。

美夏編は近い内に書こうと思います。

お読み頂きありがとうございました。

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