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紫煙談

掲載日:2026/02/13

男性2、女性0、不問0。声劇台本として10分相当

男:  クズ

じじい:老害


男とじじいの関係性はご自由に想像ください。


――演者は好きにタバコを吸うこと。


男  『あ? うん、いや、飯はいらね…………いや、遅くなるっつ………ハァ? んなわけねぇだろカス! 切るぞ!』


――男、喫煙所に入る。


男  「ったくクソが………。あ、こんにちはっす」

じじい「おぅ」

男  「お、ショッポっすね」

じじい「マ、座りねぇ」

男  「俺も、っと……前はショッポだったんす」

じじい「いヤァ、最近のもんはどうもな……」

男  「最近っす? 俺は……あれ? ライターライター………ァア! クソッ!」

じじい「お、火ぃいるか?」

男  「あ、どもす!」


――カチッカチッカチッカチカチカチッ ボッ

男  「ったぁ〜〜」

男  「プハー」

男  「ども、あざした」

じじい「おう」


男  「最近はもうアメスピばっかっすね」

じじい「いやぁ、そうそう………。コスパとかそういうワケワカランの」

男  「電子タバコですよね」

じじい「あぁ、人間的に弱くなるってもんだ」

男  「本当に。お互い健康でいたいっす。ま、嫁は吸うなって」

じじい「ははァン、かみさんってもんだな。うちのおっかさんなんて最近はわけぇのの尻追っかけてよォ」

男  「えーへへ、母さん元気してっかなぁ………」

じじい「いやそう。でまったく、末っ子なんてとっくにアレでよぉ、顔なんざもうェ? あーバンドで、つってたかなぁ?」

男  「えマジすか!? ココだけの話、おれ、ギターっすよ。いま、かわいい子、集めてるんすよ」

じじい「かわいがっても無駄よォ?」

男  「そっかー。ま、でもみんな上手いんすよ」

じじい「いやぁ、一番上は優秀よ。浮気はぁ……ウンまぁ、アレだったけどさ。それから週一回は顔見してってくれてよォ」

男  「へぇ、俺、週一でもキチィっすよ」

じじい「それがいいんじゃねぇか、マでも孫ん顔見にゃ安心できねぇって言うじゃねぇか」

男  「いや、ほんと、マジみんなに迷惑かけてて」

じじい「えぇ? オメェは気にすんなよぉェエ? ぅだ、結婚してんのか?」

男  「はい、そういう感じで知り合って。まぁ苦労かけてばっかすけど」

じじい「いやいや、苦労してこそ男だァ」

男  「反対されたんすよ。どこの馬の骨とも知れねぇやつはって。それで、半ば家出みたいな。まぁ今は――」

じじい「なぁ、家出って……」

男  「ん?」

じじい「ッアハハッ、そりゃえれぇ男気じゃねぇか。気持ちぃ野郎だぁ。俺は気に入ったぜ?」


じじい「ほれ、一本くれてやらぁ。ショッポ、吸うんか?」

男  「あざっす。あ、じゃあこっちも」

じじい「おぅ、うれしいねぇ」


男  「かわいい嫁なんすよ、あ」

じじい「ほれ」

男  「あざす」


――カチッカチッボッ

男  「スゥー。ぅおぉ……」

じじい「きちぃか」

男  「うまいっすね」

じじい「だろぉ〜」


――二人、しばらく黙ってタバコを吸う。


男  「まぁ嫉妬深いとこもあって……」

じじい「いいじゃねぇか」

男  「……料理ヘタクソなんすよ」

じじい「……それがナァ――うちのおっかさんもなんだよ、なんでも減塩減塩って、味がしねぇんだコッチは」

男  「うちもっすよ!」

じじい「ひでぇよなぁ、こっちはよぉ遅くまで鉄棒担いで汗水たらしてんだぁ」

男  「汗ってしょっぱいんすよ」

じじい「ントだよ! 塩のチョイトも食わせろォ。味噌汁なんて何すすってんかわかんねぇ」

男  「いや本当っすよ!」


――着信音


じじい「おっと……んじゃ、おめも楽しんでくれ」

男  「え、あ――あざした!」


――じじい、ライターを置いて喫煙所から出る


じじい「………っといけねぇ……ハァ……」


――ピッ

じじい『……ん……美咲か』


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