プロローグ
「最強の晴れ男と、最強の雨男が戦ったら……どっちが勝つんだろう?」
そんな、なんとなく浮かんだ疑問から始まった物語です。
天気はただの偶然?
それとも、誰かの“想い”が空を動かしている?
答えは、空の上で――
ようこそ、『テンキノセイ』の世界へ。
空には――
無数の天気の精霊が棲んでいる。
人々の願いに引き寄せられ、今日も空で戦いが始まる。
空が変わるのは、偶然じゃない。
誰かの小さな願いが、空の色を変える。
雨が降るのも、風が吹くのも、きっと、見えない誰かの“想い”が空へと届いたから。
私たちが、何気なく見上げている空。
その広がりの奥では、誰にも気づかれずに――
ひとつの戦いが、静かに繰り広げられている。
それは、天気を司る“精霊”たちの戦い。
この世界には、人々の強い願いに引き寄せられ現れる「天気の精霊」たちが存在しているという。
普段はそっと寄り添っているその存在は、ある瞬間、人間の願いに応じて覚醒する。
晴れてほしいと願う人がいれば
同じ空の下には、雨を望む人もいる。
誰かが強く想いを抱いたとき――
その願いは空へと昇り、精霊に受け継がれ、そして衝突する。
そう。
この世界では、天気は“戦い”によって決まるのだ。
場所は日本。季節は春。
舞台は、今日のこの空。
精霊たちは日々、無数の戦いを繰り広げている。
それぞれが、自分の人間のために――
誰よりも強く、誰よりもまっすぐに、
空の支配権を賭けて戦っている。
この戦いに、審判もルールもない。
ただ、想いの強さ。
願いの純粋さ。
それだけが、力となって精霊たちの一撃に宿る。
そしてこの物語は、そんな彼らの軌跡を描いていく。
人間たちの小さな願いが、どれほどの熱量を持ち、どれほどの空模様を生み出すのか。
晴れと雨、風と雪、雷と霧――
さまざまな空の精霊たちが、この世界の空を、日々つくっている。
時には敵としてぶつかり合い、時には仲間として共闘しながら、それぞれが、自らの“使命”と“宿命”に向き合っていく。
精霊たちは、人間の思いに忠実であろうとする。
けれどそれは、決して“人間のため”だけではない。
彼らには彼らの、存在意義と――空を守る理由があるのだ。
天気という現象の裏に、これほど多くのドラマが隠れているとは――
誰が想像しただろう。
――きみが見上げた空には、理由がある。
――その雲も、風も、雨粒も、すべては願いのかたち。
今日の空は、いったい誰の想いでできているのか。
空を彩る物語の、その幕がいま――上がろうとしている。
空の上で彼らが動き出した今――
次の空模様を決めるのは、君の願い――かもしれない。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
この物語は、「天気は誰かの願いで変わる世界」を描いたものです。
晴れ、雨、風、雪――どんな天気にも、理由がある。
そんな空の裏側にある優しい戦いを、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
明日もきっと、空は誰かの想いで彩られる。
またお会いできたら、嬉しいです。