1章47話 戦闘エンシェントビートル
一匹を討伐することに成功したが、まだアイザが引き付けているエンシェントビートルが二匹残っている。
二匹目は同じ方法で倒せたが、三匹目は流石に学習したようで同じ手に引っかからなくなった。
「にゃーに動きを止める策があるのにゃ! アル、エンシェントビートルを引き付けてにゃ! にゃーが動きを止めたら止めを刺してほしいのにゃ!」
了解~何するかは知らないが引き受けた!
「プラズマガン!(連射)」
プラズマガンを対空砲の如く連射するが、関節を多少変形させ、注意を引くだけに終わった。
だが、それで十分だ。
「用意出来たにゃ! フル・ダークバインド!」
拘束されたエンシェントビートルの腹部に向かって手の甲から止めのプラズマパイルを放つ。
「プラズマブレイク!」
返り血……いや、返り体液を浴びないように一泊置いてから離れる。
これで最後のエンシェントビートルも討伐できた。
さて……こんな事しでかした元凶に会いに行かないとなぁ!
「みんな、エンシェントビートルは僕が収納するからさっさと飛んで下に降りるよ!」
そうして、みんなに負担がかからないように、比較的ゆっくり飛んでエルフの森まで降りる。
すると、ヤーさんの家の玄関先でアーランさんが捕らえられていた。
「チッ、失敗しましたか……忌々しい……」
おーっと、本性表したなこん畜生が!
「アーラン! 転移魔法陣をわざと壊すとは、なぜこんなことをしたんぞい!」
「ハハハ、なんでですって? それは人間なんか滅んで高貴なエルフだけが生き残る世界を作る第一歩だったからですよ!」
コイツ……時間稼ぎをしてやがる……隙を見て魔力を小型の転移魔法陣にチャージして逃げ出すつもりだな?
「しかし長老! あなたは人間やドワーフとの融和の道を歩んだ。そんな決断をしたあなた方が大嫌いでしょうがなかった! だから、あなたの融和策を潰すために今回の計画を実行したのですよ!」
「もういいだろ。下らん時間稼ぎなんてしてないでさっさと手元の転移魔法陣で逃げたらどうだ」
そう言うとアーランは目を丸くしながら笑った。
「ハハ……あなた、人間にしては鋭いようですね……では、そんなあなたに免じて良い情報を教えてあげましょう。間もなく、融和策なんてくだらない決定をしたこのエルフの森を、万を超える私が魔化状態にした狂暴な生物が滅ぼすでしょう!」
「ふざけるんじゃないぞい! 生き物を魔化までさせていたのか! 儂はそんなことをするためにお主に魔法を教えたのでは——」
「プラズマショック」
ヤーさんが言い切る前にアーランは転移魔法陣を起動させようとしたのでプラズマショックで気絶させる。
今まで出会った魔化の生物って多分こいつが作ったんだろうな~。
「アル君……助かったぞい。おかげでこの不届き者を逃がさずに済んだぞい。冒険者の皆様方もエンシェントビートルと突発的に戦うなんて危険なことをさせてしまって申し訳ないぞい……エルフの森を代表して謝るぞい。すまなかった」
「頭を上げてください! あなたは何もしてないじゃないですか」
「ハヤトの言う通りだ、悪いのはこのギルドマスターじゃねえか。それよりも、こいつが言ってた万の魔化状態の生き物はどうするんだ?」
「それは……はっきり言ってこの森の戦力で万の敵は相手にできないぞい……結界がここを隠してくれるのを祈るか……もしくはこの森を放棄するか……といった感じぞい……おい、この不届き物を牢に入れておくぞい、妙な真似をしないように厳重に拘束するぞい」
ヤーさんの従者らしき人にアーランは連れて行かれた。
なるほど、こんなピンチの状況こそ僕達の出番だね!
今こそ収納している兵器群を使う時だ!
「ヤーさん、戦力が必要ならば僕に当てがあります。なのでエルフの皆さんは集まって自衛に専念してくれませんか?」
「なぬ? ……まあ、元々住民の安全のためにここは捨てるつもりじゃったから、自由に行動してかまわんぞい。住民も守れて住む場所も守れるんだったら願ってもないぞい! 儂は住民に避難勧告をしてくるぞい、アル君とアイザちゃん以外の冒険者の皆様も付いてきてほしいぞい」
そうしてヤーさんたちは避難を呼び掛けに行った。
よし、言質も取ったし法律に引っかからない程度に暴れるぞ~。
(アイザ、魔化状態の生物が侵攻してくるまでどれくらい猶予がある?)
(およそ五時間といったところです。準備するには十分すぎる時間ですね)
そっか、ならじっくり用意ができるね。
(じゃあアイザ! 本体に戦力使用申請だ!)
(了解しました……本体より通達、戦力使用を許可。戦力の内訳としては『多脚戦車ソルジャー』三百六十機、『戦闘機アドバンス』三十六機、『戦闘ヘリフライヤー改』三百六十機、『アルティマ式量産型アンドロイド』三十六機、『アイザ式量産型ガイノイド』三十六機です)
うん、十分な戦力だね。
これなら万の敵を相手にできる。
そして三時間後、エルフの森の住人の全員の避難が完了した。
これから戦力を出しに行こうとした時、ヤーさんが声を掛けてきた。
「戦力を呼びに行くんじゃろ? 結界の中で迷わないように案内するぞい。それが終わったら、儂も戦うぞい。こう見えてもエルフの森の最高戦力じゃからな、微力ながら数百匹程度は倒して見せるぞい」
そう言うヤーさんに連れられて、エルフの森の結界外まで案内される。
「して、どうやって呼び出すのかの?」
うーん、あまり他人に見られたくないけど、ヤーさんならいっか!
「今出しますよ」
そう言って僕は許可された戦力の全てを収納から出す。
アルティマ式とアイザ式、多脚戦車は敬礼するおまけ付きだ。
「ぬおぉぉぉ! び、びっくりしたぞい……まさかここまでとは想像していなかったぞい、これだけいれば家屋への被害はだいぶ減りそうぞい。頼りにしているぞい!」
「ええ、何かあったらすぐにヤーさんをかばいますから、安心して良いですよ。……よし、各員配置に着け!」
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