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1章2話 最初の戦いが終わり……

 戦いが終わりしばらくして…… 。


「助けていただきありがとうございます! お兄さんとてもお強いですね! 最後の技は魔法ですか! それに……!」


 おっと、助かって安心したせいか凄い勢いでしゃべり始めたな……。


「わ、わかったわかった……そこら辺については後で話すから。ところで、君の名前は?」


「はい! 私の名前はエルヴィスといいます!」


(あ~、アイザ? 一応聞くけどフルネーム名乗るのってもしかしてまずい?)


(はい、マスターがどういう道を歩むかによりますが基本的にこの大陸では苗字を持っているのは貴族などの特権階級の者のみです。まあ、もしマスターが魔王にでもなって悪逆の限りを尽くすならインパクトが欲しいので話が別ですが)


(ハハハ……、そんなこととしないよ……、まあとりあえず名前だけ名乗っとくかな)


(はい、そのほうが無難かと)


「そうか、君はエルヴィスっていうんだね、僕の名前はアルティマ、アルって呼んでよエルヴィス君」


「ええ!? そんな、助けていただいたのに愛称で呼ぶなんて、ぜひアルティマ様と呼ばせてください!」


 エルヴィス君はどうやら、かなり真面目な性格のようだ、堅苦しすぎるの苦手なんだよなあ……


(フフ、いいじゃないですかアルティマ様? カッコいいですよ)


(ちょっとアイザ! 冗談言わないでよ! 僕がそういうの苦手なの知ってるでしょ?)


(はい、知ってて言いました)


 ハァ、まったく……もういいや。


「あー、エルヴィス君? 僕そういう堅苦しすぎるの苦手だから、せめてアルさんぐらいにはして欲しいなーなんて……」


「え⁉ 申し訳ありません! では改めてありがとうございます、アルさん!」


「うん、いいよ。ところでさ、僕旅人で、このあたりのこと知らないんだ。宿を探しているんだけどいい感じの宿知らない?」


「あー……僕の住んでいる村は宿がないんですが、僕の家に空き部屋があるのでぜひそこに泊まっていってください!」


 こうして僕は、第一村人と出会い、宿もゲットした。

 なんか年の割に礼儀正しすぎる気がするけど……


 それから倒したシャドーウルフをかついで歩くこと数十分、エルヴィスの住んでいる村に着いた。

 周りを林に囲まれており、丸太がいくつか積まれている。 

 開拓中だが家の数はかなり多く、結構人がいるようだ。


「ようこそ、アードリアン村へ! 歓迎しますよアルさん!」


 エルヴィス君がそう言ったとき村の方から野蛮人のような恰好をしたガタイのいい四十代の男性が走ってきた。

 何だか怒っているようだ。


「こらぁエル坊! 強いからってまた勝手に狩りに出やがったな! しかもまた一人で行きやがって! いつもいつも、誰かを連れてけと言ってるじゃないか!」


 そう言って彼はエルヴィス君の頭をぶん殴った。

 ……痛そー。


「痛ぁ! わかったよ! さすがにもう懲りたからもうしないって!」


 まぁ、さすがに死にかけたら懲りるよね。

 ていうか君似たようなこと何回かしてたんだ……。

 よく死ななかったね……


「なんだぁ? やけに素直じゃないか一体何があった?」


「シャドーウルフに襲われたんだ。そこで死にそうだったところをこの人に助けてもらったんだよ」


 どうやらちゃんと人に見えるみたいだ。

 多少偽装を見破られないか心配だったのだが、どうやら杞憂だったようだ。


「何! てえこた……この赤黒い軍服? の、あんちゃんが担いでるのに襲われたのか!? ていうか、あんちゃんまさかシャドーウルフを一人で倒したのか!?」


「ええ、そうですよ。まあ、エルヴィス君と戦って多少傷ついていましたけどね」


「いや~強いな! あんちゃん。エルヴィスを助けてくれてありがとな! 俺はケイデンだ! よろしくな。 あんちゃんはこれからどうするんだ?」


 あー、まあとりあえずこのシャドーウルフ何とかしてからエルヴィス君のうちに行こうかな。


「エルヴィス君にうちに泊まってと言われているのでこのシャドーウルフを何とかしてから行きたいんですが何かいい案ありますかね?」


 ずっと持ってるけど目立って視線集めてるし、そろそろ邪魔だから何とかしたい。


「それじゃあ、俺がシャドーウルフを持って行って解体して後でエル坊の家で渡そう!  な~にお代はいらんよエル坊を助けてくれたお礼だ」


「ありがとうございます。じゃあお願いしますね」


 そう言ってケイデンさんに六十kgはあるシャドーウルフを渡した。

 ケイデンさんはシャドーウルフの重さに驚いているようだ。


「おぉ~こいつぁ重いな、肉がたんまり取れそうだ」


「では、アルさんそろそろ僕の家に案内させていただきますね」


「エル坊はこんななりでも貴族だからな! 家もそこそこでっかいぞ」


 え、マジ?

 エルヴィス君貴族だったの?

 まあ、なんか歳の割に礼儀正しいな~とは思ってたけど貴族だったのか、それならあの礼儀正しさも納得だ。


「まあ男爵の三男ですし辺境の開拓に駆り出されるような立場ですけどね。あ、言い忘れてました! 私のフルネームはエルヴィス・ノアです。普段名前しか使わないんでうっかり名乗るのを忘れてしまいました……アルさん、別にかしこまらないでくださいね、ここの人たちも私とは対等に接していますから」


 うん、それはケイデンさんを見ればよーく分かるよ。

 ……頭殴るくらいだし。


「あ、そう? じゃあお言葉に甘えて今まで通りにしよっかなー」


「ぜひそうしてください。僕の家はここをまっすぐ行くとつきますよ。行きましょう」


 よし、じゃあケイデンさんに挨拶してから行こう。


「じゃあケイデンさんシャドーウルフの件ありがとうございます」


「おう! 気を付けて帰れよ!」


 そうしてエルヴィス君の家に向かって歩いていった。

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