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1章10話 依頼が終わり

 ゴブリンジェネラルを倒した後ゴブリンたちの死体を収納し、帰路に就いた。


「ねえアイザ、僕の収納だけど収納魔法ってことにして誤魔化そうと思うんだけど、どう?」


「いいんじゃないでしょうか。収納魔法は少ないながらも使える人はいますし、収納との違いは時間が経過する所と、生物を収納できない所と、セキュリティの強度ですし見分けもつかないでしょう。これでこれからいちいち隠さずに済みますね」


 そんな話をしながら走って町に帰り、門番の人に挨拶をして中に入った。

 ちなみに、冒険者は依頼を受け、町の安全を守ったり、必要なものを取ってくる代わりに依頼書を見せれば町の出入りの税金がタダになる。

 何かと外に出ることが多い冒険者は、出入りするたびに税金がかかってしまったら赤字になってしまう人も多い。

 昔は税金がかかっていたらしいが、現王がこの法律を制定したおかげで、新人が増え、中堅やベテランの冒険者も装備を買い替えやすくなって死亡率が大幅に下がり、街道の安全性も格段に上がったようだ。

 今ではすべての国が真似をして、ほぼすべての町で依頼書を見せればタダになるらしい。

 そうしてギルドに戻り、依頼の報告をする。

 もちろん、先にあった異常も報告する。

 今は、ほとんどの人が依頼に出ており忙しくないのか受付はセリアさん一人だ。


「すみません、セリアさん報告したいことと見せたいものがあるので、どこかに大きな死体を置ける場所はありませんか?」


「はいありますよ。でも、その見せたいものはどこにあるんですか?」


「それは僕の収納魔法に入っています」


「へー珍しい! アルさん収納魔法を使えるんですね! では、死体は鑑定課の解体室においてください。案内しますね」


 そう言われて案内されると解体台の前にグラーツさんがいた。


「ああ、お前かシャドーウルフの件ならまだだぞ。もう少し待ってくれ」


「いえ、今回は見せないといけないものがあってきました。ここに置いていいですか?」


「おう、いいぞ」


 僕は、ゴブリンジェネラルを取り出した。


「……おいおい! これって、Cランク相当のゴブリンジェネラルじゃないか! まさか、お前が倒したのか!?」


「はい、常設依頼のゴブリン討伐を受けて街道沿いの林に行ったら、二十体ほどのゴブリンたちが襲ってきたので倒しました」


「ええ! そ、それは大変です。ゴブリンジェネラルがいるんだとしたら近くにゴブリンキングがいるかもしれません! すぐにギルドマスターに報告してきます!!」


 そう言うとセリアさんは急いで報告をしに行った。


「おい、アルティマ……だったか? ほかのゴブリンも出してくれないか?」


 そう言われたので倒したゴブリンすべてを出す。


「……ゴブリンナイトにゴブリンアーチャー、ゴブリンメイジまで……これでゴブリンキングがいたら、相当まずいな」


 なんか知らないけどまずいらしい。


「まだ、登録したばかりなのでよくわからないんですけど、そんなにまずいんですか?」


「ああ、とてもまずい。すでにいくつかの村が壊滅しているかもしれないし、放っておいたら、国の危機にもなりかねないんだ! よく覚えておけ、決してたかがゴブリンなんて考えてはいけないぞ」


(ゴブリンの繁殖力は非常に強く、マスターの知るゴブリンとは違い他種族を使っての繁殖こそしませんが、数が増えると殲滅が非常に難しくなり、小国ですがゴブリンで滅んだ国も過去にはあるようです)


(へ~、ゴブリンって手強いんだね。さすが魔物、もしくはモンスターの代表格!)


「戻りましたー! グラーツさん、ギルドマスターからの伝言です。ゴブリンジェネラルとその他に倒されたゴブリンをすべて買い取ってくれ、だそうです」


「おう、そうか。じゃあアル、これ全部で金貨三枚で売ってくれるか? といってもギルドマスターが買い取れと言ってるから実質拒否権はないが……」


(アイザ、これ妥当な値段?)


(はい、むしろ大分色を付けてくれてますね。本来は素材にならなくて買い取らない普通のゴブリンにまで値がついているようです)


「わかりました、それで大丈夫です」


「そうか! セリア、今金はあるか」


「はい、そういうと思って用意しておきました。こちら金貨三枚と討伐証明部位分の銅貨四枚、石貨四枚です。それと今日にでも偵察依頼を出して、その結果もしゴブリンキングがいた場合は、緊急依頼が出されますからもし参加されるんでしたら明日からは早めにギルドに来るといいと思いますよ」


「ありがとうございます。気を付けてみますね」


 そうしてギルドを出た後、暇になったので僕は手に入ったお金で何か買おうと思い、露店や商店が並ぶ場所に来た。

 色々なお店があるが、今回向かう場所は決まっている。


「おや、アルさん。来てくれたんじゃの。ささ、どうぞ見ていってくだされ」


 そう、乗合馬車で一緒に乗ったウカールさんが働く商会に来た。

 しばらく店内を見て回り、お目当ての物を見つける。


(あった、おいしそうな干し肉と干し魚! それと料理の食材。魚はお寿司が一番好きなんだけどここにはないし、これで我慢するか)


「すいません、これください」


「ずいぶん多いの。えー、全部で銀貨八枚じゃよ」


 お金を金貨一枚渡す。


「お釣りの銀貨二枚じゃ。まいど、また来るんじゃよ」


 ウカールさんの働く商会を出て宿屋に戻り夕食を食べ寝た。

 ちなみに今日の夕食は、シチューだった。

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