第三話 森の守護者ドライアド
「う~ん」
俺は目覚めた。野宿でも意外と快適だった。【魔素吸収】で栄養を補給して、早速冒険の続きだ。
森の中をしばらく歩き続けていたら、不意に、
「止まりなさい。」
と言われた。
声のする方向を見ると、緑色で葉っぱの装飾がついたローブを纏って、長い緑色の髪を後ろに結んだ女性が立っていた。
人間?と思ったら、体が少し発光しているので違そうだ。でも初めてのコミュニケーション。俺は勇気を出して、
「あなたは?」
と聞いてみた。
「私はドライアド。この森の守護者です。あなたは一見人間のようですが、妙な服を着ています。一体何者ですか?」
ドライアド、俺も知っている。森の精霊だ。
転生前と同じ服だったため怪しまれたのか。それにスーツ姿。そりゃ妙だって思われるわ。
仕方ないので、俺が前世で死んで、この世界に転生してきたのを伝えた。
「まぁ、それは大変でしたね。それなら、そんな身なりをしているのも納得ですわ。」
意外とすんなり理解してくれた。ここ、転生者は珍しくないのか?聞いてみよう。
「この世界って転生者とかって珍しくないんですか?」
「いや、そういう訳ではありません。100年に一人か二人来るか来ないかですわ。」
「そうなんですか。ちなみに、俺の前の転生者はいつ来たんですか?」
「私が守護する森には来ていませんので、分かりませんわ。」
やっぱ、転生先はランダムなんだな。ここがドライアドの守護下で良かった。するとドライアドが、
「あら、あなたは固有スキルを持っているのですね。」
と言われ、びっくりした。なんで分かった?!
は!・・・まさか!
「もしかして、あなたは鑑定スキルをお持ちで?」
「はい、持っています。」
やっぱりなー。誰にも知られずにいこうとしてたのにー。
てか基本鑑定スキルって、レアスキルみたいな感じだろ?なんで持ってるんだ?
てかあの言い方だと固有スキル持ちは珍しいのか?
「固有スキルは転生者だけしか持っていません。鑑定スキルは持ってる人はいますが、確認された事例が少ないし、生まれ持ちが多く、後から習得するのは困難なため、200年に一人いるかどうかですからね。まず出会うことはないです。」
固有スキルは転生者だけなのか。
なら俺がステータスを見られたら、一発で転生者ってわかるのか。
でもこの人は俺のステータスが分かった。てことはこの人も鑑定スキルは生まれ持ちか?
「その言い方だと、あなたも鑑定スキルは生まれ持ちで?」
「まぁそうですね。けど上位の魔物などは基本持っていますよ。魔素の濃い地域の魔物は知能も高く、人語を話したり、あらゆるスキルを使ったりと、強い個体が多いですからね。持ってる方が多いです。なんなら、自力獲得する個体もいます。」
う~ん、人間はあまりいないが魔物は持っている方が多いのか。でも魔物ならまだいいや。
「あっそうだ。魔素って一体何ですか?」
「魔素とは、この世界に漂う気体です。主に、私みたいな魔物の酸素みたいなものです。魔物は、酸素の中に魔素がないと呼吸ができません。人間は酸素のみで大丈夫です。」
なるほど。てかこの人魔物だったのな。てっきり精霊かと。
「でもそう考えると、あなたは人間。しかも魔素を栄養にできる【魔素吸収】を持っている。このスキルは知っていましたが、持っているのは、長い年月を生きた私でも初めてみました。」
へ~、【魔素吸収】って相当レアなんだな。ていうかこの世界に酸素などの、元素が知れ渡っているのがびっくりだよ。
俺が見てきた小説は、知れ渡ってない世界線が多かったと思うんだが。
「この世界にも元素はあるんだな。」
「はい。そもそもこの世界で、酸素などの元素は大切なものです。元素があれば戦闘も楽になりますし。」
「ん、戦闘?それはなぜですか?」
「それは、【元素探知】というスキルがあるからですね。」
ほう、そんなスキルが。これは是非とも欲しい。よし、もう少しこの人の話を聞いてみよう。
かなり長めになってしまいそうなので、キリがいいので、ここいらで一旦止めます。




