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第66話 黒子vs関白 その2

 黒子には秘策がある。

 魔王から貰った、あらゆるスキル効果を無効にする魔力石『カオスパール』。


 しかし、悟られてはならない。

 気づかれてはならない。


 あの関白なら、狡猾な男なら、カオスパールの存在を考慮に入れて戦うことなど、容易い。


「さあどうした、かかってきたまえ」


「デストーム・クリーナー!!」


 最強の掃除機を片手に、電動キックボードで突っ込んでいく。


「ふん、なるほど」


 関白の分離スキルには唯一弱点がある。

 それは、一度の発動で分離できるのは一つまでという制約。


 デストーム・クリーナーを破壊しても、キックボードで突っ込んでくる。

 逆にキックボードを破壊しても、


「スイッチオン!!」


 クリーナーに引き寄せられて大ダメージ。

 二者択一。

 どちらに転んでも負傷は免れない。


「とでも考えたか!! マヌケが!!!!」


 黒子が突っ込んでくる。

 クリーナーに引き寄せられる。


 関白は冷静に上着を脱ぐと、丸めて、黒子の顔面目掛けて投げつけた。


「わっ!!」


 視界が封じられ、無意識に減速してしまう。

 その一瞬が命取り。


 まず、クリーナーが分解された。

 続けざまに、キックボードもバラバラにされる。


「戦闘は苦手なようだな!! 黒猫黒子!!」


 そのまま黒子の首を右手で掴んだ。


「死ね!!」


「くっ!!」


 関白がスキルを発動しようとした、そのとき、


「……え?」


 右腕から、力が抜けた。

 黒子が咄嗟に離れる。


 何事か。


 己の腕を確認してみると、


「なっ!?」


 ふにゃふにゃの、布になっていたのだ。


「こ、これは、いったい……」


「私とあなたのスキルは、正反対。だから思ったんです。私も、レベルSSになれば、できるんじゃないかって」


「ま、まさか……」


「そう、生物を素材とした生産!!」


 先ほど投げられた関白の上着と、彼の腕を融合し、布の腕を生産したのである。


「レベルSSだと!? くそ」


 左手で右腕を掴み、上着と本来の腕に分離する。


「これで、私も接近戦ができます!!」


「だからなんだと言うのだ!!」


「次は、両腕を使用不能にします」


 バラバラになったキックボードが再生産される。


 レベルSSになった生産スキルなら、無機物限定で、触れていなくても自動で生産できるのだ。


 さらに、


「お掃除ロボット!!」


 リュックから市販のお掃除ロボットを出し、キックボードと融合!!


「自動追尾キックボードです。行け!!」


 黒子自身も、フレイムガンを出して遠距離から攻撃する。

 またも二択。


 と、


「ならば!!」


 関白が黒子へ向けて走り出した。

 フレイムガンの弾を火と魔力に分離させながら、突っ込んでくる。


「なっ!?」


 当然、キックボードが後を追う。

 関白より速いので、追いついてしまうだろう。


 そのとき、


「分解!!」


 関白が横に避けながらスキルを発動した。

 キックボードがまたバラバラになる。

 それだけではない。


 慣性によって、分解されたパーツが矢の如く、進行方向にいた黒子を襲ったのだ!!


「きゃっ!!」


「今度こそ死ねえ!!」


 関白が黒子に触れる。

 触れてしまう。


 だが!!


「やっと追いついたっすー」


 エントランスに、太郎が現れたのだ。


「みんなサクサク行っちゃって、参ったっすよー、ってあれ?」


「……」


 関白の気が逸れる。

 この機を逃す手はない!!


 飛んできたキックボードのパーツを、関白の両腕と融合する。


 2本の腕が、肩までカチカチに固まった鉄となった。


 これでは自由に腕は使えない。

 これではもう、黒子には触れられない!!


「うぐっ!!」


 関白が咄嗟に距離を取る。

 それに合わせて、エントランス左手の扉から、3人の救助隊員が飛び出してきた。


「なんの騒ぎだ!!」


 5体1。しかも、腕の自由は効かない。


「終わりです、飛鳥関白!!」


「わ、私が……この私が……」


 追い詰めた。

 ようやくここまで。


 関白の瞳が大きく開く。

 汗が止まらない。

 悪寒が止まらない。


 心臓が、激しく鼓動する。


 捕まる。

 サリーを失う。


 死刑になるのか。


 こんな形で終わってしまうのか。


「ありえない、私が、私が負けるなど……」


 黒子がカオスパールを取り出した。

 いまなら確実に、関白と融合できる。


 そうなれば、もう二度と、関白はスキルを発動できない。


 一歩、近づく。

 すると、


「くく、くくく」


 関白が、笑い出した。


「これまで、何人も殺してきた」


「?」


「誰にもバレず、殺してきた。学校で生徒に芸術の素晴らしさを教え、私自ら、最高傑作を生み出したのだ」


「それも、もう終わりです」


「幸せなひとときだった。これでも教師だからね、生徒がコンクールなどで受賞すると嬉しい気持ちになったのだよ。そんな日々を、お前が、お前如きに奪われたのだ」


「それ以上にあなたは、大勢の人間の人生を奪ってきたんです!!」


「知るか!! 誰であろうと私の幸福を、サリーを奪うことは断じて許されない!! キサマさえ、キサマらさえいなければ!!」


 黒子も、駿河も、ヨルヨも、太郎も、あの千彩都も、鬱陶しい救助隊共も。


 みんな邪魔だ。

 いなくなれ。


 この世界からいなくなれ!!


「うっ!!」


 関白の心臓に衝撃が走る。


 スキルのレベルが、上がった。


「くくくく、くははははは!!!!」


「な、なに……」


 スキルの最高地点。

 世界に干渉できる魔王と同等の力。

 スキルレベルSSS。


「消えろ!! 私の人生に不要なもの!! 不要な事実!! キサマらと、痕跡!!」


「くっ」


 急いで駆け寄る。

 カオスパールを使うために。

 しかし、その瞬間、


「この世界を『分離』し、私に都合の良い世界を『生産』してやる!!」


 関白が光りだす。

 恒星の如き眩さで。


 黒子は思わず目を閉じて、しばらくすると、


「あれ?」


 自分の家の中で、立っていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※あとがき


もーちっとだけ続きます!!

覚醒してしまった飛鳥関白。

彼が発動した力の正体とはいったい!?


てなわけで、応援よろしくおねがいしますっ!!

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