第56話 関白の、いま
とあるダンジョン。
そのどこかにある仄暗い洞穴に、彼はいた。
緑色の肌。まばらにハゲた頭皮。真っ赤な瞳。
かつて有名お嬢様学校で教鞭を握っていた男、飛鳥関白の成れの果て。
「くっ、私が……こんな目に……」
己の影から、最高傑作の生きた人形、サリーが現れる。
彼女に己を抱きしめるよう指示を下して、慰めてもらう。
「い、意識が……」
関白に降り掛かったゴブリン化の呪いは、彼の精神を蝕んでいた。
気を抜けば、心まで野生のモンスターになってしまいそうになる。
「私の肉体が、ゴブリンの血を凌駕し、支配するまで時間がかかる」
血に抗い、慣れることができれば、ずっと意識を保っていられるだろう。
もしくは、その前に『治すための治療』を受けるかだ。
急がなくてはならない。
スマホでニュースを確認したから知っている。
いま、世界中が自分を捜している。
炙り出されるのも時間の問題だろう。
「く、黒猫黒子に無理やり協力させ、私を追う者すべてを消さなくては。しかし、いまの私では……」
とても戦える状態じゃない。
となると……。
「協力者が、必要になる」
とうぜん、強い者が好ましい。
だが、黒猫黒子や松平駿河を倒せるほどの強者は、そうはいないだろう。
「やり方は、いくらでもある……。スキルの数は、可能性の数だ」
この苦しみと、窮地を乗り越え、それからどうする。
いや、どうにかなる。
してみせる。
そして、そのあとは……。
「サリー、安心するんだ。私と君で幸せになろう。永遠に」
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※あとがき
短くてすみません!!
次回からバトルバトルバトルです!!
皆さんが想像するようなバトルかは……お楽しみに!!




