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13 第一王子の策略


第三王子カイトという優秀な弟がいる私の懸案はいかに自分陣営に弟を引き込むかだった。


(第二王子とは跡目争いはしたくない)


カイトがもし第二王子に付いたら、争いはさせられないだろう。

ここはやはり先制してカイトをこちらに引き込まなくてはならない。

西の辺境地域には若返る魔法が秘匿にあると聞いた。それを利用させてもらう。


(カイトとも争いはしたくない)


オリベイラ辺境伯に頼んで、カイトに若返りの呪いをかけて貰った。


カイトはどうやら影武者を立て腹心のサーカイル伯爵邸に隠れているようだ。


(さて、カイトは呪いを解くことが出来るだろうか?


そうして再び私の前に現れて忠誠を誓ってくれるだろうか?)





レイチェルに身分を明かす前にカイトとしてはやっておかないとならないことが沢山あった。


まずは兄である第一王子との話し合いである。


呪いをかけられたカイトだが、強く出る訳にはいかない。これを交渉材料として、これからレイチェルとの関係に第一王子の守りを得られれば良い。

臣籍に下り、第一王子につくことについても、要はレイチェルとの関係が壊れないように周りに根回ししてくれるならなおいい。


レイチェルとの関係に対して貴族社会で反対意見を出したくない。第一王子を味方につけるために臣籍降下し、呪いのことは責めない代わりに、こちら側を守って貰おう。


「兄上に会ってから、レイチェルに身分明かして、婚約出来ればいいな」



サーカイル伯爵に頼み、秘密裏に第一王子と会ったカイトは、呪いの解除過程で出会ったレイチェルについて話した。


「兄上、私の望みはこれからレイチェルとの平穏な生活を築いていくことです。そのためなら、臣籍に下り、兄上を助けます」


(全く食えない兄上だ。自分に呪いをかけた兄上)


しかしここで争うのは得策ではない。

カイトは、レイチェルとのこれからの生活を守れれば良かった。

それを第一王子に約束させたかった。

カイトの未来と引き換えに。


「分かった。これからよろしく頼むよ」


(いずれは国の最高権力者となる兄上。兄上の懸案は、私の動向だったのだ)


もしカイトが第二王子についたら、権力争いは避けられない。

この度の呪い騒動も牽制であり、未来の安全のためにもカイトは第一王子に臣下として忠誠を誓わなければならなかった。


(レイチェルと結ばれるためなら、なんだってする)


「これから結びたいと思っているレイチェルとの婚約を兄上には祝福してほしい」

要はこちらは臣籍に下り、兄上に付くのだから、これからレイチェルとの婚約に協力してほしいということだ。

レイチェルに対する周りの批判的な意見を兄に抑え込んでもらおう


「分かった」


第一王太子はニヤリと笑った。


(策略家の兄上のことだ。これから出てくるレイチェルに対する不穏分子を水面下で取り除いてくれるだろう)





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