7 はじめての魔物
「うわっ!何やこいつら、ゴブリンみたいや!」
「正解!ミツルの世界にゴブリンはいたのか?」
「空想上では雑魚モンスターとして有名やったで」
「まァ魔物の中でハ雑魚だヨね」
「そうだな、そこそこの冒険者ではあれば群れぐらいどうにか出来る…なっ!」
今度は雷を纏わせた短剣でゴブリンを2匹凪いで倒すと、サイは走り出す。
ミツルは戦えないので、シルフの風で浮いてシルフと共に飛んで逃げている。
「ごめんなぁ!俺も戦えたらええねんけどぉ!俺日本ではほんまに普通の学生やったねん!スポーツもぼちぼちしかしてへんかったし!空手ぐらいしてても良かったかもしれん!!」
「スポーツやカラテが何かは分からないが!」
「あっえーとえーと、運動競技みたいなもん!争うんやなくてルールを決めた競技で競いあって勝敗決めるみたいな!
空手はその中の一種で格闘技みたいなもん!」
「格闘家のような者ということか!だったとしてもミツルは争いのない国で育ったのだからカラテをやっていたとしても実戦経験がないのなら特に意味は無かったと思うぞ!」
「せやな!考えたら空手やってようがサッカーしてようが殺生出来ひんかったわ!」
ゴブリンは順調に数を減らしているが、まだまだ数が多い。繁殖しやすい魔物である。非常に迷惑である。
ここまで走りながら200体ほど倒しているので、流石にサイたちも疲労が出て来ている。
「多いな…!流石無法帯のゴブリンだ!繁殖期を過ぎた直後だったか!」
「たブんそウ!」
「俺も魔法とか出ぇへんかな…!浮いとるだけで何も出来んのは辛いわー!えっと…ファイアボール!」
手を翳してかっこよく詠唱する。
なにも でない ようだ。
「ミツル!気持ちは嬉しいがちょっと違うかな!」
「はずかしっ!魔力的なもん感じへんと出来ひんとか!?」
「な、何故知ってるんだ!?やはり魔法はチキュウでもあったのでは?!」
「空想上の考察みたいなもんやな!」
「そうか!想像たくましいなチキュウ!だが試すのはゴブリン倒しきってからにしてくれ!」
30分後、ようやく群れを倒しきった。
開けた所でまた休憩を取る。ミツルが今度はチョコレートを鞄から取り出してサイたちがざわつきかけたが、ひとまずは落ち着いた。
「疲レたー」
「浮かしながら逃げてくれたもんな…お疲れさん、ありがとう」
「よユーよゆー!大丈夫!」
「ところで、1つ気になったんやけど…魔物ってどういう存在なん?」
「どういうとは?」
「さっきのホーンラビットは動物なんやろ?でもゴブリンは魔物。境界線とかあるん?」
「ふむ……基本は目だな」
「目ぇ?」
「そこにゴブリンの死体があるだろ、あの目をよく見ろ」
サイが指差した先に目を開いたまま絶命したゴブリンがいた。最後に倒したゴブリンだ。
緑のくすんだ肌にとんがった耳、赤い目を見開いて死んでいる。
「赤い目で攻撃的だと魔物という定義だな」
「なるほどなるほど、ほなホーンラビットでも赤い目で攻撃的やったら魔物になるってこと?」
「まあ大体そのような感じかな」
「デもゴブリンは全体的に魔物なんだヨねー」
「完全に魔物の種族もいれば、動物でも魔物になることがあるってこと?」
「そうだね。魔物についてはまだまだ分かっていないことがたんあるよ」
「ふーん。魔物というか…通じるか分からんけど、吸血鬼とかエロいサキュバスとかもおるん?」
「何故知っている」
「空想上以下略」
「だから何なんだチキュウ」