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獣使いたちの冒険者記録  作者: 砂霧嵐
ある日森の中で出会うのは冒険者と渡り人
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6 生き物も多種多様

「…ちゅーわけで俺がおったんは地球っていう星にあるたくさんの国の1つ、日本て島国やねん。日本は戦争とかは終わって基本的には平和な時代やった。魔法とか精霊とかエルフは知っとるけど地球では空想上のもんとされとった。

俺が生まれた時代は豊か…まあ文化的には豊かやった。俺が国に生息しとらんかったクオッカを知っとったのもリアルタイムで世界中のことが分かるくらいに科学技術が発展しとったから。あとはー…すぐには違い思い付かん……あっ言葉を喋る生き物は人間だけや。人間で通じる?俺みたいな人?っちゅうの」

「分かるけド精霊もいなイの?魔法も使エない?」

「お伽噺話とか空想上やったら魔法の存在はあったで。せやから俺も割と受け入れられてん」

「エルフもドワーフなどもいなかった、と。クオッカを知っているということは喋らずとも動物はいたんだな?」

「おるおる。でもな?」

「うん」


ミツルがちらっとサイの手を見る。

その手には本来は白い毛皮であるはずのホーンラビットの死体があった。今持っている毛の色は鮮やかなピンクとグリーン。

ギルドからの依頼達成まであと少しである。


「サイさんが今持っとる角生えたカラフルウサギさんはおらんかったかなー」

「そうなのか?」


ミツルの異世界転移がほぼ確定してから、サイたちは移動しつつホーンラビットを探して仕留めていた。

ミツルという予期せぬ出来事はあったもののサイもクエストを受けてここにおり、依頼にも期限があるためだ。

「〆切大事」と頷いてミツルも賛同した為今に至る。


「ウサギはおったよ?俺は詳しくないけど種類もいっぱいおったわ」

「俺の知ってるウサギも普通のウサギ、ホーンラビット、あと何種類かいるな。火山に生息するボルケーノラビットなんかは愛くるしい見た目なんだが平均体温が400度と厄介なウサギだ」

「どう言うたらええんか分からんけど、多分そういう種類とはちゃう気するなぁ」

「なんとなく俺もそう思う」

「私も思ウ」


今回はホーンラビットの毛皮を採取ということで、鮮度も大事というわけで今の内に解体したいとサイが提案した。

ミツルは青ざめて少し考えるが、提案に賛成し、ついでに見学まで申し出る。

サイはストレージポーチから使い慣れた解体道具セットを取り出し、すぐさま解体に取り掛かった。


「そのポーチどないなっとん?四次元ポ○ット?」

「よじ…?これはストレージポーチだよ。空間魔法で作ったんだ」

「作れんの?!お、俺も作れる?!」

「習得人数の少ない空間魔法さえ習得出来ればね」

「わあ習得難しそうなお言葉おおきに」


ほぼ初めて見る生物の解体に吐き気を催しつつ何とか耐えたミツルは結局最後まで作業を見続けた。

毛皮以外もギルドで買取されるのでもちろん回収し、作業の跡をしっかり片付ける。

尚ホーンラビットの肉は昼飯となる予定になった。

目の前で解体された肉を食べるというのは地球の都会っ子であるミツルには少し気が重かったが、肉を食べられるというのは素直に嬉しく思えた。




「さてミツル。今後のことを話しつつ移動するぞ。解体は無事終えたけどここは安全とは言えないからね」

「そうなん?まあ森やし野生動物多そうやもんな」

「それもあるが、ここは無法帯と呼ばれる場所でな…」


前を歩くサイが突然振り返り腰の短剣を引き抜く。

さっきまでより険しい表情と突然の抜刀にびっくりしたミツルの横を通りすぎ、ミツルの後ろにいたゴブリンを炎を瞬時に纏わせた短剣で燃やした。

呆然とするミツルの隣にいたシルフもゴブリンを突風で吹き飛ばす。

解体している間に、サイたちはゴブリンの群れに囲まれていたのだ。


「ユラ大陸の国を分断する、見ての通り魔物の原生生息域だからな」

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