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獣使いたちの冒険者記録  作者: 砂霧嵐
冒険者のあれそれこれ
22/172

22 駒と依頼と四頂点

動物カフェの概要を熱心に説明して回りの冒険者たちをそわそわさせながら列は進んでいった。


「次の方どうぞーあらミッツさん!昨日はお疲れ様でした!今日からよろしくお願いしますね」

「よろしゅうお願いします!」

「あと私『非契約者』なので、先程のモフモフ喫茶コーナーの概要ギルマスに説明しておきます。いつでも開設出来るよう準備があれば仰って下さいね!出来ればミチェリア支部で開設して頂けるともれなく私が嬉しいです!モフモフさせて下さい!」

「めっちゃ聞こえてますやん、いつになるか分からんけど落ち着いたらここで開設出来たらええなー思ってます」

「ちなみに私はシャドウキャットが撫でたいです!サブマスターは『天遣い』ですが可愛い動物大好きですので、問題のない『天遣い』と『悪魔憑き』もモフモフさせてあげて下さい!」

「本決まりやないけど分かったで!」


二人は固い握手をし、ナビリスが思い出したようにカウンターから箱を取り出す。


「そうそう、また忘れるとこでした。こちら、ポーン級・F級であることの証『チェスの駒』のポーンです。こちらも加工は自由ですが原形を保つように、そして出来るだけ見える所への装着をお願いします。」

「おお、俺も知っとる駒や」


ナビリスから渡されたのは、ミッツの世界にもあったチェスのポーンの駒である。

先程の煽ってきた冒険者もそういえばナイトの形のブローチを着けていたなと思い出し、ミッツはとりあえず手に持っておく。


「そういやゴッド級も何か証あるん?チェスの名前やないけど、どんな形してんの?」

「ああ、ゴッド級はこちらの技術者たちが独自に作ったものになる。俺はピアスに加工してあるぞ。」


サイは自分の銀髪を掻き分けると、右耳の少し大きな丸形ピアスを見せる。

ピアスは全体的に黒く、真ん中に丸い透明な宝石、その周りを『天使』の羽、『悪魔』の羽、『精霊』の羽を模した飾りが彩っている。


「デザインはゴッド級S級どちらも共通。色は自由に決められるんだ」

「へー。羽は『契約者』で…透明なんが『非契約者』モチーフ?」

「ああそうだ。まあ会うことは滅多にないと思うが一応教えておこうか」



サイによると、ゴッド級とS級の枠は今全て埋まっており、


・『獣使い』のゴッド級 サイ・セルディーゾ

・『天遣い』のゴッド級 キーラ・クリアノイズ

・『悪魔憑き』のゴッド級 ギルバート・トランダム

・『非契約者』のS級 不可視の里のラロロイ


以上四名が大陸最強とされ、冒険者分類別の頂点ということで『四頂点(スクエア)』と敬意を持って呼ばれているという。



「不可視の里のラロロイさん?」

「ラロロイはアルテミリア国出身の年齢不詳ハイエルフだ。

アルテミリアでは代表者やお偉方にしか姓がないんだ。なので一般人のアルテミリア国民は、どこそこの出身地に住む誰々さんって名乗るんだよ」

「なるほど。ラロロイって人はアルテミリア国の不可視の里ってとこに住んでますよーてことね」

「そうそう」


また話が逸れたので、再びナビリスの話を聞く。


「今日はですね、クエストの受け方をお教えします!まず、受付の前…ミッツさんの後ろをご覧ください」

「色んな人が見て紙取ったりしとるなぁ。あれか。クエストボード的な」

「ぐっ…名前は違うけどもうほとんど分かられてる…そう、あちらは依頼板です。あそこに貼ってある依頼紙を持って、受付を済ませて依頼を遂行する。その行為全般をクエストと言います」

「おー」

「というわけで!初回でミッツさんが受けられる依頼をこちらで確保しておきました!」


ミッツの前に並べられた依頼は全部で3つ

・町近くの森で薬草採取

・町中の飲食店での裏方仕事

・住民の引越し手伝い


「日雇いバイトかな?」

「ばいと?」

「無視して。うーん、サイはどれがええと思う?」

「どれでも大丈夫だよ」

「じゃあ薬草採取」

「あら?何故?森だと見つからない可能性もあり大変そうだという理由で、初回依頼としてあまり選ばれないんですが」



依頼紙を読み込んでいたミッツは顔あげる


「いやまあ、多分この中やったら日本人ゲーマーならまず薬草採取選ぶで」

「げーまー?」

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