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獣使いたちの冒険者記録  作者: 砂霧嵐
ある日森の中で出会うのは冒険者と渡り人
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15 冒険者となる覚悟はあるか

「渡り人か…確かにすっごい訳有りだな」

「ミツルちゃん、よりによって無法帯に置き去りにされちゃったのねぇ…精霊ちゃんたちももう少し場所選べなかったのかしら?」

「レーニャ、あれかもしれんぞ。サイのとこに行きゃなんとかしてくれるって思ったのかもな」

「一理あるわね~!なんたってサイちゃんだもの」


ミツルが異世界から来たこと、その後の無法帯での出来事をわいわい盛り上がりながら話し合うクロルドたち。

またまたお茶請けに飴やらチョコレートを出し、チョコレートにとても感激したレーニャがギルドで一番良い紅茶を出したりしてようやく落ち着いてきた。


「そんな事情があるならますます冒険者ギルドに登録だけでもしておくべきねぇ。定期的にクエストを受けないと失効しちゃうけど、その辺の八百屋さんでも登録してる人はいるし。薬草採取だけでも登録し続けるのは可能だし」

「もちろん他の手もある。商業ギルドに登録することや手っ取り早く何か仕事に就くことだ。だがこの世界の常識が分かってない内はやめといた方がいいな」

「せやなぁ…うん、ここは冒険者になる方向で行こ!」


手続きをするためにナビリスを応接室に呼び、ナビリスにもミツルの事情を簡単に説明する。

サイたち大人3人が見守る中で冒険者の説明と登録を進めることになった。


「授業参観みたいやなぁ」

「? なんですかそれ?」

「ああいや、何でもないで。説明お願いします」

「分かりました!では…登録の前に皆さんに説明していることを話しますね!」


ナビリスが机に『冒険者になろう!~子供でも分かる冒険者のこと~』という冊子を置く。


「ではまず冒険者というのはどういう職業かと申しますと、『町や国の困っている人の為に働く人』といった所です。

例えば腰を痛めたおばあちゃんが庭の草引きを誰かにお願いしたいな~とか、国の方では対処しきれないぐらい強い魔物が出たので援護して欲しいな~とか、こういった仕事をピンからキリまで行います。」

「それはなんとなくそうや思ってた」

「で、冒険者になる条件ですが…基本的に『10歳から』『犯罪歴のない』者なら老弱男女、どんな種族でもなることが出来ます!実際にミチェリアでも97歳の人族のおじいさんが登録してまして、今朝も木こりの依頼を受けられて行きました!というか毎日木こりの依頼受けてお小遣い稼いでます。好きな時にいつまでも職が途切れることがほとんどない、まさに自由職です!」

「おじいさんすごいな…」

「ただし、冒険者は自由職である代わりに自己責任を強く持たなくてはなりません。依頼…クエストに失敗すれば違約金が発生しますし、討伐クエスト中に怪我・死亡することも十分にあり得ます」


ナビリスが手元の資料から1枚の紙を出してくる。

そこには、10年間の依頼失敗による違約金合計や重傷者・死亡者の割合に関することが分かりやすく書かれている。


「このように毎年必ず調子に乗って身の丈以上のクエストを受けて達成出来なかった、クエスト中に油断して魔物に襲われてしまう、等で残念ながら冒険者を続けられなくなるケースもあります。この辺りはよく考えて行かないといけませんね」

「…怖いんは怖いけど…知らん世界で野垂れ死ぬよりマシや!冒険者なる!なります!」


「では早速、登録の書類をお書き下さい。その後、冒険者制度についての説明と…魔水晶診断を行います」

「ますいしょう?」

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