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第9話 【追跡者】死にたくても死ねない男は命を狙われる

どうもゆにです。

死にたくなったので更新しました。


読者の皆さんが楽しんでくれたら、幸いです。


~サファイアの街 跡地~

 

 帝国軍戦闘部隊のアルバック-ツィ-カミルは部下を引き連れて、突如として通信が途絶えたボルボロス少尉を探す為サファイアの街を訪れていた。

 

 「中尉...!!」

 「こ...コレは一体どういうことでしょうか...!?」

 「私は夢でも見ているのでしょうか...!?」

 アルバックの部下はカタカタと口を震わせていた。

 先日まで数万人以上が住んでいたであろう街がまるで廃墟と化しているのだ。

 

 火で焼けて崩れているなら分かる。

 

 しかし、街の状況はどう見ても老朽化による劣化...。

 

 まるで、ここだけ何千年と経ってしまっているかのようなそんな雰囲気すら感じる。

 

 街を彩っていたであろう噴水、家々、時計台、教会、商店、工場...あらゆる街の施設に対して苔が生えており、鬱蒼とした木々まで立ち並んでいる。建造物を構築していた煉瓦は触れればボロボロと粉々に崩れてしまう。

 

 帝国軍の兵士が街を焼いたならばこうはならない。

 

 それに先ほどから地面を歩く度にグチャグチャと感触の悪いスライムみたいなモノが靴にへばり付きやがる。

 

 一体コレはなんだ?

 

 何者かによる攻撃―――それもスキルによる攻撃を受けたのだ。自分はそんなスキル・・・を持つ帝国軍の兵士を知らない。勿論、ボルボロスのヤツもこんなスキルは持ってはいない。

 

 だとしたら一体誰が...?

 

 「中尉!!大変です!!」

 「街の正門近くに我が軍の機械の残骸と思われるモノがッ!!」

 

 そんなことは決まっている。

 

  "我が帝国に弓を引く者がいる。"

 

 「チッ、ボルボロスの姿は見えねェな...!」

 

 「おい!お前!全員を正門前に集めろッ!!」

 「これからのことを話すッ!!」

 アルバックは隊員の一人に部下全員を集めるように指示した。

 

~サファイアの街 正門付近 跡地 ~

 

 「よ~~~~しッ!お前ら、全員揃ったなッ!!」

 十数人の部下の顔ぶれを確認し、全員いることを確認する。

 

 「我らは最強の帝国兵であるッ!!」

 「復唱しろッ!!」

 アルバックは整列させた兵士の横を歩きながら声高らかに指示を出す。

 

 「「「我らは最強の帝国兵であるッ!!!!!」」」

 

 「カルデキア帝国こそが至上である!!カルデキア帝国民こそが選ばれた民であるッ!!」

 

 「「「カルデキア帝国こそが至上である!!カルデキア帝国民こそが選ばれた民であるッ!!」」」

 

 「カルデキア帝国に属さない者はカスであるッ!!」

 

 「「「カルデキア帝国に属さない者はカスであるッ!!!!」」」

 アルバックの指示通り、部下全員はアルバックに続いて声を大にして復唱する。

 

 「よ~~~し!いい声だッ!!」

 「それじゃあこれからについて話をするぞ!!」

 「今回のこの街で分かったことがあるッ!!」

 「それは、とても嘆かわしいことに我らに弓を引く愚か者がいるらしい!!」

 

 項垂れた様子でアルバックは言葉を続ける。

 「ニックとジャルの二人は、基地に戻り、通信機でこの街のことを本部へ報告だッ!!」

 

 「「ハッ!!了解しました!!」」

 アルバックの部下であるニックとジャルの二人は綺麗なフォームで敬礼をした。

 

 「それ以外の者は、自分と一緒に追跡だッ!!」

 

 「「「ハッ!!了解しました!!」」」

 他の兵士達も美しい敬礼を披露する。

 

 「それで一体どうやってその者を追うのでしょうか??」

 そうアルバックに尋ねたのは、最近この隊に配属となったシルクという男だった。

 

 「そうか...シルク!貴様は最近この隊に配属になって、自分の力を知らないのか...!」

 ニヤリとした笑みを浮かべるアルバック。

 

 アルバックの能力スキル

 

 それは...。

 

 アルバックは、地面に這いつくばる態勢を取る。

 

 「ククク...聴こえるぞ...!聴こえるッ!!」

 

 「一体、中尉は何を...??」

 その異常な行動にシルクは不気味さしか感じていなかった。

 

 「アレは聴いてるんだ!大地の声を...いや、植物の声というべきか!」

 別の隊員がシルクに説明をした。

 

 「そうだ...中尉のスキルは...《緑の支配者グラスドミネーター》」

 「植物と意識を合わせて、意のままに操る能力だ!!」

 

 「そんな植物って...まさか...」

 シルクは周囲を見渡す。

 

 「そうだ...気付いたか...。」

 「中尉はこの平原内一面に生えている雑草すら意識を支配することが出来るッ!!」

 「中尉はどこに人が通ったか、どんな物が通ったかという雑草の記憶を見ることが出来るんだ!」

 「この世界で陸地ならば雑草の生えていない箇所は存在しない...。」

 「つまり、中尉の緑の支配者グラスドミネーターは追跡能力としては最高峰なのだッ!!」

 

 シルクはゴクリと生唾を飲む。

 

 「お前ら...朗報だ!」

 「分かったぞ!愚かな者が...いや、コレは二人組だ!愚かな者だ!!」

 「奴らは、商業都市エメラルドに向かったぞ!!」

 アルバックは、ミナスとリアの向かう先を特定した。

 

 そして、アルバックは部下を引き連れて、ミナス達を追って商業都市エメラルドへと向かう。

 

 帝国に歯向かう者を殺す為に...。

 

 

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↓こちらも連載しています。面白いので、ぜひ読んでみてください。

『エレベータに乗ったら異世界に来てしまった件』

https://ncode.syosetu.com/n2932fy/205/

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