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誰かボクを殺してくれ ~不老不死でLv.-9999の災厄ダウナーは今日も死にたがる~  作者: ゆに
第2章 災厄のダウナー

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第66話 兆し③


~元領主インテグラルの屋敷~

 

 それはミナス達が東の国シグマへ発ってから20日後のことだった。

 

 リアはずっと解放軍の代表として方々から渡された書類に目を通し続けてきた。

 

 戦争をすると云うのは・・・兵力を集めるだけでも馬鹿にならない労力と金が必要だ。

 

 王女という身分を使い、近隣の貴族たちから金を借りた。

 

 借用書もたんまりある。

 

 これらにも目を通し、サインをしなければならない。

 

 「ミナス達大丈夫かな―――?」

 「変なことしてないかな?」

 

 ふといつも心に思うのはミナスやジュリエッタ達のこと。

 

 そんなリアの元にドタドタと大きい足音を立てて、一人の兵士が入って来る。

 

 「ハァハァ・・・!!」

 

 兵士は勢いよくドアを開けると両膝に手を付け、息が切らしている。

 

 「どうしたの?」

 

 リアは優しくそう問いかけた。

 

 「今朝、早馬による伝令が来ました!」

 

 ・・・・

 

 どうやら、ミナス達がカジハラと共にバルクールとアーカルムを解放したというものだった。

 

 「ありがとう―――」

 「そんなに急いで疲れたでしょう―――」

 「少し休んで頂戴。」

 

 そういって、リアは兵士に休むように云った。

 

 リアは内心とても喜んだ。

 

 シグマと同盟を結び、対帝国に向かって前進していたからだ。

 

 事は順調に進んでいる―――

 

 しかし、そんなに世の中は上手くいかない。

 

 伝令の兵士が休息の為、姿を消すと今度は別の兵士が急いでやって来た。

 

 

 「今度は何?」

 

 

 「た、大変です!!」

 「帝国が攻めてきました!!」

 

 「ミナスやジュリエッタがいないときに限って―――」

 「それで帝国は今どのあたりにいるの?」

 

 

 「それが・・・既にこの近くに―――」

 「それもかなりの数です!!」

 

 

 「なんですって―――!?」

 

 リアは大きな声で驚く。

 

 そんなはずはない。

 

 ここから帝国までの道のりは大きな山々に阻まれ、大軍を送り込むにもルートが限られる。

 

 所要なルートにはそれぞれ見張りを配置しており、攻め込まれればもっと早い段階で察知できる。

 

 そうなるように仕掛けたのにそれを見破られた?

 

 

 「案内して―――」

 

 「かしこまりました。」

 

 リアはその兵士に連れられ、足早に外へと向かう。

 

 詳しい状況は歩きながら聞くことにする。

 

 「敵はどうやって―――?」

 

 「それがヤツ等、空から・・・」

 

 「空?」

 

 「はい、ものすごい数の飛空艇です。」

 「それも完全武装した巨大な―――」

 

 『飛空艇』―――この世界でもそんな高度な技術は珍しい。

 

 

 帝国の高度な技術力とアーカルムで採取した星霊石によるエネルギーが実用を可能にした。

 

 

 星霊石の測り知れないエネルギーが何千トンという巨大な物体を浮かせるに至った。

 

 

 帝国はこの星霊石をアーカルムから向こう5年は困らない量、採掘した。

 

 彼らは5年あれば、この飛空艇を使い、世界征服が可能であると考えた。

 

 

 「ウソでしょ・・・!!」

 

 外に出たリアは目を大きく開き、言葉を失う。

 

 話には聞いていたが、実際に目にするのとでは全く違う。

 

 空が・・・青く輝いていた空の一面が飛空艇で覆われている程。

 

 ここら一帯が全て影となるそんなデカさと数の飛空艇。

 

 

 ゴクリ・・・生唾を飲み込む。

 

 そんなリアの前に一人の男がやって来た。

 

 「何者だ!!」

 

 リアの近くにいた兵士は剣を抜く。

 

 身なりは高そうなコートを着た紳士風の男。

 

 「この国の者ではありませんね?」

 

 リアが問い掛ける。

 

 「はい、私ルートアレフゼロ皇帝陛下の使いの者です。」

 

 

 男は皇帝の使いだと名乗る。

 

 

 「皇帝・・・帝国のトップ。」

 

 「私達の国をまた侵略しようって言うの?」

 「ここを・・・!ここに住む民たちを!!」

 

 リアが声を強く、そう云った。

 

 皇帝の狙いは分からないが、彼らが兵力を持ってこの地に来たということはそれ以外に考えられない。

 

 

 「落ち着いてください―――、リア様。」

 

 紳士風の男は妙に落ち着いている。

 

 「貴方の回答次第では私達はここで事を荒立てるつもりはありません。」

 

 

 回答次第?

 

 何かを要求しようと云うの?

 

 「何が望みですか?」

 

 

 帝国の奴らは残忍で、狡猾―――、油断すれば私達から何もかもを奪い去っていく。

 

 「貴方の姉君であられるセディナ様と皇帝陛下の婚姻の儀が数日後に行われます。」

 「貴方様がそこに出席することを陛下は強くお望みになっています。」

 

 

 「セディナ姉様と皇帝が結婚!!?」

 「何を言っているの!?」

 

 

 にわかには信じられない話だった。

 

 「ウソよ!!セディナ姉様に限ってそんなハズないわ!!」

 

 リアは必死にそう云った。

 

 しかし、紳士風の男は取り乱すことなく、ニヤリと笑みを浮かべるだけ。

 

 それがこの話の真実味を強める。

 

 「来ていただけますか?」

 

 「断ると云ったら?」

 

 「フフ・・・言ったでしょう?手荒な真似はしたくないと・・・」

 「ここら一帯を火の海にするのは難しくないんですよ―――」

 

 

 完全に脅迫だ。

 

 リアに付いて来なければ、ここの住民や家を焼き払うと・・・このバカげた数の飛空艇を使って。

 

 それに今はミナスやジュリエッタがいない。

 

 それどころか、シグマに遠征している分の兵力がゴッソリいなくなっている。

 

 とても戦える状況じゃない。

 

 「付いて来ていただけますよね?」

 

 

 「・・・・っ!?」

 

 

 

 

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