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誰かボクを殺してくれ ~不老不死でLv.-9999の災厄ダウナーは今日も死にたがる~  作者: ゆに
第2章 災厄のダウナー

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第65話 兆し②


~元ジュエル王国 王都トパーズ~

 

 帝国の皇帝アレフゼロ、ジュエル王国第一王女セディナにプロポーズをした。

 

 「離してください―――っ!!」

 

 セディナはアレフゼロの手を強引に振り払う。

 

 少し後ろに退き、強い眼差しで睨みつける。

 

 「断ると云うのか?」

 

 

 「無論です―――!」

 「私はジュエル王国の王女―――」

 「心はこの国と共にあります。」

 「敵対国の代表である貴方様と結ばれることはあり得ません!」

 

 ここでこの人の申し出を受け入れては、あの戦いで亡くなった皆に顔向けができない。

 

 「少し勘違いしていないか?」

 「そなたは断れる立場にはない―――」

 

 

 「っ―――!?」

 

 

 「もし従わぬと云うのならこの国の住民の半分を処刑する。」

 

 アレフゼロは強引にセディナに迫る。

 

 「ッ―――!?」

 「なんて卑怯な!!」

 

 「忘れていないか?これは戦争なのだよ―――」

 「手に入れたい物はどんなことをしても手に入れる。」

 「それがこの世の真理だッ!!」

 

 

 「・・・っ!?」

 

 セディナは何も言い返せない。

 

 「ランスロットよ―――」

 「処刑の準備をしろ―――っ!!」

 

 アレフゼロはランスロットに処刑を指示する。

 

 「かしこまりました―――」

 

 

 「お待ちくださいっ!!」

 

 セディナは大きな声でコレを止める。

 

 民の命と自分の婚約を天秤に掛けた。

 

 自分にとって何が大切か。

 

 だけど、そんなもの天秤に掛けるまでもなく決まっている。

 

 

 「私が貴方様の提案を受け入れれば、この国の民には一切手を出さないと約束してくれますか?」

 

 「・・・この皇帝の名に誓って約束しよう。」

 「帝国の者からこの国に住む民へ危害を加えないことを。」

 

 

 「分かりました―――」

 「貴方様の提案を受け入れます。」

 

 

 「フフ・・・物分かりの良い者は嫌いじゃない。」

 

 

 こうして、帝国の皇帝ルート・アレフゼロとジュエル王国の第一王女セディナ-ジュエル-アルベスタは婚姻の関係となる。

 

 

 「今日は良き日だ―――」

 「我々の婚約が決まった―――」

 

 「そうでございますね。」

 

 「もっと嬉しそうな顔をしたらどうだ?」

 

 「まだ気持ちの整理がついておりません。」

 

 「フフ・・・まぁ、時期に慣れるだろう。」

 「だが、それを待っている程、私は気長ではない。」

 「やらねばならぬことはやってしまおう。」

 

 「それは一体・・・?」

 

 「結婚式だっ!!」

 

 結婚式?この国で?

 

 アレフゼロは淡々と言葉を続けていく。

 

 「そうだな―――、ゲストを呼ばねばならぬ。」

 「そなたの妹君とかな・・・。」

 

 

 「・・・っ!?」

 

 「ランスロットよ―――」

 「任せたぞ。」

 

 「御意―――」

 

 ランスロットは静かに頭を下げる。

 

 

 

~星霊都市アーカルム 近郊~

 

 時は少し進み、シグマ本部から人員も送られ、復興作業が始まった。

 

 レイン戦後のアーカルムを見た者は一様に引きつった顔をしていたという。

 

 都市内の建物は全てドロドロになり、生命の気配が一切ない状態だった。

 

 「土もこりゃダメだ・・・。」

 「こんな状態では農作物だって育ちゃしない。」

 

 

 ベテランの農夫もそう発言していた。

 

 ミナスの放ったマイナスの術が大きく都市を変えた。

 

 都市から帝国兵だけでなく、あらゆる生命を奪い去ったのだ。

 

 「旦那ァー、こりゃ、この辺りの街や村から物資を持ってきて、一から建て直さないと無理でっせ。」

 

 カジハラも再建には携わったが、ほとんどが引継ぎで担当者はシグマから別の者が寄こされた。

 

 「それはどれくらいの期間が掛かる見込みだ?」

 

 「大体、3年は掛かる大工事だ!!」

 「人ももっと増やさねェーと!!」

 

 

 アーカルムが復興するまで年単位の期間が掛かる。

 

 そして、アーカルムを奪還してから発覚したこともある。

 

 「星霊石が一つも見当たらねェー。」

 

 「溶けたんじゃないっすか?」

 

 「いや、その形跡すらねェー。」

 「こりゃ、こっちが奪還する前に帝国に全て運ばれてたと見るべきだ。」

 

 

 気付いたのはカジハラだった。

 

 彼は帝国が星霊石を欲してこの都市を奪ったことの危険性を十二分に把握していた。

 

 都市が奪還された後、彼は真っ先にこの鉱石の状態を確認しに行った。

 

 そこで判明したのが既に帝国本国へ全て送られていたということだった。

 

 

 「こりゃ、早めに手を打たねぇーと、取り返し付かないかもしれんぞ・・・。」

 

 カジハラは動いた。

 

 「おい、シロ!!」

 「あの魔導士はどこにいる!!」

 「あいつ見つけてさっさと解放軍の本拠地に戻るぞっ!!」

 

 

 「ミナスさんならバルクールの方へ戻りましたよ。」

 「あそこに置いてきた人がいると云ってました。」

 

 「そうか、バルクールか!」

 「オレっち達もバルクールに急ぐぞっ!!」

 

 

 

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