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誰かボクを殺してくれ ~不老不死でLv.-9999の災厄ダウナーは今日も死にたがる~  作者: ゆに
第2章 災厄のダウナー

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第58話 星の巡る地⑩


~星霊都市アーカルム 近郊~

 

 アーカルム近郊、森の中、カジハラが一人で水鏡の前に座る。

 

 そこには向かい合うミナスとレインの様子が映し出されている。

 

 彼はアーカルムの様子を自身の式神を使い、偵察している。

 

 少し距離を置いた所でいざとなったら自分が動けるように備える。

 

 

 バサっ―――、バサっ―――

 

 カジハラの元にドラゴン形態のシロが戻ってきた。

 

 「ただいま戻りました―――」

 

 

 「誰にも付けられてないだろうな?」

 

 

 「はい、追跡してきたハエは叩き潰しましたし、私の気配察知、魔力感知ともに反応はありませんでした。」

 

 

 オレっちの仕掛けた罠にも特に反応は無し―――

 

 誰にも付けられてはいないようだな。

 

 「二人の闘いを見ているのですか?」

 

 

 「あぁ、そうだ。」

 「この二人どっちが勝つと思う?」

 

 

 「あのレインという将軍、確かに強かったですが、ミナスという魔導士もまた想像以上の人外です。」

 「彼は次元の狭間の怪物を一匹残らず駆逐したと云っていました。」

 「それは恐らく本当でしょう。」

 「だから、私は彼が勝つと思っています。」

 

 

 「ふぅ~~、なるほど―――、お前はそう思うんだな。」

 「ミナスは危険な存在―――、確かにそれはオレっちも同じ意見だ。」

 「だが、ヤツも倒せない訳じゃない―――、明確な弱点もある。」

 

 

 「弱点・・・ですか?」

 

 「あぁ、あのレイン将軍が勝てるかどうかはその弱点に気付くかどうかだ。」

 

 

 「なるほど・・・で、ご主人様(マスター)はここで高みの見物って訳ですか?」

 

 

 「まぁな―――、黒幕(フィクサー)は裏側で座して眺めるってのが相場だろ?」

 

 

 「そういうものですかね・・・。」

 

 

~星霊都市アーカルム~

 

 場面は戻り、アーカルム。

 

 ミナスとレインの闘いへ移る。

 

 後方で二人の闘いを眺めるルード。

 

 彼もまた不用意に近づくのは危険と判断している。

 

 彼の部隊は後方で待機させている。

 

 合図次第ですぐに動けるようにしている。

 

 

 「帝国最強のレイン将軍―――」

 「アンタの力、見せてもらうぜ―――」

 

 レイン将軍はヴィクター博士によって造り出された人造魔導戦士。

 

 帝国の最高技術を用いて、人為的に生み出された最強の魔法剣士。

 

 その戦闘力は、大型のドラゴンすら一人で軽々と打ち倒す程。

 

 まさに人智を超えた存在―――

 

 それがレイン将軍の強さの秘密。

 

 そんな彼女とあの怪物がどう戦うのか正直興味はある。

 

 注目度の高い二人の闘い。

 

 

 「先の闘いでは途中で邪魔が入りましたからね―――」

 「今回は存分にやれそうですね。」

 

 レインが動いた。

 

 既に大勢の帝国兵を屠ったミナスを脅威とみなしている。

 

 常人では眼で追うことすら難しい速度で、ミナスに斬り掛かる。

 

 気付いたら、帝国で私は最強の存在だった―――

 

 誰も私の強さに付いて来れる者はいなかった。

 

 「・・・・貴方はどうですか?」

 

 レインの鋭刃が一閃、ミナスの身体を空気ごと切り裂いた。

 

 

 グチャグチャグチャ・・・・。

 

 まただ―――

 

 さっきと同じ―――

 

 ミナスの身体は液体状に変わり、ダメージはない。

 

 「絶望魔法:黒い閃光(ブラックレイ)!!」

 

 レインが左手から魔力を解放する。

 

 黒い光がミナスの身体を丸ごと包む。

 

 「焼却―――」

 

 高密度の魔力が辺りを焼き尽くす。

 

 身体が液体なら今ので蒸発してもおかしくはない。

 

 そもそも、彼に物理法則が通用するのか?

 

 そこが懐疑的―――

 

 ミナスの腕が黒煙の中から現れる。

 

 ミナスは生きている。


 「能力値降下ダウン!」

 

 これが彼の弱体化魔法・・・。

 

 これを防げれば―――

 

 レインはその眼でミナスの能力値降下ダウンを見極めようとする。

 

 もしこれが初見だったら、レインはやられていたかもしれない。

 

 しかし、レインは帝国最強の将軍。

 

 彼女自身、天才的な剣のスキルを持っている。

 

 「絶望剣:怨嗟の冥剣!」

 

 「ッ―――!?」

 

 「おっ、おおおぉぉぉーーー!!!」

 

 後方にいた帝国兵は歓喜の声を上げる。

 

 ミナスの能力値降下ダウンがレインの剣によって斬られた。

 

 ミナスは思わず、目を見開く。

 

 正直、驚いていた。

 

 次元の狭間でもこんな芸当をしてくる者はいなかったからだ。

 

 「だいたい分かりました―――」

 「その術はもう私には通用しません。」

 

 レインは済ました顔でミナスを見つめていた。

 

 

 ◆◆◆

 

 「そうだ―――」

 「ミナス・・・お前がいままでその術で強敵を破って来れたのは、それが初見(・・)だったからだ―――」

 「お前を見たら、強者であればあるほど、お前のことを見下し、油断するだろう。」

 「だからこそ、お前はシロクラスの化け物を屠ることが出来た。」

 「だがなぁ、ミナス・・・人間はお前が思ってるほど、甘くない―――」

 「相手が脅威であればある程、対策をして来る・・・現実はお前が思っている程、都合よく出来てはいねェーンだよ!!」

 

 カジハラが水鏡を見ながら、そんなコメントをする。

 

 

 こうなることを薄々、感じていた。

 

 カジハラがミナスに抱いていた弱点はまさにそこだった。

 

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― 新着の感想 ―
作者絶対カジハラに自己投影してて草 いい女付けて最強のスキル、日本名の異世界出身、いかにもな発言にそれなりの強さ。 自分の作ったキャラで自家発電するのはいいけどちょっとは主人公立ててくれ笑
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