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誰かボクを殺してくれ ~不老不死でLv.-9999の災厄ダウナーは今日も死にたがる~  作者: ゆに
第2章 災厄のダウナー

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第51話 星の巡る地③


~星霊都市アーカルム近郊 モノス平原~

 

 モノス平原の戦いが始まった。

 

 解放軍側の作戦通り、シロを頭にした特攻部隊が敵の本隊を貫き、陣形を崩す。

 

 解放軍側優勢のスタートに思えた。

 

 カジハラは全軍の後方で待機。

 

 すぐに指示が出せるように全体が視える位置で構える。

 

 「シロさんの活躍で帝国軍の陣形を突破できそうですね。」

 「第二陣出撃させますか?」

 

 

 「いや、まだ待て―――」

 「奴らもバカじゃない―――、すぐにシロを止める為に精鋭を当ててくるだろう。」

 「今、出撃したら第二陣と共々、飲み込まれてしまう可能性が高い。」

 

 

 世の中に絶対はねェ―――

 

 初っ端にこっちの最強戦力をぶつけて帝国側の出方を見る。

 

 「ミナスさん、しっかり付いて来ていますか?」

 

 「あ~~い!」

 

 シロは隣のミナスを気に掛ける。

 

 ミナスはやる気にない返事をする。

 

 そのすぐ後ろにはシータも追走している。

 

 シロはカジハラから監視を命じられていたため、ミナスを不自然な程に気に掛けていた。

 

 しかし、シータが後ろで怪しむような視線を送っているが、当のミナス本人は特に気にしない。

 

 そうやって、最速で全身を進めていく一隊だった。

 

 出てくる帝国兵は次々とシロが撃破する。

 

 彼らも本来なら強者なのだが、シロの前では大して意味を為さない。

 

 シロたちの進撃により、アーカルムの正門までもう少しというところ。

 

 「止まってください―――」

 

 シロが進行を止めた。

 

 「ッ―――!?」

 

 前方からただならぬ気配がしていた。

 

 「あれは・・・?」

 

 ミナスがゆっくり顔を上げて、前を見ると、明らかに一般の帝国兵とは異なる騎士が待ち構えている。

 

 彼女からあの禍々しい気は出ているのか?

 

 この世界に来て、また新たな強者との遭遇。

 

 シロもそれが分かったから止まった。

 

 「どうやら一筋縄ではいかなそうですね―――」

 

 その額からは汗が垂れている。

 

 冷や汗・・・?

 

 あの強く美しいシロが額に汗を流す程の相手―――

 

 後続の隊員達はゴクリと生唾を飲み込み、その身に緊張感を走らせる。

 

 

 「・・・・・・。」

 

 後ろの帝国兵達も彼女の周りから一歩引いている。

 

 闘いやすいように場所を開けているという見方もできる。

 

 

 「そこをどいてもらえますか?」

 

 

 シロがそう伝えた。

 

 

 「レイン様―――、ここは私が・・・」

 

 待ち受けているのはこのアーカルムを侵略した帝国の将軍レイン。

 

 

  "レイン・・・?アレがご主人様(マスター)の言っていた今回一番に警戒するべき相手。"

 

 

 ~~~~~~~~~~

 敵将のレインはオレっちもほとんど情報が手に入れられなかった―――

 

 情報が出てこないのが不気味すぎる。

 

 正直、お前が敗けるとは思えねェーが、万が一も考えられる。

 

 もし、そうなったら―――

 

 ~~~~~~~~~~

 

 

 レインはガイモウの前で手を肩くらいまで上げる。

 

 ここは自分が行くという意思なのだろう。

 

 「分かりました―――、敵はそれほどの相手と言うことなのですね。」

 

 

 ガイモウはこれを承諾。

 

 流れはシロとレインの一騎打ちの様相となる。

 

 両者、騎乗しながらの戦闘。

 

 「どかないのであれば、力づくでいきます。」

 

 シロが仕掛ける。

 

 「竜槍波!!」

 

 聖なる神槍をレインへ突き立てる。

 

 

 「世界はいつだって、絶望に包まれている―――」

 

 「それがこの世界の真理であり、あるべき姿。」

 

 「私はそれを美しいと感じる―――」

 

 

 レインはそう口にする。

 

 その手には漆黒に包まれた黒剣を握り締め、シロの一撃を受け止めていた。

 

 剣で槍の一撃を受け止める。

 

 それだけでもかなりの技量であることが伺える。

 

 闘争の最中―――、感じる、最も心地の良い瞬間。

 

 それは敵を蹂躙する時。

 

 グシャ―――っ!!

 

 シロの真っ白な衣服が血で真っ赤に染まる。

 

 「ッ―――!?」

 

 「シロさアアァーーーーっん!!」

 

 

 レインの一刀により、肩から斬られるシロ。

 

 シロは自分が斬られたことに呆気に取られてしまう。

 

 これまでの人生で斬られた経験がほとんどないからだ。

 

 「あの出血量はマズいかもしれない―――」

 

 レインは表情一つ変えない。

 

 あたかも、斬って当然かのようだ。

 

 まだ握れる―――

 

 「竜槍爆波!!」

 

 シロは利き手である右手で反撃に出る。

 

 だが、レインの方が上手、その一撃をキレイに躱し、宙を舞う。

 

 まるで空を舞う羽毛のように軽やかにそして鮮やかに。

 

 

  斬ッ―――!!!!

 

 

 今度はシロは反対の肩を斬られてしまう。

 

 「ッ―――!?」

 

 「これほどまでなのか・・・?」

 「これほどまでに帝国は圧倒的なのか?」

 「あのシロさんが手も足も出せていない・・・。」

 

 

 

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