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誰かボクを殺してくれ ~不老不死でLv.-9999の災厄ダウナーは今日も死にたがる~  作者: ゆに
第2章 災厄のダウナー

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第47話 城塞都市バルクール攻略戦⑧


~城塞都市バルクール 帝国軍部内~

 

 「ウオォォーーン!!」

 

 雄々しい鳴き声を上げ、エルグはオルスを襲う。

 

 「クソがアアァーーーっ!!」

 

 

 あのカジハラとかいう男、絶対に許さんッ!!

 

 俺にこんな仕打ちを―――

 

 エルグ・・・すまない―――、この手でお前を殺めることになってしまうなんて・・・。

 

 その手に握られるは柄に宝飾を施した短剣。

 

 高価な魔石を取り込んだ特注品。

 

 オルス専用の武器―――

 

 彼はエルグの力だけで帝国の幹部に昇り詰めたわけではない。

 

 彼自身の実力も本物。

 

 「ハァー、ハァー・・・カジハラ・・・貴様、許さんぞッ!!」

 

 血だらけになったオルス―――、その横にはぐったりと倒れるエルグ。

 

 あの狂暴な化け物をたった一人で打ち倒した。

 

 「おぉー、やるねエ―――、流石は帝国の上官殿だ。」

 

 

 「エルグ・・・。」

 

 オルスはエルグとの思い出を回想する。

 

 初めて出会ったのは、まだ新人の頃。

 

 帝国の生物研究部より支給された猛獣―――、それがエルグだった。

 

 当時はまだ小さく、今ほど狂暴ではなかった。

 

 そんなエルグを躾け、調教した。

 

 俺が手塩に掛けて、育てた。

 

 エルグが無類の強さを持った時、俺は帝国の少佐の地位に立っていた。

 

 そんなエルグをこの男は・・・。

 

 「カジハラアアァァーーーッ!!」

 

 オルスは血走った眼でカジハラに襲い掛かる。

 

 

 「そんなボロボロになってもまだ闘争心を失わないなんて、偉いなァーー!!」

 「だが、さっきも云ったように努力だけじゃあ超えられないもんが存在する!!」

 

 

 カジハラは腰からそれを取り出し、オルスへ向けた。

 

 「なっ!?」

 

 バンッ!!

 

 銃声が鳴り響く。

 

 火薬の匂いがその銃口から漂う。

 

 「な、何故・・・貴様がそんなものを・・・!?」

 

 

 カジハラの放った弾丸がオルスの胸を撃ち抜く。

 

 オルスは膝を着き、カジハラを睨みつける。

 

 「オレっちは手を汚さない主義だ―――」

 「銃はそんなオレっちにお似合いの武器って訳だ。」

 

 

 カジハラの持つ銃はこの世界の物ではない。

 

 もっと高度な文明が作り上げた武器。

 

 カジハラという男もまた異世界から来た存在だった。

 

 彼がこの世界にやってきたのは大いなる理想実現の為。

 

 その目的の為、この戦乱に身を投じている。

 

 

 「ク・・・ソ・・・この俺が・・・こんな所で・・・。」

 

 オルスは背を向け、後ろの階段から登り始めた。

 

 オルスはその足で逃げ出すつもりだった。

 

 「アイツ・・・逃げるつもりですよ!!」

 

 解放軍の一人がそう口にする。

 

 「追いましょう!!」

 

 「放っておくんだ―――」

 「外はどうせ戦火の中―――、アイツは生き残れない。」

 

 カジハラが笑いながらそう云う。

 

 「それより、その将軍を手当てした方がいいんじゃないかァ!?」

 

 「そうだ―――、隊長!!」

 

 

 ジュリエッタも瀕死だった。

 

 今すぐに手当てをしなければいけない程の。

 

 「ご主人様(マスター)!!」

 

 「お前もコイツ等と同じ意見か?」

 

 「・・・・何か手を打っているということですね。」

 

 「まぁ、そういうこった。」

 

 

 カジハラは勝負事において決して手を抜かない。

 

 勝つ為に何をしなければいけないのか常に頭で考えている。

 

 そんな彼がオルスを見す見す逃すはずが無い。

 

 オレっちがここまで来れたのはこの城塞都市に元々息の掛かった者を何名も潜り込ませていたからだ。

 

 帝国の侵略を予見してな―――

 

 奴らの手引きで、ここまで来れた。

 

 だが、それでも無傷で来れたのは、南北の突撃と、西からの侵入があったからだ。

 

 敵はまんまとこの二つの陽動に気を取られ、オレっちの侵入を許したという訳だ。

 

 そして、敵将のオルスの逃げた先・・・そこにはオレっちの手の者を配置している。

 

 元々、この展開は織り込み済み。

 

 さぁ、一体どんな死に様かな?

 

 カジハラはゆっくりとオルスが逃げた階段を上り、オルスの死に様を期待する。

 

 しかし、カジハラは目を見開き、驚く。

 

 「なっ―――!?」

 

 「うっ・・・あぁ・・・!!」

 

 オルスが頭だけになり、体中がドロドロとした液体に変わっているではないか。

 

 「やぁ・・・君は確か・・・カジハラ君!」

 

 

 そこにはいたのはミナスだった。

 

 彼の周囲はドロドロとした黒い液体が大量に流れている。

 

 そこだけ世界が違うかのようだ。

 

 死の臭い―――『死臭』。

 

 「これはお前がやったのか?」

 

 

 「うん♪そだよ―――」

 

 

 ミナスはそう答える。

 

 コイツはオレっちの配下ごと、オルスを殺りやがった・・・。

 

 とてつもなく不気味な野郎だ―――

 

 こんな気配初めてだ。

 

 このオレっちが気圧されている・・・。

 

 やはり、コイツだけは注意しねェーといけねェ―――

 

 

 カジハラはミナスの異常性を悟った。

 

 

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