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誰かボクを殺してくれ ~不老不死でLv.-9999の災厄ダウナーは今日も死にたがる~  作者: ゆに
第2章 災厄のダウナー

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第45話 城塞都市バルクール攻略戦⑥


~城塞都市バルクール~

 

 ジュリエッタ達が攻め込む中、オルスはとても冷静に構えていた。

 

 まるで、解放軍など敵ではないかのようだ。

 

 「なぁ、アンタ達―――」

 「ここにジュエル王国の解放軍が来るってよォ!」

 「良かったなァーー!!」

 

 オルスは手足をロープで縛っている女たちに向けてそう口にする。

 

 「ん"ん"んーーっ!!」

 

 口には湿ったタオルを巻きつけ、利けないようにしている。

 

 彼女たちはこの街の住人の一部。

 

 帝国はこの街に侵略し、多くの人間を虐殺し、その半数を捕虜にした。

 

 その捕虜たちも彼らの機嫌次第で、簡単に凌辱され、命を奪われる。

 

 オルスたちはこの街で命を弄んでいた。

 

 

 「オルス様、ご報告です!ザジ副官が敵のやられました!」

 

 伝令の帝国兵がオルスの元へとやってきた。

 

 「ザジがやられただァ!?」

 「チッ、あの野郎ォ!解放軍なんぞにやられおって―――」

 

 

 「ヤツ等ものすごい勢いでこちらにやってきます!!」

 「中にはジュエル王国の将軍ジュリエッタ-トラインを名乗る者もいるとか―――」

 

 

 「ジュリエッタ-トライン?聞かん名だなァ!!」

 「まぁ、誰が来ようと相手をしてやるだけだ―――」

 

 

 「なぁ!エルグ!!」

 

 

 そう云って、オルスは何かを撫でるような仕草をする。

 

 「オルス様、我々は如何様に?」

 

 

 「ア"ァ"!?テメェー等は解放軍を倒すこともできないどうしようもない奴らだ―――」

 「そんな奴らの結末なんぞ、決まっているだろう?」

 

 

 「はっ・・・!?」

 

 状況を伝えに来た帝国兵は青ざめる。

 

 眼の前に巨大な"ソレ"がいたからだ。

 

 クチャクチャと音を立てて口を動かす。

 

 その不気味に様相に恐怖する。

 

 「オルス様―――、お助けを!!」

 

 「エルグ―――、そいつ喰っていいぞ!!」

 

 「オルス様アアァーーーーっ!!」

 

 クチャクチャクチャ・・・ガブっ・・・!!

 

 「ギャアアアァァーーー!!!」

 

 グチャ!グチャ!グチャ・・・!

 

 グキキキっ―――

 

 肉が喰い千切られ、骨が砕ける音が鳴る。

 

 エルグと呼ばれる怪物が妖しく眼を光らせる。

 

 「おー、よしよし、イイ子だ―――」

 「ここにあと少しで帝国に逆らう愚かな解放軍がやって来る。」

 「そいつらも喰っていいぞ―――」

 

 オルスはエルグを撫で、褒める。

 

 

 「敵将はどこだァーーー!!」

 

 オルスの言った通り、少しすると、ジュリエッタ達が到着した。

 

 「貴様がここの首領か!?」

 

 ジュリエッタが血走った眼で尋ねる。

 

 「おぉー、コワいコワい・・・。綺麗な顔が台無しだぜェ?」

 

 

 「下らんことを云ってないで、こちらの質問に答えろッ!!」

 「貴様がここのボスで間違いないな!?」

 

 

 「はぁー、冗談にも付き合ってくれんとは・・・あぁ、そうだ―――」

 「俺がここのボス、オルス-フィル-カイシュン!!」

 「皆はオルスと呼ぶ。」

 

 

 「そうか―――、ならば貴様を斬れば、この都市は解放されるという訳だな!」

 

 ジュリエッタは剣を向け、構える。

 

 「この俺とやるってのか?ア"ァ"!?」

 「身の程を弁えろよ?クズ共がァ!!」

 

 オルスは口汚く罵る。

 

 「黙れ!外道が!!」

 

 ジュリエッタはその傷だらけの身体で斬り掛かる。

 

 「お前は俺に触れることすらできねェーよ!!」

 「エルグ!!やっちまえ!!」

 

 

 「隊長!!上から何かがやってきます!!」

 

 

 ジュリエッタは頭上に注意を向ける。

 

 「なんだ、アレは・・・!?」

 

 ジュリエッタは目を見開き、その異形の者に一瞬固まってしまう。

 

 「黒脊獣(こくせきじゅう) エルグ―――、俺のペットさ。」

 

 見た目は巨大な黒い毛皮の獣。

 

 そんな大型の獣が天井に張り付き、地に落ちてきた。

 

 ドスンっ!そんな音を立てて、落ちてきた。

 

 砂埃を巻き上げ、ジュリエッタの前に立ちはだかる。

 

 そのデカさ―――、ジュリエッタの軽く2倍はデカい。

 

 そして、エルグはデカさだけでない、獰猛さも兼ね備えている。

 

 鋭い牙がその口から顔を覗かせている。

 

 腹を空かせているのだろう、涎がその口から垂れている。

 

 「隊長!!そいつは危険です!!」

 「ここは一旦、退きましょう!!」

 

 部下達はそう云うが、ジュリエッタは退く気はない。

 

 「ここまで来て、退けるか!!」

 「それに今、ここで背を向けてみろ!!」

 「我々は一瞬で食われてしまうだろう!!」

 

 「よく分かってるじゃねェーか―――」

 

 

 オルスはニヤリと笑みを浮かべてそう云った。

 

 「行くぞ!化け物!!」

 

 ジュリエッタは剣を向けて、挑む―――

 

 「ククク・・・愚かな女だ―――」

 

 勝敗はすぐについた―――

 

 ジュリエッタは血だらけになって倒れる。

 

 全く歯が立たなかった。

 

 「隊長オォォーーー!!」

 

 隊員たちは涙を流し、隊長と叫ぶ。

 

 「シロ殿―――、どうか!隊長をお助け下さい!!」

 「このままでは―――!!」

 

 もはや縋る先はシロしかいない。

 

 驚異的な力を持つシロならあるいはと考えたのだ。

 

 しかし、シロはその首を横に振る。

 

 「ご主人様(マスター)から私はあの者と戦うなと仰せつかっています。」

 

 「そ、そんな・・・どうにか、どうにか・・・なりませんか!」

 

 「ご主人様(マスター)の指示は絶対です―――」

 

 ジュリエッタは絶体絶命かに思えた。

 

 「よおぉぉーし、エルグ、その女を喰っちまえ!!」

 

 エルグのその巨大な牙がジュリエッタに迫る。

 

 その時だった―――

 

 

 「おぉー、やってんなァーー!!」

 

 

 「ご主人様(マスター)!!」

 

 

 「カジハラ殿!!」

 

 

 そこに突如現れたのはカジハラだった。

 

 

 

 

 

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