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誰かボクを殺してくれ ~不老不死でLv.-9999の災厄ダウナーは今日も死にたがる~  作者: ゆに
第2章 災厄のダウナー

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第44話 城塞都市バルクール攻略戦⑤


~城塞都市バルクール~

 

 「隊長が敵の副官を討ったゾォォーーーっ!!」

 

 巻き上がる味方からの歓喜の声。

 

 手練れのザジを倒したとて、ジュリエッタも共に倒れ、満身創痍の状態。

 

 こちらの戦力もココに来るまでに大分削られている。

 

 「ザジ様がやられるなんて・・・!?」

 

 「こんな奴らが我が帝国を―――」

 

 「だが、敵も満身創痍だ!!ザジ様の仇を取るぞォーーっ!!」

 

 そうだ、ザジを倒しても状況が少し良くなった程度。

 

 敵の本拠地はまだ先、それまでに数百と言える敵兵を倒さなければいけない。

 

 

 「貴方、ジュリエッタさんを背負えますか?」

 

 「はい、隊長のことは任せてください!」

 

 シロは比較的、傷の浅い隊員にジュリエッタを任せる。

 

 

 ご主人様(マスター)は、ここに突入する前にこう言っていた―――

 

 カジハラとシロは二人でバルクール突入前にこっそりとやり取りをしていた。

 

 他の者に聞かれていないことを確認しての会話だ。

 

 「敵の本陣はあの赤い屋根のデカい建物だ―――」

 

 

 「何故、それを知っているのですか?」

 

 

 「あ"ぁ"!?お前がそれを気にする必要はねェ?違うか?」

 

 

 「・・・承知しました、ご主人様(マスター)。」

 「それで私はどのように動けば?」

 

 

 「お前は西の城壁を崩し、そこからあの建物を目指して進め―――」

 「そこに敵将がいるはずだ。」

 

 

 「到着した後はどのように?」

 

 

 「解放軍の奴らに帝国の敵将と戦わせるんだ―――、お前は手を出さない。その代わり、そこに至るまでお前がサポートしてやれ。」

 「いいか?解放軍の奴らにはできるだけ丁寧にそして優しくして恩を売るんだ。」

 

 

 「承知しました―――」

 

 ご主人様(マスター)の考えは私には分からない。

 

 元来、そんな生き方をしてきていないからだ。

 

 だからこそ、"面白い"―――

 

 それにご主人様(マスター)は既にこの戦いを掌握している。


 どうなるのかの結末までその頭に描いている―――


 二ヤリと笑みを浮かべる。それは恐れを知らぬ静かな微笑。

 

 眼光は鋭く、敵兵に向ける。

 

 数百の敵兵を前に、彼女はただ美しく、笑っていた。

 

 シロは口を開く。

 

 「敵将はすぐそこです―――、私が皆さんを御連れ致します。」

 

 そう云って、シロは力を示す。

 

 「な、なんだ―――っ!?あのバケモノ女は・・・!?」

 

 「白の外套(ホワイト・ケープ)―――、ここは私の領域です。」

 

 シロを中心として辺りが光り出す。

 

 「か、身体が動かな・・・!?」

 

 バタバタと倒れる帝国兵。

 

 あれほど、強かった帝国兵が一瞬で戦闘不能となる。

 

 「す、すごい魔法ですね―――」

 

 思わず、解放軍の一人がシロにそう云った。

 

 「魔法ではありません―――」

 

 

 「えっ・・・!?」

 

 「魔法とは異なる次元・・・貴方達でいう所の"ギフト"に近いものです。」

 

 「な、なるほど―――、私にはよく分かりませんでしたが、シロ殿は他の者とは別格・・・ということですね。」

 

 「まぁ、そういうことにしておいてください―――」

 

 シロは自分が何者なのか語るつもりはあまりない。

 

 というよりも、自分が何者であるかはどうでもよいと考えていた。

 

 だから、それ以上は何も言わない。

 

 こうして、一行は敵の本陣へと辿り着いた。

 

 「ここに敵将がいるんですね―――」

 

 

 「降ろせ・・・!」

 

 

 「隊長・・・!まだお身体が!?」

 

 

 ジュリエッタは震えた足で自力で歩こうとする。

 

 それを止める隊員達―――

 

 「どけっ!この先に敵の頭がいるのであろう!」

 

 「そ、そんな身体では無理ですってば!」

 

 「シロ殿がいますよ!この方なら―――」

 

 「いいえ、私はこの先の敵将とは戦いません―――」

 

 

 「えっ・・・!?」

 

 

 「ご主人様(マスター)からの指示です。私は戦うなと―――」

 

 

 「だそうだ―――、この先の敵は私が斬る!!」

 

 「いや、だから無理ですってば~~~!!」

 

 何名かがジュリエッタの身体を強引に押さえつける。

 

 ズルズルと足が地面を擦る。

 

 ボロボロでもジュリエッタの闘志はかなり高いようだ。

 

 「お前達、ここに来るまでに住民たちの家は見たか?」

 

 「えっ・・・!?」

 

 「中は荒らされ、人なんて誰もいなかった―――」

 「きっとどこかに幽閉されているか、虐殺されている・・・彼らも私達と同じだッ!!」

 「帝国に故郷を侵略され、凌辱され、命を・・・尊厳を踏みにじられたっ!!!」

 「今彼らを救えるのは我々だっ!!」

 「だから、こんな所で立ち止まっている場合ではないッ!!」

 

 

 「た、隊長~~~っ!!」

 

 ジュリエッタの喝で隊員たちに、部隊に闘志が湧き上がる。

 

 流石です―――、さっきまでボロボロだった隊が復活した。

 

 コレがジュリエッタという人間の持つ力ですか。

 

 とても力強く、人に勇気を与える。

 

 シロはその様子を見て、ジュリエッタに興味を持つ。

 

 「皆の者、いくぞオォォーーー!!」

 

 

 ジュリエッタを先頭にして、部隊が敵将オルスのいる本陣へと突入する。

 

 

 

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