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誰かボクを殺してくれ ~不老不死でLv.-9999の災厄ダウナーは今日も死にたがる~  作者: ゆに
第2章 災厄のダウナー

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第37話 シグマからの使者


~商業都市エメラルド~

 

 「店員さん、コーヒー豆売ってますか~~?」

 

 「あっ、ハイ、ありますよ―――」

 

 「じゃ、それ一袋下さい。」

 

 リアが忙しくする中、ミナスは気まぐれにエメラルドの雑貨店で買い物をしていた。

 

 「銀貨10枚になります―――」

 

 「はい~どうぞ―――」

 

 ミナスは会計を済まし、嬉しそうに店を出る。

 

 「コレだよ~~、この香りが癖になる。」

 「この香りが死ぬを躊躇わせるかも―――、いや、やっぱりそこまででもないか?」

 「まぁ、それでも好きかもしれない―――」

 

 ミナスはそんなことを一人ブツブツ言ってる。

 

 その後ろに誰かの影。

 

 う~~ん、誰かに付けられてるなァ~~。

 

 ミナスは何者かの気配を感じる。

 

 そして後ろを振り返る。

 

 「シータ?」

 

 ミナスはシータの名前を口にする。

 

 「よく気付きましたね―――」

 

 シータが何もない所から現れる。

 

 忍者だから周囲に擬態するのは難しくない。

 

 「ボクに何か用?」

 

 「用・・・って訳ではないですが・・・。」

 「ミナス様を監視していました。」

 

 少し恥ずかしそうにするシータ。

 

 ん?コレはまさか・・・。

 

 

 リアにボクを監視するように命令された・・・?

 

 

 ミナス様・・・あぁ、私はあの時、貴方に救われた―――

 

 だから、貴方のことを感じていたくて、貴方のことを見てたくて―――、後ろから付いて来てしまった。

 

 シータは頬を赤らめ、ドキドキする。

 

 彼女はミナスに尊敬と好意を抱く。ミナスのことを好きになってしまう。

 

 そう―――、ミナス様を見ていると、こう・・・胸がドキドキしてしまう。

 

 私は一体、どうしてしまったというのだろう。

 

 しかし、本人はそのことの自覚はない。

 

 ただ、自然と身体が反応してしまう。

 

 

 シータはくノ一であるが故に目元以外は隠している。

 

 ミナスはシータの表情まで視えない。

 

 彼女が自分に好意を抱いていることに気付いてない。

 

 

 リアから監視を命じられているなら下手なことはできないな~~。

 

 いや、でもコーヒー豆を買うくらい問題ない?問題ないよね?

 

 

 ミナスは数千年以上、外界から離れていた為、コミュニケーションに少し難がある。

 

 

 「何でくっついて来るの?」

 

 シータが何故かミナスの右腕にくっついて来た。

 

 まるでイチャイチャするカップルのように―――

 

 「コレは・・・貴方がどこかへ逃げないようにです。」

 

 シータは自然と自分の身体が動いてしまったことをわざとらしくごまかす。

 

 

 逃げない為・・・やっぱりリアが命令しているのか?

 

 ボクがこれからの帝国との闘いに必要だから、どこにも逃げないようにって―――

 

 やるね・・・リア―――

 

 

 ミナスはそう理解するが、実際はただシータがミナスにくっつきたいだけ。

 

 「ボクこれから帰るんだけど―――、いい?」

 

 インテグラルの家とは逆方向にシータの足が向かっていることに気付いた。

 

 ミナスは帰りたいのにこれらかどこに行こうと云うのだ。

 

 

 「えっ、えっ~~っと―――」

 「そう、これは少しこの街を見ておきたいと思ってですね。」

 

 

 シータが今度は少し慌てて答える。

 

 

 街を見ておきたい?

 

 あぁ、この街は復興しているからそれを見せて、少しでもこの国に愛着を持たせようとしているのか。

 

 これもリアの思惑?

 

 ミナスは深読みするが、実際はシータがただミナスと少しでも長く街を歩きたいだけ。

 

 

 う~~ん、少し歩きづらい。ちょっと離れて欲しいな~~。

 

 

 ミナス様・・・♡

 

 あぁ、横顔も素敵です―――

 

 シータはうっとりとした目でミナスを見つめる。

 

 

 なんか、すごい見られてるな―――

 

 もしかして、まだシータには怪しい奴だと思われてるのかな?

 

 

~元領主インテグラルの屋敷~

 

 「それで、帝国から王都を奪還する作戦ですが―――」

 

 リアと各地の諸侯たちが集まって軍議会議を行っていた。

 

 解放軍も形を成してきて、大きな戦力になりつつあった。

 

 「何かいい案のある人はいる?」

 

 「現状、こちらも戦力は増えてきておりますが、奴らの軍事力を考えれば、まだまだ足りません。」

 「せめて、我々に優秀な軍師がいればよいのですが―――」

 

 ジュリエッタがそう口にする。

 

 このジュエル王国に頭のキレる軍師はいない。

 

 これから王都奪還を目指すのにこの状況はキツイ。

 

 「インテグラルがいてくれれば・・・。」

 

 インテグラルは軍師としてはそれなりに優秀だった。

 

 しかし、彼はもういない。シータが殺してしまった。

 

 「優秀な軍師をお探しですかい?」

 

 聞き覚えの無い声が扉の方から聴こえてきた。

 

 「誰だっ!?」

 

 皆に動揺が走る。

 

 ジュリエッタが剣に手を掛ける。

 

 ここまで何者の検知にも引っかかることなく、素性の知れぬ男が入ってきた。

 

 「カジハラ ノゾム―――」

 「オレっちの名前♪」

 

 

 「何者か聞いている!」

 

 

 「あぁ、肩書きのことか―――」

 「そうだな、今は・・シグマ共和国の使者ってことで。」

 

 

 カジハラと名乗る男はそう口にした。

 

 

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