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誰かボクを殺してくれ ~不老不死でLv.-9999の災厄ダウナーは今日も死にたがる~  作者: ゆに
第1章 最弱のダウナー

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第36話 反逆の焔


~元領主インテグラルの屋敷~

 

 リア達、解放軍が帝国軍を打ち破った事は瞬く間に世界中の要人達の耳に入ることになる。

 

 ジュエル王国の第三王女が帝国の精鋭を冒険者たちと共に撃破したと―――

 

 それは世界の国々の希望でもあった―――

 

 帝国は今や世界中の脅威。

 

 奴らは隣国を片っ端から占領し、富から自由と権利、そして生命を奪う。

 

 しかも、奴らの武力、科学力は他の国々から見ても頭一つ飛びぬけている。

 

 そんな傍若無人な奴らを倒した若きお姫様がいるってなれば、それは大きなニュースとなる。

 

 

 リアは一気に勢力を拡大していくことになる。

 

 周囲の町々からやって来る難民を受け入れ、帝国に対抗する為の力を蓄えていく。

 

 グランやシータの働きもあり、バラバラだったジュエル王国はリアを中心に一つに纏まりつつあった。

 

 コレは国を悪しき帝国から取り戻す戦い―――

 

 それが民の心の火を付けたのだった―――

 

 

 「リア様・・・大体、500万人・・・元々のこの国の総人口の約1/3―――。」

 「周囲の街や隣国からも人が集まってきています。」

 「これも貴方という存在があってこそです。」

 

 

 そうリアに云うのは、若き女将軍。彼女の名前は『ジュリエッタ-トライン』、元ジュエル王国の将軍。

 

 帝国が王都を襲撃した日、彼女は必死に国の為に戦ったが、惨敗した。

 

 王を守ることも出来ず、無念の敗走を余儀なくされた。

 

 しかし、リアが生きていることを知り、この地へやってきた。

 

 再び、王都を奪還して、国を復興させるために。

 

 「ありがとう―――、ジュリエッタ」

 

 

 「リア様・・・いつまであの怪しい魔導士を傍に置くつもりですか?」

 

 

 「ミナスのこと?」

 

 

 「はい、あの男は怪しすぎます―――、いつかリア様を裏切るやもしれません。」

 

 

 「貴方がそう云うのも分かるわ―――、でもね、今は彼の力が必要なの。」

 「彼の力無しに王都を帝国から奪還するのは不可能!分かって頂戴・・・。」

 

 

 「・・・・承知しました、リア様がそうおっしゃるのであれば。」

 

 

 「それよりも他の将軍たちの所在は掴めないままなの?」

 

 

 「はい、申し訳ございません―――、私以外の将軍の所在は未だ掴めておりません。」

 「生きているのか、死んでいるのかさえ・・・。」

 

 

 「いいの、貴方が謝ることじゃない、それよりもこれからのことを決めましょう。」

 「帝国から王都を・・・御姉様を取り戻す作戦を!」

 

 

 リアは商業都市エメラルド周辺を中心に拠点を立てる。

 

 そして、カーネリアン砦を中継地点として王都を奪還するつもりだ。

 

 ここから始める王都奪還作戦。

 

 それは反撃の狼煙となる。

 

 帝国に対する―――

 

 

~カルデキア帝国 帝国軍本部 作戦会議室~

 

 「随分と手酷くやられたようだな―――、ヴィクター。」

 

 

 そこに腰掛けるのは帝国軍戦闘部隊隊長のランスロット。

 

 階級はヴィクターより2つ上の大佐。

 

 「まぁ・・・な。」

 

 ヴィクターの片腕は生身ではなく、機械の義手に成り代わっている。

 

 「一体、何があった?」

 

 ランスロットは冷たく口調で聞いた。

 

 「あの第三王女が生きていた。」

 

 

 「そうか―――、しかし、たかが小娘だ。」

 「まさか、あんな小娘にやられたなんて云うんじゃないだろうな?」

 

 

 「ははは、そりゃそうだ―――、俺があんな小娘にやられる訳がない。」

 「問題なのはその傍にいた魔導士だ―――」

 

 

 「魔導士だと?」

 

 

 「あぁ、これがまた不気味な魔導士で、使用する魔法全てが害悪も害悪・・・。」

 「即死級のモノばかりだ。」

 「一撃で数百の帝国兵の命を奪ってたね。」

 

 

 「そんな、馬鹿な・・・。」

 「もう少しマシな冗談を云ったらどうだ?」

 「別にお前がヘマした所で、皇帝陛下は怒ってはいない。」

 

 

 「フフ、冗談?冗談じゃあない。」

 「俺だってあんな化物見たことがない。」

 「だが、いたんだ―――、実際に俺の眼の前にな。」

 「それに多分、ヤツはまだ底を見せていない、もっともっと、悍ましく危険な匂いがした。」

 

 

 

 その様子からランスロットはヴィクターがウソを言ってないと気付く。

 

 

 一撃で数百人の帝国兵の命を奪う魔導士か・・・。

 

 皇帝陛下にお伝えするべきか―――

 

 ランスロットは皇帝にミナスのことを報告をすることを決める。

 

 

~シグマ共和国~

 

 ジュエル王国以外も帝国の侵略は広がっていた。

 

 ここシグマ共和国も帝国の武力に悩まされていた。

 

 

 「我々も帝国の被害が国土の4割強を超えてきました。」

 「皆様、この状況をいかがお考えでしょうか?」

 

 

 シグマ共和国では戦略会議がここの所、毎日開かれている。

 

 今日の被害状況や対策を話し合う場となっている。

 

 「うーーん・・・。」

 

 皆が頭を悩ませる中、一人の男が会議に乱入してきた。

 

 「隣のジュエル王国の解放軍と手を結ぶってのはどうだァ?」

 

 「いきなり入ってきて、貴様はなんだ!?」

 

 一人の諸侯が口うるさく怒鳴る。

 

 

 「貴公は確か・・・カジハラ殿・・・!?」

 

 男の名前は『カジハラ ノゾム』。

 

 ここ最近、名を上げてきた貴族の一人。

 

 しかし、その出自は不明で、金の力で貴族という肩書を手に入れた男。

 

 「ジュエル王国の解放軍と手を結ぶとはどういう意味だ?」

 

 一人の貴族がカジハラに尋ねる。

 

 「おたくらも耳にはしただろ?」

 「あのジュエル王国の第三王女が生きていて、王都を取り戻す為、帝国と闘う準備をしているって話。」

 「それにオレっち達も乗っかるんだよ―――!!」

 

 「何をバカなことを・・・!」

 

 

 「いや、案外悪くないかもしれないぞ・・・。」

 

 

 「帝国という諸悪の根源を世界中の国々が手を取り合い、対抗する・・・。」

 「分かりやすい話じゃないか!?」

 

 

 「そうだろ―――」

 「それにオレっちの見立てではジュエル王国の第三王女、コイツは何かある―――」

 「あの帝国に対抗できるだけの何かが―――」

 

 

 カジハラは窓から見える遠くの景色を見ながらそう口にする。

 

 

 

 

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