第1話
5月16日…
ふと目を開けると見慣れた壁が視界に映る。
布団逃げないよう押さえながら寝返りをする様に反対の壁側に目を向け、壁に掛けてある時計に目を向けた。
「まだ6時半か…」
ボソッと言葉を漏らし、布団を深く被り二度寝を決め込む。
………。
…………………。
ピピピピーッ!ピピピピーッ!ピピピピピピ〜ッ!
枕元で携帯電話のアラームが鳴り響き俺は飛び起きた。
重い目蓋を開け画面を見るとそれは、7時〜が表示されていがすぐさま停止を押し、またベットに潜り込んだ。
(あと5分寝ても間に合う…)
だが、7時〜が脳内に電気が走る感覚を起こし、もう一度画面を確認する。
一応念のためだ。
その画面に表示されている時間は8時10分。
これは俺が家を出る時間だ。
頭から腰に掛けて血が下がる感覚が俺を襲った。
「ぬおぉぉぉ〜〜〜〜ー!寝坊した!」
ベットから飛びて、寝巻きのジャージを素早く脱ぐ。
まさに神業レベルだ!
クローゼットにかかっているシャツを雑にハンガーから引き外し、震えを押さえながらボタンを閉め、昨日脱ぎ捨てそのままだったの制服のズボンを履いた。
ここまで1分。
シャツが掛かっているラックの下に置いてある、本棚にただ、入れただけの小物ケースから黒い靴下を取り出してポケットに詰め込んだ。
「ええっと…。鞄と後は…」
そう呟きながら、鞄を背負い、思い出したかのように机の上のに置いてある財布とベットの上に転がっている携帯電話をズボンのポケットに入れ玄関に向かった。
階段を駆け下り、玄関で靴下に足を通してから靴を履き、
「寝坊した!もう行ってくっから」
そう俺はリビングに居るであろう家族に言葉を投げかけ、家を出た。