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AM 6:00

作者: non

「こんなつもりじゃなかった。」


隣で寝息を立ててる彼女を見てると、どこかで聞いたことのあるようなセリフを呟いていた。パワハラのせいで会社をやめて1年。無けなしの貯金も気づけば底をつき始めていた。逃げるように会社を去ったあの日。解放された事よりも何故か悔しいと思っていたみたいで、今でも唐突に思い出す。自分の時間が止まっても、周りが合わせて止まってくれるわけもなく、行先も分からずただ漂ってる自分。もう、自分が何かも見失った。日々はどんどん過去になっていく。


彼女と話しているとなんか安心する。許さてるいるような気になって凄く生きた心地がする。少しだけあたたかくなれる。


でも眠る彼女を見てると猛烈な劣等感に襲われて泣きそうな気持ちになる。こんなにも近くにいるのに凄く離れていて、彼女の心には触れられない。せめて、働けば、彼女と対等になれるだろうか、とも思うがどうにも動けない。それの繰り返しだ。もし、この情けない今の自分の気持ちを悟られたら彼女はどう思うだろうと思うとどうしても彼女に顔を合わせられない。ここにいちゃいけない。そんな気持ちになる。ほんとに、


こんなつもりじゃなかった。


もう、ため息の付き方さえ忘れた。








目覚まし時計が鳴るまであと5分。


また今日も何も言えないまま、この部屋を出る。

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