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予感
僕が次の日に学校に行くと、先生たちは、
「国のために寄付を! 戦争に勝つのだ!」
と、のっぺりとした口調で訴えていた。
僕は仕方ないから、制服のポケットにあった百円を寄付した。
シュウはもうすでに学校に来ていて、学校の予習(ノートにインテグラルの記号を書いているのを見るとどうやら数学らしい)をしていた。僕はシュウの隣の椅子に座って、シュウに「おはよー」といった。シュウも「おはよー」と返した。
僕とシュウはべらべらおしゃべりをした後に、授業を受けた。
授業が終わって、シュウが「調和の像はどこにあるの? 行ってみたい」といっていたら「それなら町の中心にあるよ」といった。今となってはこの警戒心の薄さはまずかった。




