4/6
開戦
シュウは見た目こそ、茶髪で一見するとチャラチャラしていたけれど、内実しっかりした人だった。ちょうど、僕と帰り道が同じだったから、歩いて少し話してみた。
「シュウ君?」
「シュウでいいよ。タメなんだから? 名前何だっけ? 早く慣れるたいんだ」
「青」
「青? この島と同じ名前なんだね?」
「そうだよ。父が名づけてくれたんだ」
「この青島は異様に坂が多い気がするけれど、なんで?」
「元は歴史的に有名な隠れ家なんだ、簡単に探されたら迷惑だろう?」
と、僕こと青はシュウと一緒に話していた。
シュウと別れて家に帰って家事をして学校の勉強をしてテレビをつけると戦争の内容だった。
――開戦から時間が経ちましたが、敵国の死者は増え続けていることが、スパイの調査でわかりました。
と、そのアナウンサーは実にタンタンといっていたから、あっけなく感じた。人の死をこんなに軽く話せるのは職業柄だろうか? それとも、いちいち悲しんでいるヒマなんてないんだろうか? と思いながら、僕はテレビを切って眠りについた。




