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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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081 祝賀会にて

 祝賀会には、様々な人たちが参加している。

その内の一人、ドロシーさんもレオニーさんの首席秘書の仕事で忙しい日々の中、この日ばかりは少々羽根を伸ばしているようだ。

今まで陰日向なく、レオニーさんに尽くしてきたドロシーさんにとっても、今日は格別に感慨深い日なのだろう。

ワイングラスを片手に持ち、気持ち良さそうに酔いながらオーベルさんに話しかけている。


「それで?第三の方はどうなの?」


どうやらドロシーさんは、自分たちがいなくなった後の第三無料診療所が気になっているらしい。

ドロシーさんの質問にオーベル所長代行が笑って答える。


「もちろん、順調さ、優秀な副所長代行がいるからね!」


そのオーベルさんの言葉に、近くにいてフェイアリンを飲んでいたステファニーさんが、ブホッと飲み物を吹く。


「そこは所長代行のあんたがする所でしょうが!」

「まあ、誰がやってもいいじゃないか?

そうそう、シノブ君、君とグリーンリーフ先生が作ってくれたペロリンも中々好評だよ」

「そうですか?」

「ああ、ペロン君同様、人気者さ」


実は俺とエレノアはオーベル所長代行に頼まれて、ここ数日の間に、ペロンの姿をした治療ジャベックを作っていたのだ。

これはすでにかなりペロンが第三無料診療所で人気者になってしまったので、俺が部下として、ペロンをロナバールへ連れて行ってしまうと、患者たちが悲しがるとオーベルさんが言ったためだ。

だからペロンそっくりな治療用ジャベックを作って欲しいと頼まれた。

そこで、俺とエレノアで、ペロンの許可を得て、そっくりな治療ジャベックを作ったのだ。

完成した自分そっくりな治療ジャベックを見たペロンは感心して

「これは本当にボクそっくりですのニャ。

これをペロリンという名前にしますニャ!」

と言って、自ら治療ジャベックの名前をつけたのだ。

そのペロリンがペロン同様人気らしい。

それで所長代行としては一安心という事だ。


「あれと君たちの作った治療用ジャベックのおかげで、俺も色々と楽が出来るよ」


愉快そうに話すオーベルさんとは対照的に、ドロシーさんが苦々しく話す。


「全く、こんなのが私達の世代の首席卒業だなんて、絶対に間違っているわ!」


そのドロシーさんの言葉に、今度は俺がフェイアリンを吹きそうになる。


「えっ?首席って、レオニーさんじゃないんですか?」


俺の質問にドロシーさんが忌々しそうに答える。


「残念ながら首席はこの人で、次席がレオニー様、私が三席よ」

「ええっ?」


俺は勝手にレオニーさんが首席で、ドロシーさんが次席だと思っていたので驚いた。

オーベルさんが首席卒業だったの?

あ~?だから、あの時もPTMを一緒に習いたがったんだ?


「あんたね~、仮にもレオニー様よりも優秀な成績で卒業した人間なんだから、もうちょっとちゃんとしなさいってゆーの!」

「はは・・・怖いな~ドロシーちゃんは・・・俺はいつもまじめだよ?」

「ふざっけんな!」


酔ったドロシーさんの蹴りが見事にオーベルさんに決まる。



 就任式後の祝賀会は大盛況ではあったが、華美ではなく、質素と言っても良いくらいだった。

レオニーさんが派手な祝賀会を嫌がったためだ。

しかし、これを派手にするなと言うのが無理な事で、本人の意向を無視して、結果として式典も祝賀会もかなり大規模な物となった。

少々地味で質素になったのは、本人の希望と、就任から式典までの時間がなかったからだ。

 ちなみにレオンもメディシナー侯爵家の当主になったので、本来だったら大々的にお披露目をするところなのだが、レオニーさんの就任式と重なり、父親が犯罪奴隷に身を落としての事だったので、派手な事はしない方が良いとの判断で、先日身内だけでこっそりと終えたのだった。

対外的には後日、郵送で個別に知らされる予定だ。

 その事もあって、逆にレオニーさんの就任式は、大々的に発表されたのだった。

レオニーさんもその事には渋々賛成せざるを得なかった。

そのレオニーさんは永いメディシナーの歴史でも、初の女性最高評議長、しかも若く美人と言う事で、大人気だ。


そして最高評議長の交代はパラケルスさんの在職期間が長きに渡ったために、実に百年ぶりで、その点も大きな話題になる部分だ。

俺とエレノアもその事に貢献できて満足だった。

様々な人々がレオニーさんに御祝いの言葉をかけるために集まっていた。

レオニーさんは立場上断る訳にもいかず、相当参っている様子だ。

パラケルスさんも自慢の曾孫が跡継ぎになって嬉しそうだ。

俺とエレノア、レオンはその様子を見ていたが、レオンが俺に話しかけていた。


「しっかしよう!考えてみればシノブは、まだ初等魔法学校にも通ってないし、検定とかも受けた事がないんだよな?」

「そうだよ」


そしてレオンが小声で俺に話す。


「それでPTM魔法が使えるようになるって、どんだけ規格外なんだよ?

お前、多分、歴史上初のPTM魔士だぞ?」

「そう言われてみればそうだね」


聞いた所によれば、PTMは治療魔法の特級魔法に位置づけられているらしい。

俺は正式な魔道士でもないのに、その特級魔法を習得してしまった事になる。

確かにこんな奴は自分の他にはいないだろう。

そもそも本来エレノアはPTMを俺に習得させるのはもっと先の事と考えていたらしい。

それが今回の事件により、相当習得が早まったらしいのだ。


「やっぱり、御主人様とエレノアさんは凄いですニャ!

ボクは仕える人が間違いなかったので安心しましたニャ」


ペロンの言葉に俺がぼやく。


「はは・・・エレノアはともかく、僕の方はどうかな?」

「いいえ、御主人様は、私にとっても自慢の主で、弟子ですよ」


エレノアにそういわれると俺も嬉しい。


「くか~全く羨ましいよな!

あのグリーンリーフ先生にそこまで見込まれて、個人授業を受けられるなんて、お前、どんだけ贅沢か、わかってんのか?」

「うん、それはわかっているつもりだよ」


俺がそう答えていると、ようやく来賓の群れから抜け出してきた、今やメディシナーの最高位となったレオニーさんが話しかけてくる。


「ふ~、全く大変だわ!

ところで、レオン?いくら羨ましいからって、シノブさんをいじめちゃだめよ?」

「だけどよう!

こいつにはもうちっと自分の立場っつーものを認識させておかないとよう」

「大丈夫よ、シノブさんは十分わかっているわよ」


そう、レオニーさんの言う通り、元々エレノアは俺には過ぎた奴隷だと思っていたが、今回の件で、それどころではない事が身に染みるほどわかった。

俺ほど贅沢な奴隷と師匠を持っている人間は、この世界にいない事は賭けてもいい。


「ええ、レオン、シノブ様は御自分の立場は十分自覚されております。

それにあなただって、今は私の愛弟子の一人なのですからね」

「くぅ~、大尊敬するグリーンリーフ先生にそう言われたら黙るしかないわな~」

「はは・・・」


普段は横柄なレオンも、エレノア先生には俺同様に弱い。


「でも、これでしばらくの間、またお二人に会えないのは本当に残念ですわ」


残念そうに話すレオニーさんにエレノアが答える。


「ええ、先日お話した通り、私達は明日から本来の目的である、御主人様の修行に戻り、魔法学校にも通っていただくつもりなので、ロナバールに戻ります。

しかしまた何か我々の力が必要な時は遠慮なく呼んでください。

最高評議長」

「ありがとうございます。

でも本当に不思議な人ですよね、シノブさんは・・・

こんなに若くてPTMが使えるのに、これから初等魔法学校に通う予定だなんて・・・

順番がメチャクチャですわ。

まあ、規格外のシノブさんはそれで良いのでしょうけど」

「はは・・・そうかも知れませんね」


こうして大きく横道にそれたものの、無事にメディシナーでの俺の訓練は終わり、元の生活に戻るべく、翌日に俺とエレノアはロナバールに帰ったのだった。

今回は俺の食客となったペロンも一緒だ。

それにしても今回は本当に大変だった。

家に帰ったら、しばらくはゆっくり休みたいところだ。


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