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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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062 エレノアの語るメディシナーの歴史 1

 そして俺はメディシナーの宿に戻って、激しく反省した。

俺は今回ほど自分の考えの浅はかさと愚かさを思い知った事はなかった。

俺は大した経験と見識も無いくせに、意地になって今回の事態を引き起こしてしまったのだ。

あれほどエレノアが止めたのに、俺はエレノアに合わせる顔が無かった。

今回一番愚かなのはルロフス夫婦でも、ゴロウザでもない。

間違いなく俺自身だった。

俺は部屋で床に両手をつくと、土下座してエレノアに謝った。


「ごめんなさい!エレノア!

まさかここまでの事になるとは思わなかった、反省しています!

もう二度とこんな事はしません!

僕は本当にエレノアの言ったように世間知らずの若造だった!

もし僕がまた世間知らずで馬鹿な事を言ったら、また諌めてほしい。

いや、どうか諌めてください!

お願いします!エレノア先生!いえ、エレノア様!」

「どうか手を上げてください、御主人様、私は何とも思っておりません。

御主人様にわかっていただければそれで十分です」

「でも・・・」


エレノアはやさしい。

しかしそんなやさしさが今回俺を増長させたのだと思う。

今まで俺はエレノアに散々助けてもらってきた。

迷宮の戦い、盗賊たち、グレイモン、誘拐団・・・数えればきりが無い。

望んでやったとは言え、それらはみんな飛び掛った火の粉だったから仕方がなかったが、今回は俺が自ら引き起こしたのだ。

それもあれほどエレノアに止められたのにわざわざだ!

そう考えると、俺は本当にエレノアに対する申し訳なさで胸がいっぱいになって言葉が出てこない。


「それに私の説明不足もありましたし」


いやいや、それはない。

一方的に俺がアホだっただけです!


「そんな事はないよ!」

「いえ・・・もう少し、私が詳しく説明をすればわかっていただけたかも知れません。

ただ長い話になる物ですから・・・少々遅いですが、今からでも私の説明をお聞きいただけますか?」


その説明は、俺のアホさ加減と無知を少しでも向上させるために、ぜひとも聞かせてほしい。

どんなに長かろうと、全てだ!


「うん、何でも言って」

「全部話すと本当に長くなるのですが・・・」

「構わない、全部話して!」


俺が真剣にそう言うと、エレノアは話し出した。

俺は一言も聞き逃すまいと耳を傾ける。


「わかりました・・・ではお話させていただきましょう。

そもそもメディシナーという町は、まだ小さな村だった頃、名もなく温泉の湧く湯治の村としてだけ有名でした。

そこの温泉はその時から様々な病気に効くと評判でしたので、あちこちから患者や医者が訪れました。

そこにある時、のちの世の天才魔道士が訪れました。

彼の名はガレノス・メディシナー」

「ガレノス・メディシナー?」

「はい、彼の名前がその後、この町の名前になりました」

「それで?」

「彼は天才でした。

それまで不完全だった治療魔法をPTM、すなわち完全治療魔法へと進化させたのです。

その結果、彼の名声はかつてないほどに高まりました。

何しろそれまで不可能だった病気もほぼ全て治療する事が可能になったからです」

「うん」


いかなる病気をも治す魔法、それを考案した人物がどれほど有名になるか、それは想像に難くない。


「PTMは精神的な原因でさえなければ、3つの事、死亡した者を生き返らせる事、老齢による物、遺伝的な病気以外の病気や怪我は全て治す事が可能です」


「死人や老齢はともかく、遺伝的な物もダメなんだ?」

「はい、PTMの基本は「その人間の現在の本来の状態の肉体に戻す」治療魔法です。

遺伝的な病気ですと、元々その人が持っている物なので、治しようがないのです。

同じく老齢による物は治す事が出来ません。

例えば老眼などはPTMで治す事は不可能なのです。

当然の事ながら、若返らせると言う事も出来ません」

「なるほど」


つまり治す言うよりも、その人の年齢での基本状態に体を戻すと言う事か?

どちらにしても凄いな。


「彼の名声に引かれて数々の魔道士たちが町を訪れるようになりました。

彼らはそこで、ガレノスから治療魔法を学び、役立てていたのです。

しかしその町に来るのは魔道士たちだけではなかったのです。

不治の病や難病で助からないと言われた患者たちが、それこそ世界中から押し寄せてきました。

町に治療魔道士はたくさんいましたが、それ以上に患者は押し寄せてきました。

それにほとんどの患者は、他の医者たちに見捨てられて、ガレノスの開発したPTMでなければ、治せない患者ばかりだったので、彼は他に何もできないほど忙しくなりました。

当時、彼の高弟でPTMを使いこなせる事ができたのは、たったの6人でしたが、そのうちの3人は状況の異常さに驚くか、高額の報酬に引かれて他の地へと移りました。

そして徐々にPTMの存在が知れ渡っていくと、今度は権力者たちによるPTM術者の奪い合いが始まりました。

PTM術者さえいれば、戦争でどんなに瀕死の重傷を負っても回復する事が可能だからです。

最初は単なる引き抜きあいでしたが、最終的には国家同士の争いになり、それは必然的に戦争に発展しました。

その結果、メディシナーは戦場となり、とても治療どころの話ではならなくなりました。

それまでメディシナーは片田舎の村で、どこの国にも所属していませんでしたが、周辺の各国が自分の領土である事を主張し、領土を守ると称して軍隊を派遣してきました。

メディシナーはかつないほどの戦場になり、村自体が危うく消滅しかけたほどです。

しかし、ガレノスの弟子の一人に魔法戦闘に長けた者がいたので、その者が何とか攻めてきた相手を退けました。

そしてその人物からの要請で、事を重く見た魔法協会は、魔道士たちの防衛部隊を送り、さらなる他国からの侵攻を防ぎ、近隣国全てと休戦協定を結ばせました。

そして各国に使者を送り、メディシナーをアムダール帝国の自治領とし、事実上の独立国として、その一帯を非戦闘中立地帯とし、ようやく状況が落ち着き、日常が戻りました。

これを「メディシナー独立戦争」と言います」

「そんな事があったんだ・・・」


一つの魔法が戦争にまで発展するとは俺には驚きだった。

感心する俺に対して、さらにエレノアの話は続いた。


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