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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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061 悪役志願?

 エレノアに例の娘を治療してもらった後、俺たちはそのままメディシナーで治療訓練をしていた。

その間、朝に宿を出る時はオフィーリアに変装して、無料診療所へ行き、宿に戻る時は、カーティフとオーレリーに戻る生活だ。

中々面倒だが仕方がない。

そして数日経った頃、来訪者が現れた。

俺たちが宿で夕飯を食べている時に、その来訪者は突然現れたのだった。


「ああ、やっと見つけた!カーティフさん!」


俺はその顔に見覚えがあった。

あれ?この人、確かあの母親だよな?

どうしたんだろう?

まさか娘の病気が再発した訳じゃないよな?


「おや?ルロフスさん、どうしました?」

「ずっと探していたんですよ!お礼をいいたくて!」

「お礼?それならこの間言っていただきましたから、わざわざこんな所までこなくとも?」

「あれがお礼だなんてとんでもない!

私はこれでもタヌーマの町では財産持ちの方でしてね。

娘を助けていただいたお礼は、キチンとさせていただきますぞ!」


そう言ってきたのは、あの父親ルロフスだった。


「それなら別にいらないと言ったはずです」

「いえいえ、それではわしの気持ちが収まりません。

どうかお礼を受け取ってください」

「そんな事よりも約束をキチンと守ってください。

あの事は誰にも話さないように!」


エレノアが厳しく言うと、途端にその夫婦の表情が曇る。

俺が驚いて問い詰める。


「まさか!誰かにしゃべったんじゃないでしょうね?」

「いや、それが・・その・・・」

「誰にしゃべったんですか?」


俺が問い詰めるより早く、そのルロフス夫婦の後ろからごつそうな男が出てきて、二人に話しかける。


「おう?こいつが、そのまじない師だか、天才医者だかか?」

「はい、そのう・・・」


その男の質問にルロフスさんがチラチラとこちらを見ながら決まり悪そうに答える。


「で、確か、奴隷の方だったな?」

「はい、そうです」

「よし、わかった!

おい!そこの奴隷、ちょっと俺と一緒に来い!」


そう言うが早いか、フードをかぶっているエレノアの腕を掴んで、強引に外へ連れて行こうとする。

もちろん俺が即座にその腕を掴んで、逆に相手を止める。


「待ってください!一体どういう事です?」

「あん?何だ、お前は?

俺は忙しいんだ!すっこんでろ!」

「何だも何もないでしょう!

いきなりやって来て、人を勝手に連れて行こうとするとはどういう了見です?」

「ああ、これはお前の奴隷か?

だったら後で礼はたんまりとしてやる!

とにかく今はこいつを借りていくぞ!

なんだったら俺が買ってやってもいい。

金貨千枚でどうだ?」


その態度に当然、俺は怒りがこみ上げてくる。

しかもたかだか金貨千枚で、俺のこの世で一番大切なエレノア様を売れだと?

許さんっ!!

エレノアに関する事は俺の沸点は恐ろしく低い。

しかも瞬間沸騰だ。

お前、今日は運がなかったな?

恨むなら自分を恨め!


「どういうつもりだと聞いているんだ!

お前!人の話を聞いているのか?」

「ああ?貴様、何様のつもり・・あだ、いだだだだだ」


俺は相手の腕を軽くひねってやった。

何しろ俺のレベルは今や200以上だ。

いっその事、折ってやっても良かったのだが、それは事情を聞いてからだ。

いつでもできる。

ふと思って相手のレベルを鑑定してみたが、レベル75。

なるほど偉そうにしているだけの事はある。

このレベルなら確かにそうそう逆らえる人間はいないだろう。

しかしレベル200を超える俺には無駄だ。

もっともその横にレベル685様がいるけど。


「何様のつもりはこっちのセリフだ!この屑野郎!」

「なっ!貴様!俺様の事を屑だと!

離しやがれ!何をする!」

「屑だから屑だと言ったまでだ!

貴様が俺の質問に答えれば離してやる!

離して欲しければとっとと答えろ!」

「な、何だと!あだだっだだ!」

「何ならもう少しひねってやろうか?」


そう言いながら俺は相手の腕をさらに捻り上げる。


「わ、わかった!話す!話すからやめてくれ!」


その言葉にやっと俺も手を離す。

男は手をプラプラさせて驚いている。


「で、どういう事だ?ちゃんと話せ!」


俺の激しい勢いに、相手も不承不承話し始める。


「それはだな、ここに何だか知らんが、どんな病気でも治せる天才のまじない師だか医者だかの奴隷がいると聞いてやってきたんだ」

「何でだ?」

「俺がその奴隷を連れて帰ろうと思ったからだ」

「はあ?何を言っているんだ、お前?馬鹿なのか?」

「馬鹿だと!貴様さっきから黙っていれば、一体どういうつもりだ!」


誰が黙っていたって?

やはり馬鹿なのか?

しかもエレノアを物扱いされて、俺の怒りは止まる所を知らない。


「馬鹿だから馬鹿だと言ったまでだ!

それと口の利き方に気をつけろよ?

また、なでて欲しいのか?」

「なっ!」


男が再び激高する所へ、ルロフスさんが出てくる。


「待ってください!私が話します!」


二人の間に割って入ってきた父親のルロフスに言われて俺も止まる。


「・・・伺いましょう」


ようやくこれで話が進みそうだ。

俺も落ち着いて話を聞く。


「実は大変申し上げにくい事ですが、数日前に、うちの娘があなた様たちに治療していただいた時、私は信じていなかったのです」

「はあ・・・」


まあ、それは知っていたけどね。


「何しろ、突然道端で妻が声をかけられて、完全治療魔法術でしか治らないと言われている娘の治療をただで治すと言われても正直信じられませんでした」


まあ、それも無理はない。

かなり胡散臭かっただろうしな~


「しかし、妻がせっかく来てもらったのだし、その時は藁をも掴む思いでしたし、ただならやらせてみても良い、そんな気持ちでした」

「それで?」

「あなた方が治ったと言っても、娘は眠ったままでしたし、その時はまったくわからなかったのです。

しかし翌日に娘が目を覚まして、元気に起きて私たちに声をかけてきた時には飛び上がるほど驚きました」

「ふんふん」


ちゃんと娘は元気になった訳だ。

それを聞いて俺は安心した。


「念のために町の医者に診せた所、完全に娘の病気が治っていると言われて、本当に驚きました。

そしてその時になって、我々は気づいたのです。

私はあなたたちに何と無礼で失礼な事をしてしまったのだろうと・・・

何しろどんな医者にも見離された娘をあっという間に治していただいたのに、ロクに礼もしないどころか、疑ってすらいたんですからね」

「本当に申し訳ありませんでした。

改めて御礼をもうしまして・・・」


父親に続いて母親のルロフス夫人も俺に謝る。


「まあ、それはいいですから、話の続きを」

「ええ、しかし、あなたと約束していましたから、私たちはこの事は誰にも言ってはいけない、秘密にしておくのだ!と、妻だけでなく、娘にも使用人にも奴隷にも硬く言いつけておいたのです」

「それで?」

「しかし、娘が元気になった事だけは隠せません。

うちの娘がついこの間まで重い病でベッドに臥せっていたのに、突然元気になって跳ね回っていれば、周囲はどうしても不思議に思うでしょう」


あちゃ~そう言われてみれば、そうだ、そこまで考えてなかったな~。

相変わらずこういう時の俺の考えって、浅いな~

俺は自分の浅はかさを改めて呪った。


「そうしてこのゴロウザさんが・・・この方は町の実力者なのですが、この方の息子さんも、以前からやはり重い病に臥せっておりまして、うちの娘がどうして元気になったのか聞かれたのです」

「しかし、誰にもお話しないという約束でしたよね?」


エレノアの厳しい追及に父親がうなずく。


「はい、もちろん、私もそれを言って、良い医者にかかったおかげだ、とだけ言って、訳あって、その人の事は話せないと説明したのです」


ふんふん、一応約束をがんばったのね?


「しかし、このゴロウザさんは納得しなかったのです。

なぜ話さないのか?自分の娘だけ助かればそれでいいのか?

と私を責め立てたのです」


まあ、それはこの人の気持ちもわからないではないな・・・屑とまで言ってごめんな。

俺は心の中でちょっと謝った。


「しかし、この人は最後には、どうしても教えないのならば、私の娘をどうにかしてやるとまで言い始めたのです」


ここに至って俺の怒りが再度湧き上がった。

前言撤回!やはりこいつは屑決定だ!

俺はゴロウザにやくざの若頭のように脅しをかける。


「なんだと、お前?

 そんな事を言って、この人を脅したのか?

 やっぱり屑じゃねぇか!」

「い、いや、冗談だ!冗談だよ!」


冗談?こいつ冗談ですませる気か?

言い逃れをしようとするゴロウザを俺は許さない。

しかし一旦心を落ち着かせて、今度は逆に言葉を丁寧にして、静かに脅しをかける。


「ほほう?そうですか?

あなたは冗談でそういう事を言うのですね?

それならば今から私があなたの町に行って、あなたの息子とやらを捻りに行っても、もちろん、冗談ですませていただけますね?」

「なっ?何だと!貴様まさか、そんな事を?」

「あなたが御自分で言い出した事です。

当然あなたは自分がしようとした事と、同じ事をやり返される覚悟があって、この人を脅した訳ですよね?

ならば、もちろん私がそうしても文句はありませんね?」

「き、貴様そんな事をしてみろ!

俺が許すとでも思っているのか?」

「許す?あなたが許さないからと言って、どうなるんです?

私はあなたの息子を捻る。

それで終わりです、あなたはどうしようと言うのですか?」

「こ、殺してやる!」

「ほっほっほ!あなたの実力でですか?

どうやって私を殺すと言うのですか?」

「貴様、俺はタヌーマの町の実力者だぞ!

そんな俺に逆らって、ただで済むと思っているのか?」

「全くお馬鹿さんですね?

あなたがどこかの町の実力者だからと言って、そんな町に住んでもいない私をどうしようと言うのですか?」

「くうっ!」

「さて、ではとりあえず、あなたの息子とやらを、ちょいと捻りに行ってみますか。

オーレリーさん、行きますよ」

「はい、カーティフ様」


俺が外に出て行くと、ゴロウザが俺に寄ってきて、俺を阻止しようとする。


「行かせてたまるか!」

「おどきなさい!」


俺にすがりつくゴロウザを、俺は無慈悲に突き飛ばす。

ゴロウザは遠くへ転がるが、すぐに起き上がって再び俺に飛びかかってくる。


「やめろ!」

「さっきも言いました、あなたの力で私に敵うと思っているのですか?」


しかしゴロウザは俺の脚にしがみついてくる。

ふふふ、まったくイライラさせるのがうまい奴だよ。


「カーティフ様、よろしければ私が代わりにこの男の息子とやらを、軽く捻りに行ってまいりましょうか?」


おっ、エレノア、ナーイス!

俺もだんだんと、どこかの悪のボスな気分になってきたよ。


「ほほ・・・そうですね。

こんな人ごときに私が出るまでもないかもしれませんね。

それもいいかもしれません」

「なっ!やめろ!やめてくれ!」


必死になって俺たちを止めるゴロウザに俺はニヤリと笑って答える。


「では少々余興でもしましょうか?

あなたが私に勝てたら息子を捻るのをやめてあげましょう」

「な、何だと!」

「いかがです?」

「わかった!」


そう言うとゴロウザは必死になって俺に戦いを挑んでくる。

しかし当然の事ながら俺には全くかなわない。


「うざいですよ」


俺は片手でゴロウザを跳ね飛ばす。

そして俺はゴロウザに素晴らしい思い付きを披露する。


「そうだ!

 私は左手だけで戦ってあげましょう。

少しぐらいは楽しめるかもしれませんよ?」

「なに?」

「せいぜい頑張ってくださいね?」

「うお~!」


ゴロウザは俺に向かって来るが、もちろん俺には通じない。

ゴロウザが振り下ろした手刀を、俺は軽く首の付け根部分で受けると、ニャリと笑って答える。


「やはり、レベル75ではそんなもんでしょうねぇ?」

「くっ」

「参考までにあなたが戦っている私の魔力量は・・・」

「?」

「53万です」

「なっ!」

「ですが

 もちろんフルパワーであなたと戦う気はありませんからご心配なく・・・」


クックック・・・驚いてる、驚いてる!

実はこのセリフ、一回でいいから言ってみたかったんだよなぁ~

悪の帝王気分もちょっといいもんだ。

しかしエレノアなら53万どころじゃないけどね。

ざっと100万以上は確実か。

エレノア怖えぇ~。


「さて、どうしました?

これで終わりならそろそろあなたの息子を捻りに行きますよ?」

「くっ」


ゴロウザが懸命に何度もかかってくるが、俺に左手一本で軽くいなされる。

その度に土にまみれ、その場で転ばされる。

しかしそろそろ頃合か?

そう思った俺は、次にかかってきたゴロウザを右足で蹴り飛ばす。


「なっ!貴様!左手しか使わないんじゃなかったのか?」

「サービス期間は終わったのさ」


俺がそう言うと、ゴロウザは愕然とした表情をした後で、突然何か呪文を唱え始めた。

ん?聞いた事のない呪文だな?

あれ?この呪文はまさか・・・?

俺はその呪文の内容を察して、反射的に防御呪文を張った。

その防御呪文を張ると、同時に相手が呪文を放つ!


「チア・マギア・エマンチーッ!」


その途端、凄まじい魔法エネルギーの塊が俺を襲う。

防御をしていたものの、流石に俺にも多少の被害が出た。

初めて体験したが、おそらくこれは話だけ聞いていた魔力全放出呪文という奴なのだろう。

俺にはとても敵わないと、気づいたゴロウザが最後の手段として、残った魔力量を全て放出して、俺にぶつけたのだろう。

後から気づいたが、エレノアが周囲に被害が出ないように俺たちの周囲と俺の前に防御魔法を張っていた。


危ない危ない・・・

レベル差が100以上あっても、危うく大怪我をするところだったよ。

まあ、エレノアがちゃんと対応していてくれたから良かったけれど、俺もまだまだ戦闘経験が足りないなあ・・・

しかし、こいつが子供のために必死なのはよくわかった。

性格に問題があっても人の親って事か・・・

ゴロウザは魔力量が0になったはずだが、何とか魔力回復剤を使って、ギリギリ意識を保っているようだ。

魔力量が0になると、本来なら気絶すると聞いているが、こいつもよほど子供が大切なのだろう。

そう考えると、ちょっと可哀想になってきたが、今後の事を考えて、こいつに反省をさせるためにも、もう少し悪役を続けるか?

うん、そうしよう。


「・・・今のは痛かった・・・

痛かったぞーーーッ!!」


うん、確かにちょっと痛かったしね。

ほぼ魔法力の尽きたゴロウザに、俺がジリジリと近寄る。

もはや、俺には適わないと悟ったゴロウザが、ついに土下座をする。


「お願いだ!あいつは、息子は妻が死んでから俺のたった一つの安らぎなんだ!

どうか殺さないでくれ!」


ようやく、素直になったゴロウザに俺もホッとして言葉をかける。


「なぜ最初からそうしなかった?」


うん、これ以上すると、本当にこいつを再起不能にしちゃいそうで、困ったからね。

もちろん、俺は最初からゴロウザの息子を捻る気などない。


「ところで、オーレリー?」


俺が声をかけるとエレノアはため息をついて答える。


「わかっています。

その人の息子も助ければよろしいのですね?」

「さすが!

オーレリーは気が利くね」

「まったく御主人様のお人好しには負けます」

「はは、ごめんね」

「いえ、でも、御主人様のそういうとこ、私は好きですよ」


にゃは~、ボクはそんなエレノアが100倍も好きです。

蕩けそうな俺だったが、気持ちを引き締めなおしてゴロウザに話しかける。


「では、案内してくれ、ゴロウザ」

「は、はい」


俺とエレノアはゴウロザやルロフス夫妻と共にタヌーマの町に向かった。


タヌーマの町について、無事にゴロウザの息子の治療も終わった。


「ではこれで我々は行きます。

言っておきますが、これ以上、絶対に私たちの事を広めないように!

良いですね?」

「はい、それは絶対に!」

「もし、誰かに私達の事をきかれたら、旅の者でどこに行ったかわからない、と言っておきなさい」

「はい」

「ルロフスさん、あなた方もですよ?」


エレノアがルロフス夫婦にも釘を刺す。


「はい、それはもう・・・」

「それとゴロウザさん?

あなた、これ以上あこぎな事をやったら、私はあなたの腕だけではなく、次は息子さんと、家屋敷もろとも消し炭にしますからね?」

「は、はい」

「これをよく見ておきなさい!」


そう言うと、俺は念のため庭にあった大木に魔法を放ち、一瞬で消し炭にする。

その消し炭の周囲はメラメラと燃えて、天を焦がす。

その様子を見て、ゴロウザもルロフス夫婦も度肝を抜かれたように立ち尽くす。


「はっはっは!どうです?ゴロウザさん、ルロフスさん?

 こんなに綺麗な花火ですよ?」

「こ、これは・・・」

「いいですか?3人とも口が軽くなったり、悪さをしたくなったりしたら、この消し炭を見て私の事を思い出しなさい!わかりましたか?」

「は、はい、決して誰にも言いません!」

「我々も二度と誰にも話しません!」

「誓って!」


3人が俺にそう話すと俺もうなずいて返事をする。


「よろしい、ではさらばです。

さあ、行きましょう、オーレリーさん」

「はっ、かしこまりました」


そう言って、メディシナーの町に俺たちは戻った。

うん、何か今回、俺はどこかの悪役感バリバリだったが、まあいいか?

それはそれでちょっと楽しかったしね。


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