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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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391 雲の旅団

 村人たちが納得して協力的になってきた所で、俺は早速村の防衛策を説明し始める。


「さて、そうと決まれば一番重要なのは塀と堀と柵です。

まずはそれを作りましょう。

しかしそうは言っても我々もそんなに暇ではないのでね。

急いで作る事にします。

ですが手を抜くつもりはありません。

最初は堀と塀です。

あなた方はそれを手伝いながら見て覚えてください」

「塀と堀・・・ですか?」

「ええ、この二つを作るだけで村自体の防衛力は大幅に上がりますよ」

「はい、よろしくお願いします」

「それとこれからは私達の事を番号で呼ぶようにしてください」

「は?番号?どういう事ですか?」


ゾンデルたちには意味がわからなかったようなので、俺が説明をする。


「いずれここの防衛策の事はあちこちに話が漏れます。

その時に私達が手伝った事がわかると、後々面倒な事が起こるのですよ。

ですからこれから私達は旅の傭兵団のような者だと思ってください。

そう・・・さしずめ、名前は「雲の旅団」とでもしておきましょうか?」

「雲の旅団?」

「ええ、空に浮かぶ雲のようにとらえどころがなく、いくつにも分かれたり、一つにまとまったりする集団で、風に吹かれていつどこに現れるかもわからない、雲と同じで気まぐれな旅の集団です。

そんな集団がたまたまこの村を訪れた時に、あなたがたが私達に村の防衛法を教わったという事にしておいてください。

これは重要な事なのです。

私を1号として、このエレノアを2号、シルビアを3号、ミルキィを4号と言った具合に番号で呼ぶようにしましょう。

こちらとしては、その方が色々と都合が良いのですよ。

また必要に応じて、あなたがたも番号で呼ぶようにもなるでしょう」

「はい、わかりました」


俺たちは基本的に全員がアムダール帝国に住んでいる。

それは俺たちがどう考えていようと、傍から見れば、帝国臣民となる。

しかもミヒャエルやローレンツを初めとして、帝国上層部や貴族に知り合いも多いのだ。

それがどこにも所属しない辺境の村に加勢して、他の王国に敵対行為をするのはいかにもまずい。

ましてや俺たちは青き薔薇ブルア・ローゾとして有名になりつつある。

その点でも知られてはまずいだろう。

そしてこれから相手をする国はスチューの母国なのだ。

疑う者が見れば、これは俺たちを帝国の尖兵としてアドレイユ王国を攻めたと捉えられかねない。

だからここは知名度ゼロの架空の傭兵集団「雲の旅団」として手助けをした方が良いだろう。

その団員も固有名称ではなく、単なる数字で呼んだ方が良い。

そうすれば集団としても、個人としても誰だか正体は不明だ。

不審に思った者が調べようとしてもわからないだろう。

そして俺たちは怪しげな灰色装束の頭巾の集団「雲の旅団」となって、村の指導をする事になった。

灰色装束にはそれぞれ頭巾の額の部分と背中側にも大きくⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ・・・と番号が書かれているので、まだ俺たち全員の名前を覚え切れなかった村人たちには、むしろその方が分かりやすく、都合が良かったようだ。

俺を1号として、エレノアが2号、シルビアが3号、ミルキィが4号、アンジュが5号、フレイジオが6号、ポリーナが7号、豪雷を8号、疾風を9号、そして一応、ペロンが10号、デフォードを11号、ミルファを12号としたが、この3人はそもそも表にでないようにした。

さらに状況に応じて村人たちを20号以降の呼称で呼び、ジャベックにはヴェルダを100号として、カインを101号、アベルを102号と、全員に100号以降の番号をつけた。

こうして俺たちはまずは村の堀と塀を考える事にした。


「ゾンデルさん、あなたは走り幅跳びでどれ位の距離を飛べますか?」

「え?走り幅跳びとは?」

「こう・・全力で走って来て飛んだ場合、どれ位の距離を飛べるかと言うことです。

例えば川幅が5メルだったら跳び越せますか?」


俺の質問にゾンデルがうなずいて答える。


「それ位なら余裕です。

おそらく7メル位は飛べるでしょう」

4号ミルキィは?」

「そうですね・・・12・3メルといった所でしょうか?」

「ではそれに合わせて堀の幅は15メルにしておくか。

深さは5メル、それならまず誰にも越えられまい」


村の周囲に幅が15メル、深さ5メルほどの空堀を掘って、その土を利用して、その空堀の内側に高さ7メルほどの土塁を積み上げた。

ただし、その土塁と空堀の大きさは村の5倍以上もの面積を囲うように作り上げた。

特に襲撃が想定される方向の入り口は、その内側に大きく広場を作った。

その規模を聞いて、ゾンデルが驚いた。


「どうしてこれほど大きくするんです?」

「一つには将来ある程度村が大きくなった時に困らないように。

それとこれからこの村にいくつかの施設をつくる予定ですからね。

もう一つは今後の防衛策の一環です」

「はあ・・・」

「まあ、とにかく我々に任せてください」

「はい、我々では何もわからないので御願いいたします」

「ところでここから一番近い町はどの辺にありますか?」

「村ではなく町ですか?」

「ええ、町でないと色々な買い物が出来ないですからね。

これから色々と物入りになるのでね。

そういった様々な買い物が出来る商店がある町はどの辺りにあるのかな?」

「そうですな・・・

そういった町ならば、西の方に30カルメルほどいった所にゼフィールの町があります。

この辺ではそこが一番大きく、我々も何か買い物をする時はほぼそこに行きますね。

それと東に100カルメルほど行けばラーガン伯爵領の町です。

そこへ行くには普通、途中で一泊野宿をしますね。

この辺で大きな町と言えばそれ位ですな。

他にも小さな町や村はいくつかありますが、大した物は売っておりません」


それを聞いて俺も考える。


「さすがにこの状況でラーガン伯爵領で買い物をする訳にはいかないな・・・

いや、仕上げの策のついでとしてはむしろ良いか?

では、4号ミルキィ103号ダイア104号ウルフ、それにここの村人を連れてゼフィールの町に行って煉瓦を買えるだけ買って来て。

それと一緒に丈夫な荷車を10台ほどと、馬車も5台ほど買って来て欲しい。

あ、馬車に馬は必要ないからとりあえず、タロスで引いてきて」

「はい、承知しました」

「そして村人を6人ほど連れて行って、その内の三人はそのままで、残り三人は我々と同じ格好で行くように」

「はい」

「それと油とそれを入れる瓶を買って来て欲しい。

瓶は1千本もあれば良いだろう。

瓶の種類はガラスでも陶器でも割れる素材なら何でも良いよ。

油も燃えるのであれば、どんな粗悪品でも構わない。

匂いが凄かろうが、煙が凄かろうが、とにかく燃えるのであれば何でもいい。

例の作戦に使う物だから。

わかったね?」

「はい、わかりました」

「それとその町に言ったら、一泊してあちこちでこう吹聴して来てくれ。

『白狼族の村はもう誰にも襲われても大丈夫だ。特にどこかの馬鹿な貴族の息子など一捻りだ』とね。

派手に言いふらして来てくれ」

「はい、承知しました」

「うん、町の方はそれでよしと・・・

それと・・・確かここから一番近い都市はノーザンシティだよね?」


俺の質問に、そばで灰色の衣装を被った2号こと、エレノアが答える。


「はい、そうです。

ノーザンシティはここから西北西に500カルメルほどです」

「うん、じゃあ2号エレノア3号シルビアは、101号カイン102号アベル、それに村人を2人連れて、そこに煉瓦の買い付けに行って。

村人たちはそのままでいいから。

購入数は500万個、値段は少々割り増しになっても構わないよ。

もちろんそれに合わせてモルタルもね。

恐らく在庫が足りないだろうから、その場合は発注しておいて、とりあえずあるだけ先に持って来て欲しい。

その格好だと怪しまれるだろうから、ユーリウスさんに頼んで購入した方が良いだろう。

その時に今後の事を考えて、商人とここの村人の面通しもしておいてね?

3号シルビアはそれの隊商を組んでこちらに向かって欲しい。

3号は101号と102号や村人たちと一緒にその案内と護衛をして来て。

それと一緒に汎用戦闘ジャベックを六体ほど、出来れば例のレベル150のジャベックをそれぞれ二体ずつ3種類ずつ、六体欲しいな。

無理ならば、もう少し弱いのでもいいよ。

後は戦闘タロスを100体ほどだせる戦闘ジャベックを20体ほど。

これは別に汎用でなくてもいいよ。

レベルも問わないで良い。

完全に戦闘用だから。

それとレベル50の汎用ジャベックも100体ほど買って来て欲しい。

2号は買い付けが終わって、3号に任せたらすぐにこっちに戻って来て。

あ、でも、買ったジャベックはその時に2号が全部連れて来てね」

「承知しました」


その話を聞いたゾンデルが驚く。


「煉瓦を500万個ですって?」

「ええ、それでもおそらく足りないでしょう」

「しかもジャベックまでそんなに何百体も?

しかし・・・この村にはそんな物を支払える財産はありませんが?

それほどの買い物をしたら、それこそおそらく金貨何千枚、いや何万枚にもなりますよ?」

「そうですね、私の試算でも全部で金貨2万枚近くにはなるはずです。

当座は私が出しておきます。

それに私の見込みが間違ってなければ、すぐにその程度の金は回収できますよ」

「え?それは一体・・・」

「まあ、とにかく任せてください」


目を白黒させているゾンデルたちを置いて買い付け部隊はそれぞれ出発していった。



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