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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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390 白狼族の惨敗

 ミルキィを囲んだ六人に緊張感が走る!

そしてゾンデルが声をかける。


「いくぞ!お前たち!」

「おう!」

「任せろ!」

「いざ!」


だが自分を囲んだ村人たちを挑発するようにミルキィが鼻先で笑いながら呟く。


「何をするつもりか知りませんが、やるなら本気でやりなさい?

後でアレは手加減をしていたなどと、言い訳は聞きませんよ?」

「本当にそれでよろしいのですな?御嬢様?」

「ええ、御託はいりません。

早くかかってらっしゃい」


そうミルキィが言うと、囲んでいた村人たちが何かにハッとしたように呟く。


「その言葉は・・・」

「むぅ・・」

「ゾルンガ様・・・」


それを聞いたミルキイが、ふと思い出したようにもう一度話す。


「・・・そう言えば、父の口癖でしたね?

ふふ・・・知らぬうちに自分でも口に出すとは、やはり私も娘なのでしょうか?

ではこう言い直しましょう。

・・・お前たち!御託はいい!

さっさとかかって来いっ!」


そうミルキィが叫ぶと、村人たちが感動したように呟く。


「おお!」

「まさにゾルンガ様!」

「そのままのようだ!」


そして半ば感激している村人たちにゾンデルが叫ぶ!


「ぬうっ!いくぞ!お前ら!」

「「「「「 おおっ! 」」」」」


そう言うとゾンデルを含めた6人がミルキィに向かって一斉に駆け出す。


「「「「「「 白狼氷結滅砕陣はくろうひょうけつめっさいじんっ!!セリャアァッ!」」」」」」


ゾンデルたちがミルキィに対して一度に六方から襲いかかる!

そのそれぞれがミルキイの頭、首、胸、腹、腕、足を狙っているようだ。

なるほど、これは白狼族の最終奥義みたいな物か?

六人掛かりで特に強力な一人の相手を倒す技のようだ。

どうやら相手の攻撃をまともに受けるのを覚悟の上で、防御を全く考えず、各人が必ず相手の1箇所を破壊するのが目的の技らしい。

確かにこれが決まれば、相手はひとたまりもないだろう!

しかしミルキィはそれを当たる寸前で、サッと上空に跳んで避ける!


「なっ!」

「消えた?」

「これは!」


そしてミルキィはふわりと空中で回転し、スタン!と少々離れた場所に着地すると、六人に説明を始める。


「忘れましたか?

私も白狼族なのですよ?

幼い頃から父やあなたたちが、その技を鍛錬するのを散々見ていました。

ですからあなたたちが六方向に構えた時から何をするかわかっていました。

それがわかっていれば、避ける事など造作もありません」

「うう・・・」

「そんな・・・」


さらにミルキィはヌンチャクをもう一つ出して、二つのヌンチャクを両手に構えると、再び六人に話し始める。


「そして・・・今の私ならこの技も可能です・・・

これが今のあなたたちに受けられますか?」


そのミルキィの構えを見た六人が驚く!


「げえっ!まさかっ!」

「それは・・・!」

「ゾルンガ様、必殺の・・・!」


驚く六人にミルキィが両手のヌンチャクを振り回して襲い掛かる。


「行きますよっ!ハーベイ家奥義!

絶・白狼抜刀打ぜつ・はくろうばっとうだっ!!」


おおう!何だ、そのどっかの犬漫画みたいな技は?

ミルキィは縦にグルグル回りながら敵を倒すかと思いきや、コマみたいにグルグルと回って、敵を吹き飛ばして行くぞ?


「おがっ!」

「あぎゃあっ!」

「ぐえぇぇ・・・」

「ごふっ!」

「ぬがっ!」

「げはっ!」


凄い!凄いぞ!ミルキィ!

固まっていた連中はミルキィに当たって、ボーリングのピンみたいに跳ね飛ばされて行った!

あっという間にミルキィを襲った六人は、そこら中に吹っ飛んで地面に叩きつけられている!


六人を奥義で吹っ飛ばして、香港映画の主人公のように村人たち全員を叩きのめしたミルキィは、全員を地面に這い蹲らせて悠々と境界線を越えて村へ入った。

俺が手を出すまでもなく、40人以上いた村人たちは、その全員が地面に倒れていた。

俺は最初の位置からまだ一歩も動いていない。

呆然とする村人たちにミルキィが三度問いかける。


「さあ、どうですか?一応今の技は手加減をしておきましたが・・・

もう一度やりますか?」

「くっ・・・!」

「はい!」

「やりましょう!」

「もちろんです!」

「御嬢様に手加減されて寝ている訳にはいきませんや!」


そう言って村人たちは全員がヨロヨロと立ち上がる。

さすがは戦闘民族の白狼族だ!

これだけミルキィにやられた上に、最終奥義までも破られても、まだ戦意を失わないゾンデルたちは尊敬に値する!

だが、俺もそろそろ引導を渡す気になって来る。

ミルキィもそう考えたのか俺に話しかける。


「そうこなくては・・・

そのために今の技も、わざわざ手を抜いたのですからね?

さあ、御主人様どうぞ」

「ああ、ではそろそろ我々との格の差を見せ付けるか?」

「ええ、そうですね」


そう言ってミルキィがうなずくと、村人たちはキョトンとする。


「え?」

「格の差?」


驚く村人たちに構わず俺はミルファを促す。


「ミルファ、合図を」

「はい、では始め!」


ミルファの戦闘開始の合図と共に俺が呪文を唱える。


「アニーミ・ミル・エスト!」


俺は今度は1000ものタロスを出現させる。

しかも今度は素手の獣人型のタロスではなく、エレノア式甲冑タロスの完全装備だ!

1000体出現した全てのタロスが青い甲冑を着込み、剣と盾を持って隊列を組んでザッ!ザッ!ザッ!ザッ!と前進する。


「うおっ!」

「これはっ!」


驚く村人たちに対して、さらに俺が呪文を唱える。


「マギア・インディクト・ミル・フルモバート!」


途端に1000もの電撃が迸り、それの一部が村人たちを感電させる。


「うっぎゃあ~!!」

「はぎゃ!」

「あっぐぅ」


残りの九割以上の雷撃は地面に刺さり、大地を振るわせる!

全身を何発もの電撃に貫かれたゾンデルたちが再び地面に膝をつくと、その眼前に完全装備の甲冑タロスたちが迫る!

そして甲冑タロスたちは獣人たちに四方八方から剣先を突きつける。

それを見たゾンデルたちは全員がその場で座り込む。


「そ、そんな・・・」

「あ、あ・・・」

「これは・・・!」


100体程度のタロスに勝てなかったゾンデルたちが、その10倍ものタロスに勝てる訳がない。

ましてや全員が電撃で意識朦朧の上で、今度のタロスは全てが完全装備だ。

もちろん、とても迎撃できる状態ではない。


「そしてこれはオマケだ!

グランダ・フラーモ・パーフォ!」


俺は巨大な炎の玉を村のはずれにあった廃屋に向かって放つ!

その廃屋は瞬時で完全に炭と化して、その周囲も広範囲に焼け焦げる!

それを見た村人たちは恐れおののく!


「なっ!」

「これはっ!」


驚く村人たちに俺が冷酷に言い放つ。


「さあ、今のを村の中央部に放ったらどういう事になるかな?」


そう言いながら、俺は再び巨大な火の玉を村人たちの目の前に出し、今にも村のど真ん中に放とうと構える。

ここにおいてついに白狼族村民全員の心が折れた。

ゾンデルが負けを認める。


「参りました・・・御客人、ミルキィ御嬢様」


周囲の村人たちも無言でうなだれて一言もない。

どうやら全員が同意見のようだ。

そこでミルキィがゾンデルたちに説明をする。


「どうですか?

これでも御主人様はまだ実力の10分の1も出していませんよ?」

「え?これで・・・10分の1以下?」

「ええ、そしてここにいるシルビアさんたちでも、この程度の事は可能ですよ?」

「この全員が・・・」

「ええ、むしろこの中では、お母様とペロンを除けば、私が最弱と言っても良い位です」


そのミルキィの言葉にゾンデル以下全員が驚く。


「我々が総がかりで倒せなかったミルキィ様が最弱?」

「はい、その通りです。

そしてそちらにいらっしゃる、御主人様と私達全員の御師匠様であるエレノアさんに至っては、この数倍の実力の持ち主です。

何しろ御主人様を始めとして、私を含めたここにいる全員が総がかりでもエレノアさん一人に勝てないのですからね」

「そんな・・・」


驚くべき事実を知ってゾンデルたちは愕然とする。

こうして俺とミルキィは4回にわたり、攻防戦を繰り返した。

防衛側は一矢も報いる事が出来ず、散々に負けた。

そこでミルキィの説明を聞いて、完全に自分たちの立場を認識したようだ。

ミルキィが我々の中で最弱かどうかはともかく、この村の総力を上げても、ミルファとペロンを除けば、我々の中の誰一人にも勝てないのは明白だ。

何も出来なかったゾンデルたちは途方にくれる。

そんな村人たちに俺が話しかける。


「さあ、どうです?

私の言葉にウソはありましたか?

これでいかにあなたたちがひ弱な存在か、わかりましたか?

もし攻めて来る敵に、一人でも私達と同じ力を持った者がいたら、この村はどうなりますか?」

「うう・・・」


俺の言葉にもゾンデルたちは返す言葉もない。

流石に自分たちの立場を思い知ったようだ。

もちろん実際にはこの連中はそんなに弱くはない。

実際には村人の一人一人が、少なくとも通常の兵士の5人分以上には匹敵するだろう。

やはり白狼族の戦士は強い!

ゾンデルやゾンガーなどは、一人で100人以上の兵士を倒せるはずだ。

確かに前回は不意打ちさえされなければ襲って来た相手を撃退出来ただろう。

そういう意味では今回は相手が悪すぎたと言えるだろう。

それに相手が伯爵領とは言え、俺たちと同等の力を持つ者がいる可能性は低い。

しかし、ここは相手の思い上がって勘違いをしている心を折るために、徹底的に打ちのめすのみだ!

その効果はあったようで、散々俺とミルキィに打ちのめされたゾンデルが俺に聞いてくる。


「それで私達はどうすればいいんです?」

「だからこそ、本気で村を守る事を考えるんですよ」

「え?」

「こういう敵が攻めてきても大丈夫なような村の作りにするんです!

柵を作り、堀をめぐらせて、誰が攻めてきても大丈夫なようにするんですよ」

「しかし・・・一体どうすれば良いのか・・・

正直、我々は何から始めたら良いのかも全くわかりません・・・」


今までそんな事を考えた事もなかった村人たちは途方にくれる。

そんなゾンデルに俺が話しかける。


「それを我々が指導するんですよ!」

「お客人が?」


不思議そうに聞くゾンデルにミルキィとミルファが説明をする。


「ええ、このシノブ様たちはそういった事にも長けているのです」

「そうです。この方たちの指導に従えば、今後この村が誰かに襲われても、決してむざむざやられる事はなくなるでしょう」


その二人の言葉でゾンデルも決心したようだ。


「わかりました。

確かに言われた通り、我々は井の中の蛙、いえ、それ以下でした・・・

そして我々ではこの状況をどうすれば良いのか、全くわかりません。

どうか宜しく御指導を御願いいたします。

おい!お前たちもそれで異存はないな?」


それに従ってゾンガーも叫ぶ。


「おう!俺もそれに賛成だ!

文句がある奴は今ここで言え!

さもなくば、今後このお客人に逆らう奴は、ゾンデルだけでなく俺も許さん!」


ゾンデルとゾンガーの言葉に他の村人たちも納得したようで、全員がうなずく。

どうやら誰も異存はないようだ。

こうしてようやく白狼族の村を強化防衛する事が決まった。

これでやっと本来の俺の考えた作戦が実行できる!

そう、俺はこの白狼族の村を一大要塞化して、外敵から防衛するつもりなのだ!


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