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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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389 本気の白狼族

 俺はこの世界に転生してきてから、ロクに他の魔法使いや組合員とも会わないうちにすぐにエレノアに出会った。

だから基準をエレノアしか知らず、自分がどれほどの強さの立ち位置なのか、よくわからなかった。

ミルキィや他の仲間たちが出来ても、エレノアが特訓して、その強さを引き上げてしまったために、俺とそれほどの差が無く、やはり世間との差がよくわからなかった。

自分がかなり強いだろうという事はわかっても、実際にはどれほど通常の魔法使いや組合員との差があるのか今ひとつわからなかったのだ。

しかし高等魔法学校に入学して、ようやくその現実差がよくわかった。

俺とその仲間たちの能力はまさに圧倒的で、一般生徒たちとのレベル差や戦闘能力の差は話しにならないほどだったのだ!

そもそも俺たちの同級生たちだって、誰一人を取っても、全員が正規の魔道士なので、本来ならば普通の魔法使いよりも優秀なのだ。

その同級生たちと比較しても、俺たちは問答無用の強さだった。

学校で何回か模擬魔法戦をやったが、俺たちと一般生徒の差は歴然だった。

俺たち特待生はその全員がクラスの特待生以外の生徒たち全員を相手にほぼ互角以上だった。

特に俺とフレイジオ、アンジュの三人は、一般生徒全員を相手に圧勝だ。

もっとも我がクラスの担任たるエレノア大先生は、その俺たち特待生全員を含めた全クラスを相手に模擬戦で圧勝だ!

はい、いつも通り、オチはこの人ですか?

恐らくエレノアは全校生徒を相手にしても圧勝するだろう。

アインなんぞはエレノアと実際に戦って、改めてその恐ろしさを知ったようだ。

知らなかったとは言え、最初にその大先生をその辺のエルフの姉ちゃん扱いしていた事に改めて恐怖したようだ。

従って白狼族の戦闘力は確かに一般に比較すれば遥かに高かったが、俺たちとは比較にならないのは明白だった。

しかしゾンデルたちは、もちろんそんな事は知らない。


ゾンデルが村に向かって大声で叫ぶ。


「おい!お前ら!すぐに全員出て来い!

村の存亡をかけて戦うんだ!」


その声に応じて、残りの村人たちがゾロゾロと集ってくる。


「なんだ?なんだ?」

「どうしたんだ?ゾンデル?」

「何があったんだ?」

「村の存亡とは大袈裟だな?」

「またラーガンの連中が攻めて来たのか?」


集ってきた村人たちにゾンデルが説明をする。


「実はこのお客人とミルキィお嬢さんが、俺たちを捻るのは片手間だと言って来た。

俺たちの事を井戸の中の蛙だとも言われた。

俺たちはそんな馬鹿なと思い、実際に戦ってみたが、確かにあっさりとやられてしまった。

それも2回もだ!

この御二人は俺たちが村中総がかりでも勝つのは無理だと言う。

そしてこの二人に勝てないのであれば、当然今後この村を守るのを無理だともな。

それも確かにもっともだ。

だから俺たちも全力でやるぞ!

この二人に勝てないのなら、俺たちではこの村を守れないと思え!」


そのゾンデルの説明に村人たちが驚く。


「なにっ?この二人にお前たちが全員で負けたのか?」

「この平人の子供とお嬢さんにか?」

「相手はたった二人だぞ?」

「しかもゾンデルとゾンガーがいるのにか?」


その村人たちの質問にゾンデルがうなずいて答える。


「ああ、そうだ!油断するな!

全員、最初から全力で行くぞ!

相手を平人の子供と、かつてのお嬢さんだと思うな!

フラーモベアかチーフミノタウロス・・・いや、キマイラが10匹いると思え!」

「何!キマイラが10匹だと?」

「それほどか!」


驚く村人たちに俺が笑って答える。


「あはは・・・やだなあ!

何を言っているんですか?

ゾンデルさん?

そんな訳ないでしょう?」

「え?」


驚くゾンデルたちに、今度は俺が真顔で冷たく言い放つ。


「何を勝手に勘違いしているんだ?

我々がそんな弱い訳ないだろう?

少なくともフェンリルが20匹いると考えろ!」

「なっ!」

「フェンリルが20匹?!」


俺の言葉に村人たちの顔が引きつる!

突然、表情も声の調子も変わった俺に驚いたようだ。

それも当然だ!

キマイラはレベル120程度で組合でも一級相当、それと比べてフェンリルはレベル200を超えて特級の黄金等級ゴールドクラスに匹敵する!

つまりアースフィア広域総合組合基準でも2段階も上なのだ!

その驚く村人たちにミルキィも真顔で淡々と答える。


「いいえ、どうも御主人様はまだ謙遜なさっているようすです。

もう少しあなた方にわかりやすく言えば、私の父を50人ほど一斉に相手にすると思ってください」


ミルキィの説明に村人が愕然とする。


「ゾルンガ様を50人?」

「そんな馬鹿な!」

「あの人は歴代の族長の中でも最強と言われているぞ?」


しかしミルキィは首を横に振って答える。


「いいえ、残念ですが、父など今の私の戦闘力の足元にも及びません。

私は父を尊敬しておりますし、その能力もよく知っています。

しかし、たとえ父が10人いたとしても、今の私には勝てませんよ」


淡々と説明するミルキィにミルファも同意する。


「ええ、ミルキィの言う通りですよ。

例え、あの人が50人束になってかかったとしても、今のこの二人には勝てません。

いえ、おそらくは100人いても無理でしょうね」

「何ですと!」

「そんな・・・」

「いくら何でも・・・」


あまりの事に呆然とする村人たちにゾンデルが注意する。


「そういう事だ!わかったか?

そもそも現状でこの村一番の俺と、二番のゾンガーが一緒に軽く捻られているんだ!

わかったらお前たちも最初から全力を出せ!」


どうやらゾンデルと一緒にいたレベル137のゾンガーと言う男がこの村2番の使い手らしい。

俺たちは知らない間に、この村の上位二人を軽く捻ったようだ。

その言葉に集った村人たちもうなずく。


「わかった!」

「確かにお前たち二人がやられたんじゃな!」

「全力だな!」

「ああ、任せろ!」

「ちょっと待ってろ!」

「俺もだ!本気ならアレが必要だ!」

「俺もアレを取ってくるから待ってくれ!」


そう言うと何人彼の村人たちは急いで家に戻り、それぞれが手に木の棒を持ってきた。

中には金剛杉の黒い木刀を持っている者もいる。

そして呪文を唱える。


「グラツィーオ!」

「グラツィーオ!」

「グラツィーオ!」


たちまちただの木の棒だった物が、鋭い氷の剣となる。

なるほど、これが以前にミルキィから聞いていた白狼族必殺の氷の剣とやらか?

これを使うという事は、この連中もようやく本気になったという事か?


「ミルキィ?それではこっちもアレを使おう」

「はい、わかりました!」


俺の言葉にミルキィがうなずき、ミルファが確認をする。


「では双方とも用意はいいですか?」

「はい、大丈夫です」

「こっちもでさぁ!」

「では始め!」


ミルファの合図と共に戦いが始まる!

ミルキィが最初の時のように村へと走って近づき境界線を越えようとする。

しかし今度はさすがにゾンデルを初めとして、数人の村人たちがそれを迎撃する!

ゾンデルたちは容赦なく氷の剣でミルキィに襲い掛かる!

先程までの動きとはまるで違う!

これは今回は本気でミルキィをりにきている!


「御嬢様!お覚悟を!」

「御免!」

「うりゃ~~っ!」


しかし、レベルは200を超え、迷宮で散々鍛えたミルキィが相手では村人が総がかりでも相手にならなかった!


「はあっ!」


向かって来る三人を、ミルキィはわずかな時間差を利用して蹴り飛ばす!


「ぐげっ!」

「おぐっ!」

「がっ!」


しかしさすがに境界線の近くには村人たちが集結をしている。

いくらミルキィでもこれを突破するのは難しい。

ここでミルキィは先程マギアサッコから出して、腰につけていた双節棍、すなわちヌンチャクを一つ手に取った!

こんな時のために、俺が柄の部分を金剛杉、鎖の部分をミスリル銀で作っておいた特注の品物だ。

それをミルキィは日ごろから鍛錬し、迷宮などで訓練して、もはや自由自在に操れるようになっていた!

その黒いヌンチャクが唸り、回り、次々に獣人たちを叩き伏せる!


「行きますよっ!

はあっ!たあっ!やあっ!」

「ぐあっ!」

「あぎゃ!」

「ごげぇっ!」


ミルキィがヌンチャクを振り回すたびに、確実に獣人が倒れていく!

その様子を見た村人たちが驚き慌てる。


「な、なんだ?あの武器は?」

「わからん、動きが読めない!」

「一体、グワッ!」

「こんな・ゴフッ!」


初めて見るその武器に獣人たちは翻弄されて冷静さを失う。

そして次々に村人たちがミルキィに襲い掛かる!


「おのれ!必殺!黒氷剣こくひょうけんッ!おぐっ!」

「喰らえっ!氷剣斬舞ひょうけんざんぶっ!ゴガッ!」

氷剣一文字斬りひょうけんいちもんじぎりッ!あがっ!」

氷結ひょうけつ二段突きにだんづきぃっ!グア~ッ!」


村人たちは、次々に己の必殺技らしい物を繰り出すが、ミルキィには全く通じない!

その結果、ミルキィは村の獣人たちを捻り、叩き、氷の剣をへし折り、ぶちのめした。

それはまるで武術の有段者が、力自慢の町のチンピラか、不良高校生の集団を相手にしているようで、話にならなかった。

地面に倒れた村人たちが、息も絶え絶えな様子で呟く。


「そんな・・・」

「俺たちが総がかりで、あの御嬢さんに敵わない・・だと・・・?」

「まさかミルキィお嬢様がこれほどとは・・・」

「あの武器は一体・・・?」


そんな白狼族にミルキィが冷たく言い放つ。


「こんな物ですか?

この程度の力が白狼族の本気ですか?

これでどんな敵でも撃退出来ると思っているとは本当にお笑い草ですね?

ましてや御主人様に勝てると思っているとは、一体何様のつもりですか?

今のあなたたちは井の中の蛙どころか、おたまじゃくしです!」


そのミルキィの言葉に地面に倒れている村人たちは反論できない。


「ぬうっ・・・」

「これは・・・」

「一体・・?」


しかしここで敢然と立ち上がったゾンデルが仲間に叫ぶ!


「まだだ!お前たち!アレを仕掛けるぞ!」


それを聞いた村人たちが愕然とする。


「何だと!」

「ゾンデル?お前、御嬢様にアレをやる気か?」

「本気か?ゾンデル?」

「お前、御嬢様を殺す気か?」

「馬鹿な!アレは、アレだけは・・・」


驚く村人たちにゾンデルが言い放つ!


「お前たち!ここまで御嬢様にコケにされていいのか?

いいか!もうアレを御嬢様だと思うな!

アレはもうサイクロプスかドラゴンだと思え!

いや、それ以上の化け物だ!

いいか!

我々があの化け物に勝つには、もはやアレしかない!

ゾンガー!お前たちも立て!」

「そ、そうだな!」

「わかった・・・!」


そう言うと5人ほどの男たちが立ち上がる。

そしてその六人がミルキィを囲むように立つ。

どうやらこれは六人掛かりでミルキィに何かを大きな技を仕掛けるつもりのようだ。

いよいよ白狼族も最後の正念場か?


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