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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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378 エレノアの課外授業 3

 審査旅行では生徒の誰もケット・シーに拒否される事もなく、無事にカトー・インスローから帰ってきて、授業は再開された。


そんなある日、またもやエレノアが特別授業を提案する。


「皆さん、このクラスの皆さんは全員がレベル70を超えました。

これを機会に非常に特殊な戦法を伝授したいと思います。

これは相手が単体の魔物の場合は非常に有効な方法で、覚えておくと将来必ず役に立つと思います。

興味がある人は次の自由日にこの教室に集まってください」


え?相手が単体の場合に有効な特殊戦法って、まさか・・・?

自由日になると、クラスの全員が教室に集まっていた。

それどころか他のクラスの生徒や教員までもがエレノアの授業を受けようと集まってきたので、教室から人が溢れかえってしまっていた。

そこで急遽、大講堂が使われる事となり、そこでエレノアの講義が始まった。


「皆さん、本日行う講義は「グレイモン戦法」と言って、単体の魔物に非常に有効な方法です。

これを考案したジャルジュ・グレイモン伯爵という人は、これを考案した当時、まだレベルが80ほどの戦魔士でしたが、この方法によってキマイラを倒す事が出来ました」


そう、エレノアが伝授しようとしたのは、やはりグレイモン戦法だったのだ。

俺たちエレノアの弟子は前日にそれを聞いて色々と用意をしていた。

ここでエレノアが一旦言葉を切ると、受講者の間から「ほう・・」と感心の息が漏れた。

キマイラはアースフィア広域総合組合で一級の査定に使用されるほど強力な魔物で、そのレベルは120前後もあり、普通に戦ってはレベル100でもまず勝てないし、危うい。

そのキマイラにレベル80程度で勝てる戦法とは確かに驚いたのであろう。


「それでは彼がどうやってキマイラを倒したのか説明をしましょう。

まず彼はアダマンタイトの盾を3つ、左右の腕と背中に、そしてアレナックの剣を4本、腰に装備して戦いに挑みました。

そして戦いが始まると、まずはすぐさま四本腕の人型戦闘タロスを100体ほど出してキマイラと戦わせました。

このタロスは左右の腰に5本ずつ、計10本の非常に小型の短剣を身につけていました。

そのタロスでとりあえず時間稼ぎをすると、次に持っていた剣と盾をその場で捨てました」


ここで聴衆は少々どよめく。


「捨てた?せっかく用意したのに?」

「なんでだ?」


どよめく聴衆が収まるとエレノアは話を続ける。


「そして今度は防御力重視の戦闘タロスを30体、攻撃力重視の戦闘タロスを30体ほど、それぞれ作成しました。

こちらは双方とも通常の人型です。

そのタロスたちは、それぞれすぐさま落ちている剣と盾を拾うと、盾組の三体はキマイラのそれぞれの頭からの攻撃を防ぎ、剣組の四体はキマイラの死角から襲い掛かりました。

残りの防御組は術者の防衛につき、攻撃組は各自手持ちの武器でキマイラに襲い掛かりました。

何しろこれだけ数がいれば、必ず相手に死角は出来ますからね。

攻撃組は無理をせずに、そこを巧妙につきました。

そして術者本人は戦闘から離れて、防御組に守られながら後方支援に徹し、攻撃組には2倍強化魔法を、防御組には防御魔法をかけました。

そしてどれかがキマイラにやられると、すぐさま他のタロスが盾や剣を拾って、攻撃と防御を引き受けました。

そして最初に出した四本腕の戦闘タロスの残りたちはキマイラの体に取りつき、その一部は、隙あらば自らをキマイラの口に突っ込みました」


ここで再び聴衆がどよめく。


「え?キマイラの口に?」


エレノアは話を続ける。


「キマイラが火炎や雷撃を吐こうとして口を開くと、すかさずにその口の中へと自らを頭から突っ込みました。

そのまま口の中へ強引に入って、キマイラの口の中を短剣で攻撃したのです。

口の中に異物が入っている間は、キマイラも炎や吹雪の息を吐けないので、キマイラも動揺した様子でした。

またこの事によって吐息攻撃をしようとすると、口の中を攻撃されるために、口からの攻撃を控えるようになり、キマイラの最も得意とする吐息攻撃を封じる事にもなりました。

残りのタロスたちはキマイラの足や各所に二本の腕でしがみつき、残りの二本の腕で、用意していた十本の短剣を容赦なく次々と突き立てていきました。

もちろんキマイラはそれらのタロスを一瞬で噛み砕き、踏み潰して倒していきましたが、何しろ数が多いです。

しかもタロスが消滅すれば、もちろんその一部分だった突き刺さった短剣も消滅しますが、刺した傷はそのままな訳です。

そこへまた次のタロスがしがみついて短剣で刺す訳ですから、傷は全身に増える一方です。

そしてその間も、もちろん剣の戦闘タロスは死角から攻撃をしてきますし、防御タロスはキマイラの攻撃を阻止します。

この意表を突いた壮絶なタロスの攻撃の効果は抜群で、8割近いタロスはキマイラに殲滅されましたが、その結果、5分ほどでキマイラを倒す事が出来たのです」


ここまでエレノアが話すと聴衆に感嘆の波が広がる。


「おお・・・」

「それは凄い・・・」


エレノアは話を続ける。


「術者がレベル80程度の出すタロスですから、レベルは50から60程度で、キマイラよりも50以上も低く、本来でしたら、いくら数がいても勝つのはかなり難しいでしょう。

それをこのような特殊な方法を考案してキマイラを倒す事が可能になった訳です」

「なるほど!」

「それは凄い!」


エレノアの言葉に全員が感心する。


「何か質問はありますか?」


そのエレノアの言葉に一人の生徒が手を挙げて質問をする。


「それはレベルがもっと低くても可能ですか?」

「はい、まだそこまではっきりとは言えませんが、おそらくレベルが70程度でもこの攻撃は可能でしょう。

むしろレベルよりも、出せるタロスの数と、その質が問題となります。

これを実行する者の魔力量は最低でも30000は欲しい所ですね。

多少レベルが低くても、数が多ければそれだけ有利になりますし、ただの土人形型のタロスよりも機動性のある人間甲冑型タロスの方がより多くの傷を相手に傷つける事が可能です」

「なるほど」


エレノアの説明に質問者が納得する。


「他には?」


もう一人の手が上がる。


「これはキマイラ以外の魔物にも有効なのでしょうか?」

「はい、これは相手が単体の魔物であれば、大抵は有効な戦法です。

空を飛ぶ魔物やドラゴンやカーロンなどのように異常に固い相手、そして集団魔法や集団攻撃が可能な魔物にはあまり意味がありませんが、単体攻撃しかして来ない相手にはかなり相手のレベルが高くても有効です。

事実、上位悪魔であるマルコキアスでさえも、この戦法を応用した技で倒された事があります」


それを聞いた聴衆にまたもや驚きが広がる。


「マルコキアスまで?」

「あの上位悪魔を・・・」


またもや一人の手が上がり質問をする。

エレノアがそれを許可する。


「そちらの方、どうぞ」

「はい、その伯爵はどういった経緯でこのような特殊な戦法を考案したのでしょうか?

よほど特殊な状況でなければ、このような方法は思いつかないと思うのですが?」


その質問にエレノアがうなずいて答える。


「実は彼には非常に大切にしているジャベックがいます。

そして当時、アースフィア広域総合組合がジャベックの等級を改変して「二重水晶階位ダブルクリスタルランク」という等級を作ったのです。

それはジャベック単体でキマイラを15分以内で倒さなければならなかったのですが、彼の所有しているそのジャベックは、レベル100の魔道士型だったので、キマイラを15分で倒すには無理があったのです。

そこで彼は何とか自分のジャベックにその等級を取らせたいと思って、この戦法を考案したそうです。

彼はこの戦法を考案した後で、まずは自らがこの戦法を試し、有功である事を確認してからそのジャベックにこの方法を教えたのです」

「え?伯爵様がャベックのために?」

「そうです」

「そんな・・・」

「貴族がたかがジャベックのために・・・?」


エレノアの答えに受講者は驚き、感心したようだ。

まあ、人間のためならいざ知らず、ジャベックのためにそこまでする人間がいるとは驚きだろうなあ・・・

ましてや相手は貴族様だ。

貴族がジャベックのためにそこまで考えるとはさらに驚きだろう。


「他に質問はありませんか?

無ければ休憩の後で、実習に移りたいと思います。

30分後に闘技場へ来てください」


他に質問はなかったので、受講者たちがゾロゾロと外に出て行く。

いよいよ実習の始まりだ!



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