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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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370 お手製クッキー

 空の旅は順調で、誰も脱落する事無く、やがてそれらしい島が見えてきた。


「あれがカトー・インスローかい?」

「そうですニャ。

あれがボクの故郷のカトー・インスローですニャ」


俺の呟きに抱きかかえたペロンが答える。

遠めに見れば、別に何の変哲もない普通の島だ。


《それでは着地します。

 着地の際には各自間隔を十分に開けて余裕を持って着地するように!》


エレノアから着地の際の指示の魔法念話が生徒全員に伝わる。

そしてエレノアは島の端にある広い海岸へと向かって降下し始める。

やがてエレノアが着地すると、その周辺に他の教師や生徒たちも次々と着地していく。


島は南方の方にあるので、気候は少々暑い。

しかし俺たち魔道士の服は魔力で温度を調節するので、多少の暑さは平気だ。

俺たちがカトー・インスローに着くと、早速その場にケット・シーたちが集まってきた。

うわあ・・・これが全部ケット・シーなのか?

ぬいぐるみのようなモフモフした大きな猫たちがあちこちから集まってくる。


「こんにちはニャ~」

「いらっしゃいニャ~」

「カトー・インスローにようこそなのニャ~」

「あ!ペロン、久しぶりなのニャ~」


ケット・シーたちはみんな友好的だ。

中にはペロンの知り合いもいるようだ。

生徒たちも予想通り、特にケット・シーに嫌がられている生徒はいない様子だ。

俺も我が家にはペロンがいるし、バロンとも会っているからケット・シー自体が珍しい訳ではないが、これほどたくさんのケット・シーに会うのは初めてだ。

黒猫、白猫、三毛猫、ペルシャ猫風、マンチカン風と色々なケット・シーがいる。

みんなモフモフしていて、片っ端から抱きしめて撫でてみたい!

うっは~!

全くこりゃ、俺のようなモフラーにはたまりませんな!

しかし何故か、かなりの数のケット・シーがシルビアに群がって来る。

そのケット・シーたちが、争うようにシルビアに質問をする。


「ねえねえ、君からは何かおいしそうな匂いがするニャ?」

「え?」

「そうなのニャ、

とってもおいしそうな匂いがするのニャ。

何を持っているのかニャ?」

「それを分けて欲しいのニャ」

「私はこちらで食べようかと、クッキーを焼いて持ってきたのですが・・・」


え?シルビアいつの間にか、そんな物を作って持ってきていたの?

料理は禁止って言ったのに・・・まあ、クッキー位なら良いか?

それを知ったケット・シーがシルビアに猛然と頼み込み始める。


「お願いニャ!

それをくださいニャ!」

「僕も欲しいニャ」

「とてもおいしそうな匂いで我慢が出来ないニャ」

「私も欲しいニャ~」

「お願いだからそれを分けてくださいニャ~」


あれ?何かずいぶんケット・シーが一生懸命に頼むな?

でも、なんだろう?

この、まるで切羽詰ったような感じの頼み方は・・・?

何だか変だ?

たくさんのケット・シーにせがまれてシルビアが返事をする。


「ええ、たくさん作って来たので、別に構いませんが・・・」


そう言ってシルビアは自分の背袋を下ろすと、中から持ってきた包みを出して開ける。

そこにはたくさんの銀色と濃い紫色の市松模様のクッキーが入っていた。

おいおい!銀色のクッキーって、どうやって作るんだ?

しかもそれからは怪しい濃い緑色の瘴気のような物がユラユラと立ち昇っている。

それを見た瞬間、俺はいやな予感がした!

しかしシルビアは嬉しそうにケット・シーたちにお手製クッキーを配り始める。

ケット・シーたちも喜んでそれを受け取る。


「はい、どうぞ」

「ありがとうニャ」

「あなたにも」

「ありがとうニャ」

「さあ、どうぞ」

「うれしいニャ~」


ケット・シーたちは大喜びでシルビアからクッキーを貰ってそれを食べ始める。

シルビアも自分の作ったクッキーがケット・シーたちに喜んで貰えるので御機嫌の様子だ。

大きな猫のぬいぐるみのようなケット・シーたちが嬉しそうにクッキーを食べるその姿は見ていてほほえましい。


パクリ!

パクリ!

パックン!


ケット・シーたちがシルビアからもらったクッキーを食べる。

その途端だ!

ケット・シーたちはその場にバタン!と倒れる!


「アワワ・・・」

「ホワワ・・・」

「ブクブクブク・・・・」

「はわわわ・・・」

「・・・・」


やっぱりか~っ!

シルビアのクッキーを食べたケット・シーたちは口から泡を吹いて盛大に倒れた。

それを見て一緒にいた生徒たちは驚く!


「え?」

「どうしたの?」

「ケット・シーたちが?」


しかし状況を即座に察した俺とエレノア、そしてエトワールさんは、慌ててケット・シーたちに解毒魔法をかける!

俺は解毒をしながらシルビアに叫ぶ!


「シルビア!それしまって!

これ以上ケット・シーたちにあげちゃダメだ!」

「はい!」


俺の言葉を受けて、シルビアは慌ててクッキーをしまう。

それでもすでに10人以上のケット・シーに配ってしまったようだ。

だが、クッキーをもらえなかった残りのケット・シーたちは不満そうだ。


「え~ボクにもくださいニャ~」

「私にも~」

「私も欲しいですニャ~」

「何でしまっちゃうのニャ?」


キ・ミ・タ・チッ!

学習能力がないのかね?

つーか、今ッ!現在ッ!

目の前で仲間がそれ食べて泡吹いて倒れているでしょうが!

エレノアやエトワールさんたちが、君たちの仲間に一生懸命に解毒魔法をかけているでしょうが!

それ見て何とも思わないのか?


「ほら!ペロンも仲間に解毒をかけて・・・?」


俺がそう言って横にいたはずのペロンを見ると、そこでペロンは泡を吹いて倒れている!


「はわわわ・・・・」


おうっ!

ペロンよ!お前もか!

いつのまにかシルビアのクッキーをもらって食べていたのか!

何で一回シルビアの料理を食べて懲りているはずなのに、また食べるかな~?

しかもそれで解毒魔法を覚えたいって言って、エレノアに解毒魔法を習っていたのに!

そのいざという肝心な時にこれか!

ケット・シーって、学習能力がない訳じゃないよね?

俺はニャーニャーとシルビアに群がるケット・シーたちを見てシルビアに叫ぶ。


「シルビア、それ全部、包みごと頂戴!」

「あ、はい」


俺はそのクッキーの袋をもらうと全力で海に放り投げる。

レベル300を越える俺の全力投球は、その袋を遥か彼方の海に着水させる。

それを見たケット・シーたちが声を上げる。


「あ~っ!」

「クッキーが・・・」

「クッキーが・・・」

「あんなにおいしそうなクッキーが・・・」

「 (´·ω·`) 」


ケット・シーたちは凄く残念そうだ。

ものすごくショボンとしている。

しかし流石に海に入ってまで取りに行こうとはしないようだ。

だが俺がクッキーを投げた辺りを見ると、海面がバシャバシャと騒がしい。

どうやら魚が投げたクッキーの奪い合いをしているようだ。

しかししばらくすると、その辺りに白い腹を見せた魚たちがプカリ、また一匹プカリと浮かんでくる。

その周辺は死んだ魚だらけだ!

「アレ」は魚にも効くんかい!


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