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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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369 審査旅行

 入学して1ヶ月も経った頃、エレノアが俺たち4年生が全員集った前で話す。


「さて、皆さん、すでに知っている人も多いと思いますが、4年生は来週は1週間カトー・インスローに審査旅行となります。

カトー・インスローと言うのはケット・シーの故郷の一つです。

魔法学士を目指す者は、入学してまず最初にここへ旅行する事になっています。

今回少々時間が経ったのは、今年はアムダルン校やメディシナー校などが先に行ったので、我が校が最後になったからです。

今から皆さんにケット・シー手帳を配ります。

これはカトー・インスローについたら知り合って仲の良くなったケット・シーにサインをしてもらう手帳です。

あなた方はカトー・インスローへ行ったらケット・シーたちと日常を共にして、1週間の間に彼らのサインをもらう事になっています。

それが審査旅行の目的です。

そしてこの手帳にケット・シーのサインをもらえない生徒は魔法学士にはなれません」


俺たちはそのエレノアの話を緊張した面持ちで聞いた。

カトー・インスロー。

それはこの世界にいくつかある、ケット・シーの島の一つで、ペロンの生まれ故郷でもある。

魔法学士になる者は必ず卒業前にここへ行き、ケット・シーに善悪の判断をしてもらわねば魔法学士にはなれないのだ。

つまり心が悪に染まっている者、性格に難点がある者はここで、はねられて魔法学士にはなれないのだ。

もっとも余程の事がない限り、ケット・シーに問題視される事はないらしい。

そもそも魔道士の時点で性格に問題がある者はなれないからだ。

協調性に欠ける者、独善的な者、道徳的に問題がある者と判断された者は、決して魔道士になれない。

あのリュドミラ・ボイドが魔道士になれなかったのもそれが理由だ。

だからすでに魔道士である高等魔法学校の生徒になる者は大抵問題ない。

魔道士が世間的に信用があるのはその事が大きい。


しかし、それでも邪悪な心を隠している者もたまにいるらしいので、それを確実に炙り出すためにも、必ずケット・シーに判断してもらうのだそうだ。

そのためにまずは入学して間もない高等魔法学校の生徒たちはケット・シーの島へと行く事が義務付けられていた。


だが今年の4年生は全員問題がないだろうとエレノアが言っていた。

なぜならば、俺が入学当初から年中ペロンを連れて歩いていたので、もし問題がある人物がいれば、その時点でペロンが騒ぎ出したはずだからだと言っていた。

俺はペロンを教室に連れて行った事も何度かあるので、同級生たちは全員ペロンと会っている。

問題のある生徒がいれば、その時点でペロンが騒いでいただろう。

確かにカラバ侯爵やキャサリンの時の事を考えれば、目の前にいなくともペロンは近寄っただけで騒ぎ立てるだろう。

しかしそんな事はなかったので、問題はない。

俺たちもさほど緊張せずにカトー・インスローに行く準備をした。

今回、ポリーナとミルキィはミルファと共に、マジェストンで居残り組だ。

もちろん、ペロンは一緒だ。

ペロンは久しぶりに故郷に帰るので楽しそうだ。


「ペロンはしばらく帰っていないので楽しみですニャ」


俺はふと、キャサリンがペロンに強制退去を言われた事を思い出して、エレノアに聞いてみた。


「でも、やっぱり中にはケット・シーに拒否される場合もあるんだ?」


俺の質問にエレノアがうなずいて答える。


「ええ、数年に一人はいるようですね。

特に以前、私が聞いた所によると、数十年前にアムダルン校から行った一人の生徒が島に着地すると同時に相当数のケット・シーが集まってきて、上陸するなと抗議をされたそうです。

結果として、その生徒は退学はおろか、魔道士の称号も剥奪されたそうです」

「そんな事が?」


キャサリンが来た時にペロンも抗議をしたが、あんな感じでケット・シーから集団抗議をされたのか?


「しかもその生徒は大変優秀で、中等学校も首席で卒業したほどで、高等魔法学校では級長もしていたらしいのですが、それでもケット・シーの抗議行動は重要視されて、結局その生徒は協議の結果、退学の上に、すでに持っていた魔道士号も剥奪されました」

「え?そこまで?」


退学どころか、すでに得ていた魔道士号すらも剥奪されるとは厳しい!

そこまでケット・シーの判断と言うのは重要視される物だったのか?

俺は当時、知らなかったとは言え、キャサリンの時の自分の判断が、完全に間違っていた事を知った。

これからはペロンの言う事は、今まで以上に良く聞く事にしよう。


「ええ、それほどケット・シーの判断は重視されると言うことです。

特にペロンはその感覚が他のケット・シーよりも鋭いようです」

「何だかボクは大丈夫か心配になって来たよ」

「御主人様はもちろん大丈夫ですよ」

「そうなの?」

「ええ、そうでなければペロンが一緒に暮らす訳がないでしょう?

バロンとも仲が良いですしね」

「そっか・・・それもそうだね」


カトー・インスローへは航空魔法の実習も兼ねて、全員が自分で空を飛んでいく事になっている。

全員が魔道士なので、最低でも飛行速度が時速300km程度は出る。

離陸広場を兼ねた校庭に出ると、今回引率するエレノアが学生たちに問いかける。


「皆さん、用意はいいですか?」

「「「「「「 は~い 」」」」」」

「では出発します。

 途中、魔物などが出た場合、教師が対応しますので、生徒の皆さんはそのまま飛ぶように!

決して戦おうとしてはいけません!

そして編隊を乱さないように飛ぶ事!

万一、飛んでいる最中に体調が悪くなった場合は、無理をせず即座に教師に申し出るように!

わかりましたね?」

「「「「「「 は~い! 」」」」」」

「では出発します!」


そう言うとエレノアはふわりと優雅に空へと飛び立つ。


「じゃあ、行ってくるね?」


俺は見送りに来ていたミルキィとポリーナ、それにキャロルに声をかける。

もっともキャロルは俺の見送りに来たのではなく、アンジュの見送りだ。

聞いた所によると、この娘はどうやらエレノアの課外授業以来、アンジュにベッタリらしい。

アンジュも妹分が出来たのが嬉しいのか、時間があれば構ってあげているようだ。


「皆さん、行ってらっしゃいませ!」

「どうか、道中御無事で!」

「うん、ありがとう」


そしてキャロルが黄色い声を上げる。


「アンジュ御姉様!早く帰って来てくださ~い!

夜の一人寝は寂しいです!」


そのキャロルの声にアンジュが真っ赤になって答える。


「キャロル!それ恥ずかしいからやめなさい!

そもそもあなたと一緒に寝た事なんてないでしょうっ!

誤解を招く事はやめなさいっ!」

「や~ん!アンジュ御姉様に叱られてしまいました!」

「キャロル?これ以上おかしな事を口走ったらシバキますよ?」

「ああ~ん!アンジュ御姉様!

どうか早く帰って来て、ダメなキャロルにお仕置きをしてくださ~い!」

「・・・」


うん、この娘には何を言っても無駄そうなので、アンジュも諦めて無言だ。

それにしてもこの娘のアンジュへの入れ込み具合は凄いな?

あの~一応、アンジュは俺の物なんだけどね?

世間の建前は・・・

まあ、いいか・・・

俺はペロンを抱きかかえて、舞い上がった。

そして他の先生たちや生徒たちも次々に飛び立っていく。

生徒たちは上空で5人ずつ楔形陣形の小隊を組み上げる。

俺はエレノア先生の下で、アンジュや豪雷、疾風と一緒に第一飛行小隊だ。

その小隊が3つ組んで中隊を形成し、さらにその中隊全部で一個飛行大隊を構成する。

教師と生徒合わせて、総勢60人以上の魔道士たちが綺麗に楔形陣形の編隊を組んで空を飛んでいく姿は中々圧巻だ。

俺もこれほどの数の魔道士が空を飛んでいくのを見るのは初めてだ。

もっとも俺は見た事がないが、シルビアやエトワールさんの話しによると、ロナバールなどでの大都市では、もっとたくさんの航空魔道士が大規模演習で飛ぶ事もあるそうだ。

飛行状況や天気によっては、その全員が飛行機雲を出す時もあって、それは見事だそうだ。

いずれそれを見る機会もあるだろう。

全員が揃い、上空で飛行大隊を組み終わった所でいよいよ出発だ!

目指すはペロンの生まれ故郷、カトー・インスローだ!



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