表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
382/480

354 壮絶なる師弟関係 前編

 俺たちを迎えに来たエレノアがにこやかに話しかけてくる。


「御主人様、ミルキィ、アンジュ、お疲れ様です。

ゴウライとハヤテも御苦労様。

どうでしたか?」

「ああ、エレノア、迎えに来てくれたの?

ありがとう。

中々楽しくやっていけそうだよ」

「そうですか?それは良かったですね」


ちょうど俺たちと一緒にいたアインがエレノアを見て驚いて、口笛を吹いて俺に話しかける。

どうやら相当エレノアを見て驚いた様子だ。


「ヒュ~?これがその奴隷先生か?

 しかもこんなベッピンのエルフとはたまげたな?」

「あら、こちらは?」


尋ねるエレノアに俺がアインを紹介する。


「うん、今日学校で同級生になったアイン・ロビンソンだよ」

「そうですか?アインさん。

 うちの御主人様たちをよろしくお願いしますね」


そう言って頭を下げるエレノアに対して、アインは頭をかきかき答える。


「いや、それは全く問題ねえんだが・・・

 シノブに聞いたんだが、あんたが天賢者ってのは本当なのかい?」


その質問に、エレノアはチラッと俺を見て答える。


「ええ、そうですよ」


さも日常の事の様にあっさりと天賢者である事を肯定するエレノアにアインも驚く。


「ほう・・・?」


エレノア先生!つい天賢者である事をばらしてすみません!

今後は気をつけます!

俺が両手を合わせて無言で頭を下げる。

俺の動作に対して同じく無言でうなずくエレノアに、俺はアインの事を説明する。


「アインは僕たちと同じで、この後、魔道士検定を受けて、高等魔法学校に入学するんだってさ」

「まあ、そうなのですか?

 では、どなたか高名な方の御弟子さんなのですね?」


魔道士検定は相応の実力と、天魔道士か、賢者以上の推薦が無ければ受けられない。

だからエレノアもアインが誰かの内弟子と予想したのだろう。

ここでアインが得意げに師匠自慢を始める。


「おう!もちろんよ!

 ところであんた!

 その俺の師匠はグロスマン先生なんだが、知っているかい?」

「グロスマン?

 あら?どこかで聞いた記憶がありますね?

 どこで聞いたのかしら?」


その人物の名をエレノアは聞いた事があるらしく、首をかしげて思い出そうとしている。

そこへ白髭を蓄えて、魔道士の杖をついた、いかにも老魔道士然とした格好の白髪の老人がやって来る。

その老人がアインに話しかけてくる。


「おう、アイン、どうじゃ?

 無事に入学式は終わったか?」

「これは師匠、わざわざ見にいらしたんですか?」


その老人の登場にアインが驚く。

どうやらこの魔道士然とした老人がアインの師匠のグロスマンさんとやらのようだ。


「うむ、まあ、用事の帰りで時間もあったし、少々お前はおっちょこちょいなので、心配だったからな」

「そんな事はないでしょう?先生!」

「いやいや、お前は確かに魔法の才能はあるが、意外な部分が抜けている所があるからな。

 それに多少自信過剰気味な上に大雑把過ぎて、友人を作れるかどうかも心配だったでの。

 だから少々過保護かとも思ったが、様子を見に来てみたのだ」

「大丈夫!もう友達だってできましたよ!

 なあ、シノブ?」

「うん、そうだね」


確かにアインの第一印象は粗野で大雑把な感じだが、俺も嫌いではない。

ちゃんと現実と相手の実力を認めるその姿勢は、好感が持てる。

何と言うか、レオンから貴族的な部分を抜かしたような感じだ。

そんな俺とアインが仲良く会話をしているのを見ると、グロスマンさんが感心して話す。


「ほほう?初日で、もうお前に友人がのう・・・

 それはまためでたいと言おうか、驚きと言おうか・・・なっ!」


ここで俺の方を見たグロスマンさんが、しょぼしょぼとしていた目を突然カッ!と見開く。

どうやら俺というよりも、エレノアを見て驚いたようだ。

グロスマンさんがエレノアに震えるような声で尋ねる。


「あ、あなた様は、もしやグリーンリーフ先生では?」

「はい、そうですが?

 どこかで御会いしましたか?」

「ああ!覚えていらっしゃらないのも当然です!

 私はグロスマンと申します!

 昔、まだ私が若い頃に一度だけ師匠と一緒に御会いしただけですから!」

「師匠?誰ですか?」

「ガンダルフ先生です!」


それを聞いたエレノアが納得したようにうなずいて答える。


「ああ、ガンダルフの弟子でしたか?

 そういえばずいぶん昔に、ガンダルフが弟子を連れて来た事がありましたね?

 非常に見込みがある弟子だとか、言っていましたが、あなたがそうでしたか!」


そのエレノアの言葉を聞いたアインが思わず唸る。


「なっ!こいつ!

 うちの大師匠の賢者ガンダルフ様を呼び捨てにするとは!

 聞き捨てならんな!ふてぇエルフだ!」


そんなアインの頭をグロスマンさんは持っていた杖で、いきなりガスッ!と殴る。


「あたっ!

 何すんですか?師匠?」


思わず頭を押えて抗議するアインに対して、グロスマンさんが怒りを含めた玲瓏な響きで説明をする。


「この馬鹿者ッ!!

 だからお前はおっちょこちょいだと言うんじゃ!

 こちらにおわす御方をどなたと心得る!

 恐れ多くもこの御方、天賢者エレノア・グリーンリーフ様こそ、

 わしの師であるガンダルフ先生の御師匠様であらせられるぞ!

 つまりわしの大師匠様じゃ!

 頭が高いわっ!

 控えおろうっ!」


えっ?そうなんだ?

その有名なガンダルフとかいう賢者もエレノアの弟子なんだ?

うん、今回、完全にうちの奴隷は、先の副将軍様になっちゃっているね?

このグロスマンさんは今にも印籠を出しそうだ。

そして当然の事ながらアインが驚く。


「えっ?このエルフの姉ちゃんが?」


そのアインの言葉にグロスマンさんが、再びガスッ!と杖でアインの頭を殴る。


「あたっ!」

「この馬鹿者!

 何がエルフの姉ちゃんじゃ!

 失礼にもほどがあるわ!

 よく聞けっ!

 この御方はお前の大々師匠様じゃ!

 つまり師匠の師匠の師匠様じゃ!

 お前なんぞ、この方の曾孫弟子じゃ!

 一番ペーペーじゃ!

 わかったか!

 わかったら控えんかいっ!」


そのグロスマンさんの説明に、やっと状況を理解したのか、アインが愕然とする。


「え?え?そそそそ、そんな!」


そしてアンジュも驚く。


「え・・・?エレノアさんが賢者ガンダルフ様の・・・師匠・・・?」


うん、アンジュはそのガンダルフとかいう賢者を尊敬しているとか言ってたもんな?

そりゃ驚くだろう。

俺だって驚きだ!

だってアンジュはそのガンダルフとか言う人はアースフィアで一番有名な魔道士とか言ってたもんな。

その人の師匠って言ったらどんだけ凄いんだよ!

おいおい!アンジュはガクガク震え始めているぞ?

大丈夫か?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ