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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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345 心の団員よ!

 そしてみんなが気分よく火炎呪文を放っていると、森の奥の方から何やら大物の魔物が出てくる。

バキバキバキ・・・と木をなぎ倒しながら、ズシン、ズシン・・・と重そうな巨体を現したのは巨大な亀だった!

こいつは珍しい!アダマンタートルだ!

それはちょっとした家ほどもあり、こちらにゆっくりと向かってくる!

その姿に団員たちは驚く。


「おいおい、今度はアダマンタートルかよ?火炎魔法フラーモ!」

「こいつは参ったな!火炎魔法フラーモ!」

「こんちくしょうめ!火炎魔法フラーモ!」


文句を言いながらも団員たちは向かって来る亀に火炎魔法をぶつける。

しかし巨大な亀にはさほど通じないようだ。

その甲羅に当たっても、せいぜい甲羅に生えている苔が焦げる程度だ。

丈夫な甲羅はビクともしない。

ゴルン副団長がグスタフ団長に問いかける。


「どうしますか?団長?やりますね?」

「そうだな・・・まあ、いつものようにまたやりたい奴がいたらやってもらうか?

お~い!誰かあいつにでかいのをぶっとばしたい奴は・・・」


ここでグスタフ団長が言い終わる前に、赤い仮面が外れそうな勢いで、アンジュが激しく手を上げる。


「はい!はい!はいっ!

私!私!私にやらせてください!」


その激しい勢いに驚いて団長が答える。


「おお!赤い仮面の嬢ちゃん、威勢がいいな?

相手はあんな大物だが、大丈夫なのかい?」

「はい、大丈夫です!」

「じゃあ、頼んだぜ!?」

「はい!お任せください!」


そう言ってアンジュは呪文を唱え始める。


「トリーデク・プロセント・フラーモ・・・」

「ん?30%火炎呪文?」

「そんな程度で大丈夫か?」

「いや、あれを見ろ!」


アンジュが呪文を唱えると同時に、その前にブワッ!と大きな魔法陣と大火球が出現し、発射体勢となる。

それを見た団員たちが驚きの声を上げる。


「うおっ!」

「なんだありゃ!」

「でかい!でかいぞ!」

「何?あの大きな魔法陣は?」


俺も驚いてアンジュに声をかける。


「馬鹿ッ!アン・・・じゃなくて7号!

もう少し手加減をしろ!」


しかし遅かった!

その膨れ上がった巨大火球が発射される。


「パーフォ!」


発射された巨大な火球がギュイーン・・・と突き進み、途中の木々を黒焦げにしながら巨大なアダマンタートルに向かう!

何しろアンジュの魔法の検証実験で、森を消滅させた時の、3倍以上の威力だ!

しかもあの時よりもレベルはさらに上がっている!

それを見た火炎激愛団の団員たちも驚く。


「うおおおおっ!」

「何じゃありゃ~?」

「あんなのあり?」

「でかいっ!でかいぞっ!」

「いや、でかすぎるわいっ!」


そしてその大火球が正面から魔物に命中する!


ズガーン!ドゴーン!ズゴゴゴ・・・・


標的のアダマンタートルはおろか、その周辺一体が消し炭となって、火炎激愛団の面々も唖然とする。

大火球は巨大な亀を即座に蒸発させて、周囲の木々を消し炭にし、焦がし、あまつさえ後ろにある山の半分ほどを溶かして溶岩と化し、その何分の一かをジュウジュウと蒸発させてようやく消滅する。

目の前にあった森は無くなり、アンジュの前から山までの間は黒々と焦げた道が出来る。

しかも遠くの山の半分ほどは溶けて溶岩化している!

うっわ~!山がもっと近くだったら溶岩がこっちまで押し寄せる所だったよ!

全くとんでもない奴だ!

それにしても、こいつ・・・また地形を変えやがった!

しかも今回は山まで削っちゃったよ!

文句を言われたらどうしよう?

派遣された計測員たちも、あまりの出来事に口を大きく開けて唖然として、計測の手が止まっている。

溶岩と化した山の熱風の余波がこちらにまでやって来て、サウナかと思うほどだ!

しかしそれを見た団員たちが口々に騒ぎ立てる。


「おいおい!凄いな!嬢ちゃん!」

「30%の火炎魔法で、あの威力か!」

「とんでもない嬢ちゃんだな!」

「全くだ!

この若さであの威力!

もう、うちの次期団長でも良い位だぜ!」

「こりゃ是非うちに入ってもらいたいな!」

「ああ、入団したら即、団長補佐だ!」


凄まじいまでの大火球を放ったアンジュは団員たちに大人気だ!

あれ・・・?

全員地形を変えちゃった事は気にしないのね?

雇い主に対して問題はないのかな?

しかしその事に関しては誰も気にしない様子だ。

先ほどまでは驚いていた計測員たちも、今では通常に戻り、何事もなかったかのように、テキパキと魔物の数を数えている。

プロだね?この人たち・・・

グスタフ団長もうなずいて、前回に俺を誘ったようにアンジュを勧誘する。


「全くだな!どうだい?嬢ちゃん?

正式にうちの団員にならないか?

ちょうど団長補佐の枠は一人空いている。

うちの団員になったら、本当にその場で団長補佐にしても構わないぜ?」


おいおい!アンジュ!

こんな有名で大きな戦団ブリガードに、いきなり団長補佐で入団勧誘されるとは凄いな?

アンジュがこのまま「はい」とか言ったらどうしよう?

しかしアンジュはグスタフ団長の誘いを丁寧に断る。


「いえ、せっかくのお誘いありがたいのですが、私はすでに別の戦団ブリガードに属しておりまして、そこを離れる訳には参りません。

今回も自分がどれほど火炎魔法が撃てるかを試してみたくて参加したものですから・・・」

「そうか?そりゃ残念だな?

しかし、うちはいつでも飛び入り大歓迎だから、正式な団員じゃなくても構わないから、また機会があったら是非参加してくれ!」


他の団員たちも熱心にアンジュを誘う。


「ああ、頼むぜ」

「嬢ちゃんなら大歓迎だ!」

「私も痺れたわ」

「いつでも参加してくれよな!」

「待っているぜ!」


その団員たちの言葉にアンジュも嬉しそうに答える。


「はい、皆さん、ありがとうございます。

私も今回が初参加ですが、この火炎激愛団はとても気に入りました!

正規の団員にはなれませんが、これからも「心の団員」として参加させていただきます」

「おお、「心の団員」か!そりゃいいな!」

「うむ、歓迎するぞ!心の団員よ!」

「おお!心の団員よ!」


心の団員よ!って・・・そんなどっかのガキ大将の「心の友よ!」じゃないんだから・・・

しかし団員のみんなはその言葉が気に入ったようだ。

心の団員、心の団員と、みんなで連呼している!

火炎激愛団のミッション初参加で、アンジュはいきなり団員たちに気に入られたようだ。


「やれやれ、色々と凄いな、アンジュは・・・」


一人でそう呟きながらも、アンジュと団員たちの交流に感心した俺は少々休憩しようと、休憩所で飲み物を飲む。

そこにはシルバーマスクの爺様がいて、椅子に座って休んでいた。

その周囲にはいつもの銀の仮面をつけた黒服護衛が数人いる。

やはりこの爺様も今のアンジュの火炎魔法を見て感心したようだ。


「ふぉっふぉっふぉ・・・それにしてもあのお嬢ちゃんは凄いのう・・・

見ていて清々しいほどじゃわい」


あれ?この笑い方!

そうだ!思い出した!


「え?その笑い方・・・ひょっとしてミヒャエルなの?」


その俺の言葉に、相手は明らかにギクリ!として俺をまじまじと見る。

シルバーマスクの周囲にいた、護衛の銀色仮面軍団も、俺に対してサッ!と身構える。

怪しげな銀色の仮面と、同じく怪しげな赤い仮面の者同士がお互いに見つめあった後で、銀色の仮面が呟く。


「!、御主、シノブか!」

「うん、そうだよ?

でも何でミヒャエルがこんな所にいるの?」

「余は単なる気晴らしできているだけじゃ。

何しろ総督という仕事も結構気が張るのでのう。

たまの息抜きみたいなものじゃ。

何も考えずに魔法を撃つのは中々楽しいのでのう。

だからたまにこの戦団ブリガードに参加しておるのじゃ。

御主こそ何で来ているのじゃ?

自前の戦団ブリガードを持っておるくせに?

それにもうてっきりマジェストンへ行ったと思っておったわ」

「いやあ、ちょっと人待ちで、まだこっちにいるんだ。

今日参加したのは、ミヒャエルと同じで気晴らしかな?

何も考えずに、ただ魔法を撃ちたくて・・・」

「さようか?

まあ、今日の事はお互い内密にな?

一応団長にだけは余の正体は言ってあるが、他の者には言わんでくれよ?」

「うん、ここでの僕たちはあくまで「シルバーマスク」と「赤影」って事で」

「そうじゃな」


シルバーマスクの正体はミヒャエルだったのか?

まあ、前回会った時はまだミヒャエルと会う前だったし、まさか総督閣下がこんな物に参加しているとは思わなかったよ!


そして一通り魔物を掃討すると、みんなで魔物たちが落とした品物を拾う。

アンジュが火球を放った焦げた辺りにも結構品物が落ちているようだ。

そのうちの一つを拾った団員がグスタフ団長に持ってくる。


「団長、こいつは何ですかね?

俺は初めて見るんで、何だかわからないんですが・・・?」


その棒のような物をしげしげと見たグスタフ団長が驚いて叫ぶ。


「おっ!こいつはアダマンタクトか?」

「アダマンタクト?」

「すると、アダマンタートルの落とした物か?」

「あいつは滅多にブツは落とさないと聞きますぜ?」

「確かにそうだ」


受け取ったグスタフ団長がアンジュを呼ぶ。


「お~い、赤い仮面の嬢ちゃん!

これはアダマンタートルの落とした品物だ!

結構珍しいシロモンだぞ!

嬢ちゃんが仕留めた奴だから欲しいならやるぞ!」

「えっ!いいんですか?」

「ああ、そら」


そう言ってグスタフ団長がアダマンタクトをアンジュに渡す。

それを受け取ったアンジュが嬉しそうに礼を言う。


「ありがとうございます!

私、魔法の杖って大好きなんです!

しかもこんな珍しい杖がいただけるなんて!」

「そら、良かったな?

まあ、お前さんが仕留めた奴が落とした品物だ。

遠慮なくもらっておけや」

「ええ!私、これを機会に魔法の杖の収集を始めようかと思います!」

「そうか?」


どうやらアンジュは魔法好きであっただけでなく、魔法の杖好きでもあったようだ。

そういや以前にも木を削って自分で魔法の杖を作っているって言っていたな?


俺たちは無事にミッションを終えて帰途へついた。

組合広場へ到着すると、全員が馬車を降りる。

グスタフ団長が俺たちに声をかけてくる。


「よお!今日はあんたらも大活躍だったな!」

「どういたしまして!」

「例によって少ないが、これは報酬だ。

受け取ってくれ」

「はい」


そう言ってアンジュを除いた俺たちは銀貨3枚をもらう。


「おう、そのちっこいのも頑張ったな!」


明らかに人間ではないとわかる10号にも、グスタフ団長は銀貨を2枚渡す。


「ありがとうございます!」


小さな手で銀貨2枚を受け取って、ハムサビーこと、赤影10号が礼を述べる。

そしてグスタフ団長は下に隠れて見えないハムハムの事もねぎらう。


「下の奴も大変だったな?

その銀貨は二人で分けてくれや」

「いえ、下の者などおりませぬ!」

「そうか?まあ、それはどっちでもいいからまた参加してくれや」

「かしこまりました!」


やはりグスタフ団長は参加してくれれば誰でも問題はないようだ。

まあ、恐れ多くもロナバールの総督閣下すら気にせず参加させちゃう位だからな?

この人は中々大物だ。

そして最後にアンジュには大銀貨を1枚渡す。


「今回嬢ちゃんは大活躍したから上乗せだ」

「え?いいんですか?」

「おう、いいもん見せてもらったし、構わないさ!

・・・ええと、すまねぇ、嬢ちゃんの名前はなんだっけ?」

「仮面の魔法使い赤影7号です!」

「・・・すまん、俺には覚えられそうにないから、ナナちゃんと覚えておくぜ」

「わかりました」

「おう!じゃあ、これから宴会だが、あんたたちはどうする?」


グスタフ団長の質問に俺が代表して答える。


「残念ですが、我々はこれで帰ります」

「そうか!じゃあまた参加してくれよな!」

「はい、機会があれば・・・」

「おう、特にナナちゃんはな!」

「はい、御希望に沿うようにします」

「ああ、じゃあまたな!」

「はい」

「またな「心の団員」よ!」

「待っているわよ!心の団員!」

「じゃあな!心の団員よ!」

「はい」


どうやら団員たちは、かなりアンジュの事を気に入ったらしい。

相当「心の団員」という言葉が気に入ったようだ。

こうして俺たちは一日のミッションを終わり家へと帰った。

いつも通りにアルフレッドが俺たちを迎える。


「おかえりなさいませ、御主人様、皆様方」


しかし家に帰った俺たちを迎えたのはアルフレッドだけではなかった。


「やあ、お帰り!シノブ!エレノア先生!」

「お久しぶりです、エレノア先生、シノブさん、ミルキィさん」

「え?ああ!シャルル、ポリーナ、いらっしゃい!」

「はは、この格好の時はフレイジオと呼んでよ」

「わかった」


どうやらシャルルは無事にポリーナを連れて来たようだ。

しかしその格好は黒髪で、大きな伊達眼鏡をかけていて、俺ですら一瞬誰だかわからなかった!

この場所、この状況で声をかけられたのでなければ、誰だかわからなかったに違いない。

これならば正体を見破られることはないだろう。

そして俺たちはポリーナとの再会を喜んだ。

仲の良かったミルキィは特に嬉しい様子だ。

ポリーナはすでにシルビアを知っていたので事情を説明し、アンジュを紹介した。

これでマジェストンへ行く準備は全て整った!

いよいよ魔法都市へ向けて出発だ!


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