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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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305 キャサリンとその仲間たち

 意気投合した組合三馬鹿とキャサリンが組合の外へ出る。

どうやら本当にこの構成で迷宮へ向かうつもりのようだ。

まあ、組合せとしては剣士、戦魔士、戦魔士、戦魔士なので、迷宮へ行くのに確かに問題は無い。

それに三馬鹿はあれでも全員が正規の魔法士なのだ。

俺が見た限りでは戦魔士と言うよりも、剣の戦闘が主体のようなので魔戦士という感じだが、どちらにしても三人全員が魔法を使えるというのは珍しい。

だからあの三人が自惚れて調子に乗るのも理解は出来る。

そこに高レベルの戦士であるキャサリンを加えれば、単純に組合せだけを考えれば、本来ならば理想的とも言えるだろう。

しかしそれはあくまで各個人がその本来の能力を発揮出来るという前提があればこそだ。

だが、キャサリンが加わった時点で、それはほぼ不可能となった。


「ほほう?

本当にこの組合せで迷宮へ向かうつもりのようだね。

大丈夫かな?」


俺の言葉にデフォードが相槌を打つ。


「やれやれ、見る目が無いとは言え、可哀想な連中だ」


キャサリンは仲間たちと、組合前の馬車乗り場から森の入口行きの馬車に乗り、気前良く全員の馬車代を出して、迷宮へと向かった。

馬車の中での四人は和気藹々としていて、まるでこれからピクニックにでも行く感じだ。

キャサリンは三人にちやほやとされて、女騎士と言うよりも御姫様のような扱いで、三人はその護衛の騎士の様なつもりだ。

エレノアがその内容を解説する。


「三人はキャサリンをべた褒めですね。

 こんな美しいのに自ら迷宮へ行くとは素晴らしい、自らの高みを目指す組合員の自分たちとしてはそれに随行するのは当然だ、魔法の事は自分たちに任せて欲しいなどと言ってますね。

三人にちやほやされてキャサリンも御満悦です」

「なるほどね~」

「あいつら、実際に迷宮に行ったら腰を抜かすぜ?」

「はは、そうかもね?」


森の手前の終点で降りて、迷宮へ向かう間に、何回か魔物が出てくると、すぐさまキャサリンが飛び出して、その魔物を一撃で退治する。

魔物を倒すたびに、キャサリンは得意げだ。

もっともこの四人の中では、一応レベルだけで考えればキャサリンが圧倒的に飛びぬけているのだ。

一撃だけの攻撃力のみを言えば、間違いなくこの中では最強だろう。

仲間になった連中も感心して褒め称えている様子だ。

その様子を見て俺も笑う。


「ははは、なかなか、頼もしいじゃないか?」

「ここまではね、迷宮に入ってからが問題ですぜ?大将」

「そりゃそうだ」


森の魔物などはたかが知れている。

今のキャサリンのレベルなら簡単に倒せるだろう。

それを自慢げに倒しているキャサリンも情けないが、それに感心して褒め称えている仲間たちも正直言って大した連中ではないのはわかる。

もっともキャサリンが美人なので、単に気を惹きたいだけなのだろう。

まあ、三馬鹿だしね。


いよいよ迷宮に入って数回戦うと、予想通りにキャサリンは仲間ともめだした。

ここに至って、さすがの三馬鹿もキャサリンの戦い方に問題がある事がわかったようだ。

魔物に向かって行って切ったはいいが、その勢いで仲間をザックリと切ってしまう。

仲間が魔物と戦っているにも関わらず、その仲間ごと魔物を切ろうとする。

一人で魔物の群れに突っ込んで行って、こちらの攻撃の邪魔をする・・・などなどだ。

そのキャサリンの無謀な戦い方に文句を言って、キャサリンのせいで、傷ついた仲間を何とかしろと言っているようだ。

そりゃ魔物と戦って魔物に傷つけられたのならともかく、仲間であるキャサリンに切られたのではたまらないだろう。

うちの連中が無傷でいられたのは、全員がレベル100以上の者たちばかりだったからだ。

レベルが30半ば程度の連中では、たまったものではない。

しかもキャサリンのレベルは50を超しているのだ!

仲間の三人は、魔物よりもキャサリンの攻撃を避けるのに必死だ!

文句を言われたキャサリンは渋々と俺が渡した回復剤や治療薬、毒消しを使っている。

エレノアが説明する。


「キャサリンがあまりにも無謀な動きをするので、3人は戦いは自分たちに任せて、キャサリンは後方で見学だけしているようにと言っています。

キャサリンは渋々と従いました」

「まあ、それが妥当な指示だろうね」


キャサリンを後方において、3人は自分たちだけで戦い始めた。

この3人の連携はそこそこで、俺たちが見ていても十分見本にはなった。

全員が正規の魔法士で戦魔士なので、魔法と剣技で連携し、魔物を倒す。

迷宮での戦闘は意外にも優秀なようだ。

思ったより迷宮での戦闘が上手な三人に俺は感心する。


「へえ?この連中の連携は中々だね?」

「ああ、六級にしては大したモンですな」

「ええ、普通に考えれば十分参考になりますね」


俺の言葉にデフォードとシルビアも同意する。

しかし2回も見学すると、キャサリンは我慢できなくなったらしく、またもや手を出し始める。

俺たちと一緒の時と同じだ。

3人が止めても言う事を聞かない。

そして連携は出来ず、仲間を傷つける。

見学しても何も成長していないのだ。

その後も何回か戦ったが、どれほど苦情を言っても、キャサリンの戦い方は変わらず、結局別れる事になったようだ。

流石の3人組もお手上げらしい。

やはりキャサリンには仲間と連携して、一緒に戦うという事が理解できないらしい。


「三人はキャサリンと別れる事にしましたが、少々未練があるようですね。

迷宮での行動はともかく、キャサリンの見てくれが良いので、仲間からはずすのは惜しいと考えているようです。

しかし流石にこれ以上は体が持たないと見て、別れる決意をしたようです。

それでも今後また何かで組む事を考えたのか、あまり事を荒立てず、無難に別れる事にしたようです」

「はっ!あんなのでも惜しいかね?」

「まあ、見てくれはいいからね?

そこが惜しいんじゃないの?」


俺の言葉にシルビアが一言辛らつに呟く。


「馬鹿ですね?」

「うん、やっぱり三馬鹿だ」


一応迷宮の外まで一緒に行って、稼いだ分をある程度分けると、その連中はキャサリンと別れた。

多少未練があったとは言え、やはり三人はキャサリンと別れた事をホッとしているようだ。

う~む、あの3人にすら手におえないとは・・・

ある意味キャサリン、恐るべし!

デフォードも呆れたように感想を述べる。


「まあ、予想通りだわな」

「そうだね」


その後、一人になったキャサリンは森を抜け、馬車で総合組合に戻ると、売店で回復剤や治療薬を多少買い込んで、再びデパーチャーで勧誘を始めた。

その姿を見て、俺はふと疑問に思った。


「また勧誘か・・・しかし、どうして一人で迷宮に行こうとは考えないのだろうか?

自分でもあれほど一人で十分だと言っていたのに?」

「そうですね、レベル的にも浅い階層なら十分一人で戦えると思うのですが・・・」


ミルキィもうなずいて同意する。

キャサリンのレベルと装備ならば、本来ミノタウロスが相手でも楽に倒せるはずだ。

実際にはそこまではむりだろうが、鎧ムカデ程度までならかなり楽に倒せるだろう。

ならば一人で迷宮に入るのも、浅い階層ならば、それほど無謀ではない。

しかし俺とミルキィの疑問にエレノアが答える。


「それはキャサリンの性格に起因していると考えられます」

「性格?」

「はい、あの子はわがままで自信過剰ではありますが、同時に臆病でもあります。

また派手好きで、自意識過剰な誇大妄想家でもあり、常に集団の中心として崇め立てられ祭られなければ気がすまない性格です。

ですから例え相手が弱くとも、一人で相手になるのは怖く、そして誰かに自分の事を自慢する為、褒め称えてもらう為にも一人ではいられません。

それゆえに仲間を探すのです」


エレノアの説明に俺や、そこにいた一同全員が納得する。


「なるほど、確かにそうだねぇ・・・」

「私もエレノアさんの分析は的確だと存じます」

「けっ!全く難儀なアマだぜ」

「改めて説明されると、どうしようもないですね・・・」

「ああ、確かにあの娘はねぇ・・・」

「娼館にもそういう子はいたけど、あの子は極端ね」

「一体今まではどうしていたのでしょうか?不思議です」


俺たちの感想が聞こえる訳もなく、キャサリンは勧誘を続けているが、さきほどとはまた勧誘の仕方が違うように見える。

話している相手の登録証が、先ほどまでは全員青銅等級ブロンズクラスか、陶器等級ポッタークラスの登録証だったが、今度は全員木片等級ウッドクラスの登録証の連中だ。


「おや、またさっきと違う勧誘をしていないかい?」

「はい、先ほどは自分と同じ程度のレベルの人たちか、少々下程度を勧誘していましたが、今度はかなり下のレベルをくどき始めたようです」

「下のレベル?何でまた?」

「おそらく自分の言い分を通すためでしょう。

先ほどのように対等の状況にすると、相手の言い分を聞かなければならないし、キャサリンにとって、それは面倒な事なので、レベルの低い相手を探せば、自分の言い分が全て通ると考えて方針を変えたのでしょう。

しかし、自分よりこれほどレベルが低い相手と組む事は、彼女の自尊心を激しく傷つけるので、プライドの高い彼女にとっては大幅な譲歩だと考えられます」

「大幅な譲歩ねえ・・・」

「はい、事実、先ほどまでは相手に頼み込むような形でしたが、今回は自分が仲間になって鍛えてやっても良いという言い方をしています」

「そりゃずいぶんと大きく出たね?」

「詐欺同然ですな」


確かに今のキャサリンのレベルは51で、組合の等級で言えば、四級だ。

しかし実際のキャサリンの実力は、組合で言えば、せいぜい六級が良い所で、下手をすれば八級かも知れない。

その程度で相手を鍛えてやるとは恐れ入る。


「ええ、実際、彼女は今度は自分がリーダーになる事を条件に勧誘をしています。

なまじ、レベルは高く、格好も女騎士然としているので、何組か声をかければ、木片等級ウッドクラスであれば、騙される連中は間違いなくいるでしょう」


やがてエレノアの予想通り、キャサリンの勧誘に応じたグループが出てきた。

木片等級ウッドクラスの四人組だ。

キャサリンは大喜びで、新しく仲間になった連中と迷宮へと向かった。

首から下げている組合員の登録証は木の板で●や○、下の線は全員赤なので、おそらく全員が魔法を使えない。

つまり、九級と十級の戦士で、レベルはせいぜい20から25程度だろう。

間違いなく組合員になりたての木片等級ウッドクラスの迷宮初心者だ。

おそらくは組合員になって半年も経っていないだろう。

一般人ならば、腕っ節の強い方だろうが、迷宮探索者としては明らかに初心者だ。

当然の事ながら経験も浅く、まだ迷宮探索の何たるかもわかってないに違いない。

その新しい仲間を連れて、キャサリンは再び迷宮へと向かった。

しかし今回は先程と違って、明らかに仲間の組合せが悪い。

一体、どうなるだろうか?


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