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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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296 女奴隷キャサリン

 バーゼル奴隷商館からの帰り道で、キャサリンは大喜びだった。


「キャッホー!やった!

 狙っていた御主人様に買ってもらえて!

 やっぱり噂通り!

 積極的に売り込んで良かった!」

「え?噂どおり?」


キャサリンの言葉に俺は驚いた。

一体何が噂通りなのだろうか?


「はい、エルフを連れた紺色の服を着た少年の御主人様は、使用人にやさしくって、特に女奴隷にはやさしいって噂です。

 だから私、その噂を信じて、御主人様が来るのを待っていて、今日まではおとなしくしていたんです。

 それで今日御主人様が来た時に、ここぞと思って自分を売り込んだんです!」


そんな噂になっていたのか・・・なるほど、要領が良いというのは本当のようだ。

アルヌさんが、この奴隷はいつもはおとなしいのに、今日に限って売り込んできたというのは、そういう事だったのか?

つまり今回の事は単なる偶然ではなく、俺はこの娘に最初から狙われていたという事か?

う~ん、これは確かに予想外だったな・・・

しかしシルビアの件で、町の噂になっているのは聞いていたが、奴隷商館でもそれほど話題になっているとは知らなかった。

俺はミルキィとシルビアに聞いてみた。


「そんな噂になっていたの?」

「いえ、私がいた時にはそんな噂は聞いていません」


ミルキィはそれほど長く奴隷商館にはいなかったし、エレノアを購入してからそれほど日も経っていなかっただけに、そんな噂は聞いていないようだ。


「私は奴隷商館にいたのは短い期間でしたが、エルフの奴隷を連れた少年は、奴隷にやさしいという話を奴隷たちがしていたのは聞きました。

おそらくそれがシノブ様の事ではないかと予想はしていましたが」


シルビアが奴隷部屋にいた時は多少噂になっていたようだ。

確かに少年で、エルフを奴隷にしている人間など他にはいないだろう。


「ふむ、じゃあ噂が広がったのは、この制服を作ったせいかな?」


俺が尋ねると、シルビアがうなずいて答える。


「それもありますが、どちらかと言えば、私を金貨千枚で競り落としたせいが大きいでしょう。

やはり珍しい事でしょうから・・・」

「なるほど、その話も聞いているのか?キャサリン」


俺の質問にキャサリンは得意げに答える。


「ええ、それはもちろん奴隷女の間では有名ですよ?

御主人様は奴隷女の間では、王子様か救世主のような扱いです。

町でも貧乏人と結婚するくらいなら、エルフの奴隷を連れている若い男を捕まえて奴隷になれってね。

本当に大正解でした!」

「そうか・・・」


魔法服装店のスペンサーさんからも、似たような事を聞いたが、奴隷商館でもそんなに噂になっているとは知らなかった。

そうとは知らずに、今回はうっかりしていたかも知れない。

これは次からはよほど考えて奴隷を選ばないとな。

懇願される度に奴隷を買う訳にもいかない。

そんな俺の心を知らずに、キャサリンがシルビアに話しかける。


「あなたがその金貨1千枚で、競り落とされた奴隷ですか?」

「え?ええ、そうですよ」

「ふ~ん、私と同じような境遇なのに運がいいんですね?」

「え?えぇ・・・?」


運がいい?

奴隷になったのが運が良いとは・・・

確かにあんなわがまま貴族令嬢や、やくざの若僧に競り落とされる事を考えれば、運は良かったとも言えるが、この娘の言い方は何か違う気がする。

キャサリンの意表をついた言葉に、シルビアも返事に困っているようだ。

しかし似たような境遇とは気にかかる。


「そういえば、君は何で奴隷になったんだ?」

「え?ああ、私のパパが事業に失敗して逃亡してしまったんです。

そこで一応名義上は私が共同経営者で、保証人と言う事になっていたので、私が借金を肩代わりする事になったんですが、全然足りないので奴隷として売られました!」

「そうか・・・」


確かに奴隷になった経緯はシルビアに似ている。

しかし娘を置いて逃げてしまったとは何とも情けない父親だ。

そこはシルビアの父親とは全然違うな。


そんな話をしながら家に帰って来て、玄関を開けて入ると、何やら中が騒がしい。

どうもペロンが騒いでいるようだ。

珍しい事もあるものだと思った。

俺はどうしたのかとアルフレッドに聞いてみた。


「どうしたんだい?

アルフレッド?」

「それが・・・先ほどから寝ていたペロンが突然飛び起きて騒ぎ始めまして・・・

私にも訳がわからないのです」

「ペロンが?」

「ええ、何でも凄く嫌な匂いのする物が近づいて来ると言って、大騒ぎをしているのです」

「嫌な匂いのする物?」


俺はペロンに何事が起こったのか聞いてみようとペロンを呼ぶ。


「おーい!ペロン!」


俺に呼ばれたペロンが、目の前に来ると、キャサリンを指差して大声で騒ぎ出す。


「この女ニャ!

 この女が匂いの元ニャ!」

「え?匂い?」

「御主人様!

 この女は物凄く悪い匂いニャ!

 ペロンが生まれてから嗅いだ事がないほど嫌な匂いニャ!」

「ええ?この女って、このキャサリンの事かい?」

「名前なんてどうでもよいニャ!

 この女をこの家に入れないでくださいニャ!」


こんなに興奮しているペロンを俺は初めて見た。

しかし、いきなり買って来た者を家に入れるなと言われても困る。


「え?そうは言っても、このキャサリンは今奴隷として買って来たばかりなんだ。

 それをいきなり入れないでと言われてもなあ・・・」

「その女をこの家に入れちゃダメにゃ!

とんでもない事になるニャ!」


そのペロンを見て、キャサリンが面白そうに話す。


「あら、これは喋る猫なんですか?」

「ああ、これはケットシーのペロンと言って、猫の妖精だよ。

うちの同居人なんだ」

「まあ、可愛い!

 私、猫好きなんですよ!」

「そうかい?」

「仲良くしましょうね?

 え~と?ペロンちゃん?」


キャサリンが近づくと、ペロンは睨みながら後ずさりをして叫ぶ。


「近づくニャ!

 それ以上ボクに近づくんじゃニャい!」

「ええ?いいじゃない?

 ほらあ~!」


そう言ってキャサリンがペロンにさらに近づくと、ペロンが絶叫する。


「アニャ~~~ッ!!!」


叫ぶペロンに構わずに、キャサリンが強引にペロンを抱きしめる。


「は~い、可愛いネコちゃんでしゅね~」


そう言ってキャサリンがペロンを抱き上げると、ペロンが白目をむいて、ガックリと気絶する。

ダランとなったペロンを抱きしめながらキャサリンが不思議がる。


「あら?この猫ちゃん、どうしたんでしょう?」

「さあ?こんな事は我々も初めてだからわからないな?」


ペロンは今までうちの誰に触られても、抱きしめられても御機嫌で、まさに猫のようにゴロゴロと喉を鳴らしていたものだ。

俺やエレノアたちはもちろんの事、あのデフォードにすら懐いていたのだ。

今までペロンが嫌がったのは、カラバ侯爵くらいなものだが、それだってこれほど凄い剣幕ではなかった。

それにカラバ侯爵は最初から嫌な奴だったが、この娘はそんなに悪い印象がある訳ではない。

せいぜいずうずうしいお調子者に見える程度だ。

ペロンがキャサリンにこんな反応をする理由がまったくわからない。

一体、何がどういう事なのだろうか?


「まあ、仕方がない。

 ペロンはそこに寝かせておいて、とりあえずうちの者を紹介するよ」


そう言って、俺はキャサリンからペロンを受け取ると、近くにあったソファにそっと寝かせる。

そして俺は家にいたアルフレッドとキンバリーたちにキャサリンを紹介し始めた。


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