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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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290 カラバ侯爵1

 サクラ魔法食堂は順調な出だしだった。

俺もしばらくの間は店主として玄関で働く事にした。

すでに開店して1週間が経ったが、まだまだ店は大混雑だ!

他の支店も再開したとはいえ、この本店を目指して来る客は多い。

その日も開店と同時にうちの店は混み合って、待ち行列が出来ていた。

そんな時、あるちょっとした事件が起きた。


「ほほう?ここか?その食堂とやらは?」


いきなり供を数人連れて入って来た客を見て、ちょうど玄関にいた俺が声をかける。


「あ、お客様?

現在、御席の方は満席でございまして、申し訳ございませんが、あちらで並んでお待ちいただく事になっております」

「並べだと?いや、その必要はない」

「ですが、皆様並んでお待ちいただく事になっておりますので」


しかしこの男は俺の言う事に聞く耳を持たない。


「無礼な!貴族たる私にたかが食べるために並べだと?

まあ、しかしそんな必要もない。

私はこんな下品な店に食べに来た訳ではないし、今日からここは私の店になるのだからな。

そうすれば少々私の口にも合う食事が出せる店になる事だろう」

「は?」


相手が一体何を言っているのかわからない俺は尋ねた。


「それは一体どういう事でしょうか?」

「頭の悪い奴だな?

そんな事では私の店では雇っておけないぞ?」

「一体、なぜこの店があなた様の物なのですか?

そもそもあなたはどちら様ですか?」


その俺の言葉を聞くと、この男はいかにも驚いて、イライラとした感じで答える。


「何?この私を知らぬのか?

このロナバールで私の事も知らずにのうのうと暮らしておるとはな?

全く、これだから下賎の者は・・・

まあ良い、今日は気分が良いので許してやろう。

よく聞けよ?私の名はカラバ侯爵だ。

これを機会によく覚えておけ!

もっとも貴様のような庶民の小僧が私に会う事など、もうないかも知れぬがな」


何を言っているんだ?こいつは?

頭がおかしいのか?

そもそもお互いに会った事もない人間同士で、どうして相手を知っていると思えるんだよ!

しかし格好といい、左右に供らしい者を連れているのを見ると、どうやら貴族と言うのは本当のようだ。


「それで?

この店がなぜカラバ侯爵様の物になるのですか?」

「全く頭の血の巡りの悪い奴だな!

とにかくお前のような小僧では話にならぬ!

店主を呼べ、店主を!」


どうやらこの侯爵様は店主と話がしたいようだ。

ここで俺が名乗りを上げる。


「私が店主のシノブ・ホウジョウですが?

それで?

なぜこの店があなたの物なのか、説明していただきましょうか?」

「なにっ?お前のような小僧がここの店主だと?

本当なのか?」


その完全にこちらを馬鹿にした態度に、こちらもまともに対応するのが馬鹿馬鹿しくなってくる。

次第に俺も相手の扱いがぞんざいになってくる。


「ええ、そうですよ。

それで?

どうしてこの店があなたの物なのか、説明していただけませんか?

こちらも暇ではないので」

「ぬう・・・無礼な!

まあ良い、こちらも話を早く進めたいから許してやろう。

なに、最近この店がえらく繁盛していると聞いてな。

しかし悲しいかな平民が経営していて、誰も貴族の後ろ盾がないと聞く。

だから哀れに思った私がその後ろ盾になってやろうと考えて、ここの店主になるべく、こうして来てやったわけだ。

その上、ここはケット・シーが関係してる店とも聞く。

ならば「猫の侯爵」たる私が関わるのは当然という訳だ。

わかるな?」


全然わからんわいっ!

一体、こいつの頭の中身はどうなっているんだ?

最初の頃のグレイモンもそうだったけど、貴族っていうのは、こういう頭がおかしいのが結構いるのか?

大体、「猫の侯爵」って一体何の事だ?


「は?別にうちはそのような後ろ盾は要りませんが?」

「やかましい!

帝国名門貴族たる、この私が店主になってやると言うのだ!

おとなしく店を譲れ!

そうすればお前は今まで通りに使ってやる事にしてやる!」


何だかもうこいつの事はどうでも良くなって来たが、俺は興味本位にこいつに聞いてみた。


「はあ・・・もしこの店を譲るとして、一体いくらでお買い上げするつもりで?」


その俺の質問に、このカラバ侯爵とやらは不思議そうに答える。


「ん?何を言っておる?

わざわざ私が譲り受けてやるのだ。

しかもこの低俗な店を、私の手で上品に作り変えてやろうと言うのだ。

金銭のやり取りなど、ある訳がなかろう?

お前を追い出さぬだけ、ありがたいと思えよ?」


はい~~?

おいおい!タダでこの店を譲れ・・・いや寄越せって言うのかよ!

もう、だめだ!

堪えられない!

隣でこいつと俺のやり取りを聞いているクレインも呆れ返った様子だ。

俺はクレインと顔を見合わせると、お互いに無言でうなずいて、コイツを追い出しにかかった。


「そのような事は必要ありません。

どうかお引取りください」

「は?お前今、何と言った?」

「聞こえませんでしたか?

ただちにお引取りくださいと言ったのです。

それも今すぐに!」


この手の奴に遠まわしに言っても意味はない。

俺はこれ以上ない位に簡単に要点を言った。

しかし相手は俺の言葉に相当驚いた様子だ。


「なななな!

どういうつもりだ!貴様!」

「今言った通りです。

当店としては、あなた様に用はないので帰ってください。

そしてこれ以降、この店には来ないでください。

客として来ても御断りいたします」


こんな奴が客として来てもロクな事をする訳がない。

最初からこいつは出禁だ。

その俺の言葉を聞いたカラバ侯爵は驚いて叫ぶ。


「貴様!誰に向かって物を言っているのか、わかっておるのか?」

「カラバ侯爵様でしょう?

わかりましたからもう帰ってください?

帰らないなら他のお客様方に御迷惑ですから、こちらで強制的に店から出ていただく事になりますよ?」

「迷惑?私が迷惑だと?」

「そうですよ。

大迷惑です。

だからとっとと帰ってくださいと言っているんです」


その俺の言葉にカラバ侯爵とやらはワナワナと震え始める。


「貴様、何を言っておる?

このような店、帝国貴族たる私が奪い取ろうと思えばいつでも奪い取れるのだぞ?

それを穏便に話をしてやった私に感謝するどころか、迷惑などと・・・

小僧、貴様頭がおかしいのか?

もう我慢ならん!

このような店、即座に私が奪い取って、貴様などクビにしてやるわ!」


頭がおかしいのはどっちじゃい!

貴族とはいえ、こんな奴の相手などしていられない。

これ以上言いがかりをつけて来るなら、本当に実力で排除してやろうかと俺は考えた。

すると、店の奥からペロンがやって来た。

今日もペロンはここにプリンを食べに来ていたのだ。


「御主人様、ニャンだかこっちから変な匂いがするので来てみたニャ。

それのおかげでせっかくのプリンがおいしくないのニャ」

「え?変な匂い?そうなの?」


俺が驚いていると、カラバ侯爵とやらがペロンに機嫌良く話しかける。


「これはケット・シー殿!

御会いできて光栄です。

私はカラバ侯爵です。

本日はあなた様をお迎えに上がりました」

「ボクの名前はペロンにゃ。

お迎えに来たって言うけど、君はボクに何の用事があるのかニャ?」

「いえ、本日よりここの店は、私の物になる事に決定いたしました。

つきましてはペロン様にはこのままここに居ていただくか、私の屋敷へ来ていただくかしていただこうかと・・・」

「何でボクが君の屋敷にいかなきゃならないのニャ?」

「はい、実は私めは「猫の侯爵」と呼ばれておりまして、代々ケット・シーを家に擁する家系の者でございます」


その侯爵の言葉にペロンが驚いたように話す。


「え?「猫の侯爵」?ひょっとしてシャロンがいた所かニャ?」

「おお!シャロンを御存知ですか?」

「もちろん知っているニャ!

シャロンと僕は友達なのニャ。

シャロンが言ってたニャ。

猫の侯爵と言う貴族の所にずっといたんだけど、今までの当主たちはみんな良い人だったのに、今度の当主は嫌な匂いでたまらないから逃げて来たと言っていたニャ。

君がその当主なのかニャ?」

「は、はあ・・・確かに私が現当主ですが・・・」

「シャロンの言った通りニャ!

こんな匂いの人間にはこの食堂に来て欲しくないニャ!

せっかくのプリンがまずくなるニャ!

プリンがまずくなったのは君の匂いのせいニャ!

早くここから出て行って欲しいのニャ!」

「なななな・・・・」


ズケズケと話すペロンの言葉にカラバ侯爵は動揺を隠せないようだ。

どうやらシャロンと言うのはペロンの友達のケット・シーで、この侯爵の家がイヤで出て行ったようだ。

話からすると、どうもこの侯爵は、そのシャロンとやらの代わりに、ペロンを自分の家に取り込みたい様子だ。

ここでクレインも慇懃に対応する。


「うちの名誉店主もこう言っております。

カラバ侯爵様?

ここはどうかお引取りを・・・」

「名誉店主?」

「はい、そちらのペロンはこの店の名誉店主でございます」

「そうニャ、ボクはこの店の名誉店主なのニャ!

だからこの店のお客さんたちにはおいしく食べて欲しいのニャ!

でも君がいると変な匂いで料理がまずくなるからいなくなって欲しいのニャ」

「そそそそんな・・・・」


俺たちがそんな問答をしていると、そこへミヒャエルがやって来る。

ミヒャエルはこの店が開店して以来、今の所、皆勤賞だ。

俺はミヒャエルに気づくと、カラバ侯爵とやらを無視してミヒャエルを迎える。


「あ、いらっしゃい!」

「よう、シノブ!

今日もまた来たぞ!」

「あはっ、ミヒャエル!また皆勤賞だね?」

「ああ、余もここの食べ物を一通り食べないと気が済まぬからな。

うちの料理長には悪いが、しばらくの間は昼はここで食べる事になるわい。

ん?カラバ侯爵ではないか?

どうしたのじゃ?」


突然のミヒャエルの登場に、流石のカラバ侯爵とやらも控える。


「こ、これは総督閣下!

まさかこのような場所で御会いするとは・・・」

「ほう?侯爵もこの店に昼を食べに来たのかの?」

「は?いえ、私はそのような訳では・・・

このような下賎な店に、私の口に合う料理などがあるとは、とても思えませんので・・・」


その言葉を聞いてミヒャエルが少々ムッとして質問をする。


「ほう、では何用で、ここに参ったのかな?」

「それはですね、こちらの店を私の庇護下に置こうかと考えまして・・・」

「庇護下?」


不思議そうに尋ねるミヒャエルにカラバ侯爵が機嫌よく説明をする。


「ええ、最近、この店は中々評判が良いと聞きました。

しかし所詮は低俗で下賎な庶民が経営をしている店との事。

そこで今後はこの店を私の物にして、運営をしていこうかと。

それなのにこの小僧めが、事もあろうに私に逆らいよりまして・・・」


そう言いながらカラバ侯爵は俺の事を忌々しそうに睨みつける。

しかし、そのカラバ侯爵の言葉にミヒャエルが驚いて俺に尋ねる。


「なにっ?どういう事じゃ?シノブ」

「どうしたもこうしたも聞きたいのはこっちなんだよ。

たった今、このカラバ侯爵とか言う人が突然やってきて、いきなりこの店を寄越せって言い始めたのさ。

しかも無料でね」

「何じゃと!?」

「逆らえばこの店を強引に奪い取って、ボクをクビにするんだってさ」


俺は相手が言った事をそのままミヒャエルに伝えた。

その説明を聞いたミヒャエルが、これ以上はないほどに驚いてカラバ侯爵に詰問する。


「なにぃ~??

おい、カラバ侯爵!今のは事実か?」


そりゃ自分が通っている店に変な横槍が入ったとなれば驚くよな?

さて、このカラバ侯爵とやらは、ミヒャエルにどう答えるつもりなのだろうか?


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