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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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258 驚きの土産

 持ってきた土産物のうち、最初に見せた物は、まず望遠鏡だ。

何と言っても、これが一番の目玉だ。

俺は伸縮式の30倍望遠鏡と10倍単眼鏡の二つを出した。

結局、考えた結果、双眼鏡はやめて、この二つにしたのだ。

双眼鏡は構造が複雑だし、説明を求められた時に面倒だったからだ、

それに倍率も望遠鏡の方が高いので、単純にそちらの方が喜ぶだろうと思ったからだ。

一応、もっと倍率の高い双眼鏡もないではないが、それは数が少ないので、あまり世間に出したくない。

30倍の伸縮式望遠鏡は鏡筒が三段の真鍮製で、一番外側の筒には牛皮が張ってある、なかなか見栄えも良い代物だ。

単眼鏡の方は白銅製で、片手でも扱いやすい。

両方とも専用のケースに入っていたので、俺はそれを出して見せる。

それを見た総督閣下が俺に不思議そうに尋ねる。


「これは何じゃな?」


どうやら望遠鏡を見るのは初めてのようだ。

俺は土産物の説明を始める。


「これは両方とも望遠鏡の一種でございます」

「ボーエンキョー?」


やはりエレノアやデフォードの言った通り、望遠鏡はこの世界には存在しないらしい。

眼鏡はあるのだから誰かが作っていても良さそうな物だが、まだそこには考えが至らぬらしい。

三人とも何が何だかわからないといった様子だ。


「望遠鏡とは遠眼鏡とおめがねとも言って、透鏡レンズの性質を使って、遠くの物を拡大する道具でございます」

「ふむ、どのように扱うのかな?」

「ここを覗き込んで、この筒を前後して焦点を合わせまして・・・」


総督閣下が30倍望遠鏡を外に向けて、俺が教えた通りに焦点を調節して景色を眺めると、驚きの声を上げる。


「おおっ!これは!?」

「何じゃ?どうした!」

「遠くの物が近くに見える!」

「何じゃと?わしにも見せろ!」

「わしにもじゃ!」


争う二人を見て俺は話しかける。


「ああ、倍率は低いですが、こちらの小型単眼鏡でも大きく見えますよ」


俺がそう言うと、ジーモンさんは総督閣下から望遠鏡を奪い取り、ガスパールさんは単眼鏡を持って、争うようにその中を覗く。

二人が望遠鏡を見て、同じように驚きの声を上げる。


「これは凄い!」

「驚いた!」

「ううむ・・・確かに凸透鏡とつレンズには物を大きく見せる作用はあるが、これは・・・」

「うむ、このような使い方が出来るとは思わなんだ!」

「これは盲点じゃ!」

「全く、なぜ今までこの事に気づかなかったのじゃろうか?」


どうやら望遠鏡はこの人たちに相当の衝撃を与えたようだ。

この世界には眼鏡はすでにあるので、望遠鏡が発明されるのは時間の問題だっただろうが、なまじ何でも魔法に頼っているために、こういった方向への応用は遅々として進んではいないようだ。

しばらく景色を眺めていた二人だったが、天文学者のジーモンさんが突然思いついたように叫ぶ。


「いや、ちょっと待て!」

「何じゃ?ジーモン?」

「確か今日は昼ルミナが見えたはずじゃ。

これでルミナを見てみたい!」

「なるほど」

「それは確かに面白そうじゃな」


総督閣下とガスパールさんがうなずく。

その言葉に俺が慌てて説明をする。


「あ、ルミナは構いませんが、ラディは間違っても見ないでください。

それでラディを見ると、目が焼けて失明します」

「おお、そうか、それは気をつけんとな。

では・・・」


そう言いながらジーモンさんが30倍望遠鏡でルミナを見る。

それは地球の昼月のように、空に白く浮いて見える。


「うおっ!」

「何じゃ?どうした!」

「美しいルミナが・・・」

「ルミナがどうした?」

「あばただらけじゃ!」


ジーモンさんがワナワナと震えるような声を絞り出すと、総督閣下とガスパールさんも争うように話しかける。


「何?どれ、わしも見てみるか?」

「こら、それは余がホウジョウ殿から貰ったものじゃ!

余に先に見せい」


そう言われてジーモンさんが、渋々と望遠鏡を総督閣下に渡す。


「おう、本当じゃ!」

「これは凄い!」


総督閣下とガスパールさんが興奮してルミナを見ている横で、総督閣下に望遠鏡を奪われて興奮したジーモンさんが俺にせがむように話しかける。


「のう、ホウジョウ殿、これはもうこれしか無いのかのう?

もしまだあれば金貨200枚、いや300枚でも買おう!

もしくは作り方を知っているのならば教えてくれい。

それには金貨500枚を出しても良い!」

「おう、それはわしもじゃ!」


ジーモンさんの言葉にガスパールさんも熱心に同意する。


「わかりました、望遠鏡には予備がございますので、御二人にも差し上げましょう」


ある程度こんな状況を想定して、俺は双眼鏡ではなく、望遠鏡にしたのだった。

伸縮式30倍望遠鏡は30個持っているし、10倍単眼鏡も100個持っている。

こっちの世界でのこういった機会の贈答用に使える可能性を考えて、いくつかの物は神様から大量にもらっていたのだ。

その俺の言葉に二人は色めき立つ。


「何?よろしいのか?」

「かたじけない!」


しかし喜ぶ二人に俺が釘を刺す。


「ええ、但しお願いがあるのですが?」

「何じゃ?」

「これを差し上げるに当たって、別にお金は要らないのですが、これを私からもらった事をここにいる人間以外には話さないで欲しいのです。

何しろもう数が少なく、他の人に欲しがられてもこまりますので」


その俺の言葉に二人が大きくうなずいて答える。


「確かにもっともな事じゃ!」

「ああ、誰にも話さんとも!」

「それともう一つ、先ほども説明をしましたが、決してこれでラディは見ないでください。

眼が潰れてしまいますから。

これは誰かがこの望遠鏡を使う時にも、決して忘れないで説明をしてください」

「心得た」

「おう、大丈夫じゃ!」

「では・・・」


二人が俺の説明に納得をしたので、俺はマギアサッコから望遠鏡を4つ出し、二人に伸縮式30倍望遠鏡と10倍単眼鏡を一つずつ渡す。


「おおっ!ありがたい!」

「このように貴重な物をいただけるとはの!」


う~ん、このジーモンさんは天文学者らしいから俺が神様からもらった大口径の反射望遠鏡なんか上げたら大喜びするだろうなあ・・・

でも今、それを言ったら収拾がつかなくなりそうだし、今回は黙っていよう。

それにあれは大きいので数が少ないし、扱いも難しい。

使用方法を説明するのはかなり面倒だ。

いつか機会があったら話して一つあげても良いかもしれない。

そういえばガスパールさんの方は数学者らしいから、そろばんはともかく、計算尺を見せたらきっと驚いて欲しがるだろう。

あれもまだこの世界にはないらしいからな。

でもそれもいつか次の機会だな。

俺はそう思って次の品物の説明に移る。


次は顕微鏡だ。

これは一番小型のキーホルダー付きの50倍の物だ。

箱入りの完全顕微鏡セットは数が少ないし、扱いが複雑になるので、やめておいた。

俺は総督閣下に一回しか会わないつもりだったので、操作が複雑な顕微鏡などは説明が無理だと思ったからだ。

これならただ手に持って対象を覗き込むだけで済むから簡単だ。

それにこれなら小さいので、贈答用に百個持っている。

望遠鏡に驚いたのなら、恐らくこれにも驚くはずだ。


「これは顕微鏡でございます」

「ケンビキョー?

これはまた随分と小さいが、それも望遠鏡の一種なのかの?

ずいぶんと形は似ておるが・・・」


親指ほどの小型顕微鏡を見て、総督閣下が不思議そうに尋ねる。


「いえ、仕組み的にはかなり似ておりますが、これは言わば望遠鏡とは逆で、近場の物を大きく見せる物でございます」

「近くの物を大きくとな?」

「はい、例えばこのように御自分の肌を御覧になってみてください」


俺が自分の手の甲に顕微鏡を押し付けてみせる。


「なるほど、やってみよう」


俺から渡された小型顕微鏡を見た総督閣下がまたもや驚く。


「むむ・・・これは・・・おお!

余の手はこのようになっていたのか!

これは驚きだ!」

「どれ!わしにもみせてみい!」

「ええい!わしが先じゃ!」


今度は一つしかないので二人が、譲らない。

いまにも掴み合いが始まりそうになったので、俺が二人に申し出る。


「あの・・・よろしければ、これも御二人に差し上げましょうか?」

「なに?よろしいのか?」

「かたじけない」


俺はマギアサッコから小型顕微鏡を二つ出して二人に渡す。

二人がまたもや争うように顕微鏡を取り合って自分の手を眺める。


「これは凄い!」

「全くじゃ!」


この人たちに蝿やミジンコを見せたら、きっとうちの店員たちのように驚くだろうなあ・・・

俺はその機会があれば面白いなと思った。

そこで俺はその事を少々話しておいてみた。


「後でそれで小さな虫などを拡大して見ると、きっと驚きますよ」

「虫?」

「ええ、蝿とか蜘蛛とか蟻ですね。

きっと驚くと思いますよ」

「さようか?では後で楽しみにしていよう」

「うむ、わしもじゃ」

「そうじゃな」


そして俺はさらに次の品物の説明に入る。


「これは「爪切り」でございます」

「爪切りとな?」

「ええ、こんな具合に爪を切ります」


そういって俺は自分の爪をパチン、パチン、と切ってみせる。

これは21世紀日本の100円ショップでも売っている、ごく普通の爪切りだ。

しかしこの爪切りは21世紀の地球でもまだ普及が低く、ヨーロッパでもいまだに爪を切るのに普通の鋏を使っている地方が多いそうだ。

だから場所によっては海外の土産に爪切りを持っていくと、意外に大喜びされると俺は聞いていた。

それでこの世界に来る時に爪切りを持っていったら、おそらく喜ばれるのではないかと思って、こういった時の土産用に、これまた神様からミスリル製の物を百個貰っておいたのだ。

事実エレノアやアルフレッドを初めとして、この世界では誰もこの爪切りの存在を知らなかったので、この3人が知らないのは間違いがなかった。

案の定、俺が自分の爪を切って見せると、3人が驚きの声をあげる。


「ほほう?これは?」

「これはずいぶんと便利そうじゃの?」

「ああ、わしは爪を鋏で切る時によく指を切ってしまうのじゃが、これならばそんな事もなさそうじゃの」

「よろしければ、こちらもお二人にも差し上げましょうか?」

「何?これもよろしいのか?」

「ええ、ただし、先ほどの3つと同じように、あくまで内密で」

「おお、そうじゃとも、そうじゃとも!」

「内密にな」


そして次に見せたのは折りたたみ式の五徳ナイフだ。

これは木の柄の中に、それぞれ折りたたまれた小刀しょうとうのこぎりきりやすりはさみの五つが畳み込まれている優れものだ。

俺が前世で持っていた物の変型判で、俺はこれを常に腰のポーチに入れて歩いている。

これも贈答用に神様からたくさんもらっておいた。

総督閣下と友人方はこれを見て感心する。


「ほう・・・?

 このような柄の中に5つもの道具がのう・・・」

「確かにこれは一本あれば便利そうじゃのう」

「うむ、家ではもちろん、旅でも重宝しそうじゃの」

「ええ、私はこれを常に持ち歩いております」

「なるほどのう」


三人は五徳ナイフにもそれなりに興味を示した様子だ。

そして土産物の最後には、俺が趣味でこちらの世界にたくさん持ち込んだ物が待っていた。

これは望遠鏡以上にこちらの世界にまだ存在しないのは間違いはないが、果たして総督閣下はこの土産物を気に入るだろうか?

俺は最後の土産物を出して見せた。


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