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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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254 シノブの心配事

 幸いデフォードは宿屋にいたようで、すぐにやって来た。


「よお、大将、何か用かい?」

「ああ、デフォード、君に聞きたい事があるんだが?」

「なんだい?」

「ここの総督閣下というのはどういう人なんだい?」


俺の質問にデフォードは驚いて腕を組んで考えて答える。


「こりゃ、またいきなりだな?

まあ、一口で言えば、毒に薬にもならないって奴だな。

決して悪い奴ではないようだが、かと言って、名君や聖人の類でもない・・・

いや、違った、訂正する。

あの御仁がここの総督の間は大した騒動は起こっていないのだから名君と言うべきだな。

ずっと平和なんで俺も勘違いしちまったが、考えてみれば、何も問題がなく、平和が続いているという事は、あの御仁が聖人ではないにしても、少なくとも名君である事の証拠だ。

後はかなりお人よしで、変人ではあるという噂は聞いている。

但し、それに関しては俺は直接会った事がないから本当かどうかは保証しかねる。

とにかく野心はないが、偶然、王族に生まれちまったんで、仕方なく、総督なんぞをやっているって感じだ」


やはり予想通りというか、この男の説明はストレートでわかりやすい。

しかも話している事も的確で、要点を掴んでいる。

この男ならロナバールの裏社会的な事も知っているだろうと踏んで呼んでみたが、どうやら正解のようだ。


「なるほど、その総督閣下に突然会いたいと言われて呼ばれたんだが、何か隠された意図があると思うかい?」


俺の質問に、この男は少々驚いた様子で顎をさすりながら答える。


「ほう?総督閣下にかい?

いや、それはないんじゃないかな?

おそらく単に暇潰しの相手程度に大将を呼んでみたいだけだろう。

大将はレベルが異様に高い珍しい若い奴がいるって、今ロナバールの一部で評判だからな。

その珍獣を実際に見てみたいってとこだろう。

あの御仁は良い噂はないが、悪い噂もない。

強いて言えば、変な噂は多い。

変わり者としては有名だな。

多趣味で、好奇心が旺盛と言うのは聞いているが、それで誰かに迷惑をかけているって話も聞いた事がねえ。

せいぜい変わった魔法の実験やからくり道具、珍しい食べ物を取り寄せるんで、金を結構使っている様子だが、その程度は王族としては可愛いもんだ。

湯水のように金を使って、ここの財政を揺るがすなんて事もなく、自分の懐具合で大丈夫な範疇で収めている。

そう言う意味では常識人だな。

ある意味、悠々自適に人生を楽しんでいるとも言える」


う~む、何かデフォードの話を聞いた限りでは、むしろ俺と気が合いそうなんだが・・・

ちょっと会ってみたい気はしてきた。


「ふむ、じゃあ、一応その辺りを探ってきてみてくれないかな?

2・3日で探れる限りを頼む」

「心得た」


3日ほどすると、デフォードが報告に来た。


「よお、大将、探ってきたぜ」

「やあ、ご苦労さん、どうだった?」

「結果から言うと、問題はないな。

やはりあんたを呼んでいるのは単なる趣味と好奇心だけだ。

最近若いのにやたらレベルが高くて、エルフの奴隷やケット・シーを連れている奴がいるって評判なんで、興味が湧いて会ってみたいようだ。

しかもそいつが上位悪魔のマルコキアスまで倒したってな。

オマケに大繁盛している店まで経営しているってんで、余計に興味が湧いたようだ。

一度会えば満足して、それで終わりなんじゃないかな」

「うちの誰かを欲しがるって事はないかな?

特にそのエレノアやペロンを?」


俺は一番心配している事を聞いた。

エルフとケット・シーは珍しい。

好奇心が旺盛な人間というならば、その二つを欲しがっても不思議は無い。

相手の総督と言う立場からしても、それを望まれれば断るのは難しくなるだろう。

俺はそれを恐れた。

だがデフォードは首を横に振って答える。


「それはないだろう。

 あの総督閣下が誰かの奴隷を取り上げたとか、欲しがったという話は聞いた事がねえ。

確かにエレノアの姐さんたちは美女だが、あっちにもそれなりに美人はいる。

自分の評判を落としてまで、エレノアの姐さんや、シルビアの姐さんを欲しがる事はあるまいよ。

いくらエレノアの姐さんが珍しいエルフでもな」

「ペロンは?」


ケット・シーはエルフ以上に珍しい。

しかも幸せを呼ぶと言われて、昔から貴族たちの取り合いになった事があったとも聞いている。


「それも大丈夫だろう。

昔からケット・シーを軟禁して酷い目にあった話は枚挙に暇がないからな。

あの御仁は正規の魔法学士の上に、結構博学なのでも有名だ。

だからその程度の事は奴さんも知っているだろうし、万一そう望んでも周囲が止めるだろう。

あの御仁は周囲が止めれば、耳を傾ける人間だ。

それにこのロナバールには少ないとはいえ、バロンや他のケット・シーもいるんだ。

そんなにケット・シーが欲しいのなら、とっくに別の奴を取り込んでいるだろうよ」


デフォードの話はゼルバトロスさんの話とほぼ一致している。

どうやらうちの人材を引き抜く可能性はないようだ。

俺は一安心した。


「では、私が会っても問題はないか?」

「ああ、単なる物珍しさと暇潰しで会いたいだけだろう。

大将たちが会って、ちょいと変わった話をして、喜ばせてやれば、それで満足だろうと思うぜ?」


なるほど、俺の危機感はどうやら杞憂だったようだ。

それならば会っても良いか?

その方が心象も良いだろう。

何しろ相手は自分が住んでいる場所の総督閣下だ。

かつてのグレイモンのように、敵対行動を取っているならともかく、何も害がないなら御機嫌を取っておいて損はないはずだ。

俺としても会って必要以上におべんちゃらを言うつもりはないが、わざわざ相手が気を悪くする行動を取る事もない。

俺がそう考えていると、デフォードが追加の報告をする。


「そうそう、あの人は珍しい食べ物とかにも目がないんでな。

肉まんを喰って感銘を受けたのも、あんたに会いたい理由の一つみたいだぜ?

それとどこかでプリンの話を聞いて、食べてみたがっているみたいだぜ?

それも大将を呼ぶ大きな理由の一つだそうだ」

「なるほど」


確かにこの世界でプリンはまだ珍しい。

俺も知り合いの数人に食べさせただけだし、まだうちの食堂でも売ってはいない。

総督閣下が一体どこでその話を聞いたのだか知らないが、それを食べたがっているという事か?

それでこの世界の本家本元の俺を呼び出したと言う訳か?


「後は大将が何か珍しい物を持っていれば、それを土産にすれば嬉しがるだろうな」

「珍しい物?」

「ああ、さっきも言ったように、あの総督閣下は珍しい魔法道具とか、からくり仕掛けの玩具とかに非常に強い興味を抱いている。

特に魔法を使っていない、からくり仕掛けが気に入っているようだ。

そういう物には目が無えし、欲しがる事も多い。

そういった珍しい物は結構な値段でも買うって話だ。

もし、大将がそういった物を持っていて、総督閣下に献上すれば、覚えもめでたいだろうぜ」

「珍しいからくり仕掛けねえ・・・」


つまりは科学玩具のような物だろうか?

江戸時代の茶汲み人形などを持っていけば喜びそうだが、もちろんそんな物はない。

さて、俺の持っている物の中で、何を土産に持っていけば良いだろうか?

俺は自分が持っている品物の中で、主に神様からもらった、この世界では珍しそうな品物を考えてみた。


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