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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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237 何でも屋デフォード

 制服と新しい装備が完成して、その後でゼルさんこと、ゼルバトロス本部長と会った次の日、俺たちはまずは新しい装備の使い心地をそれぞれ確認するために、普通に迷宮を探索した。

そして一日迷宮で魔物を倒し、新しい装備の使い勝手に満足すると、いつも通り家路へと着いた。

家に向かって歩きながら、俺たちはウキウキと話し合う。


「いよいよ明日は戦団ブリガードの登録だね?」

「ええ、新しい装備も大体使い勝手がわかりましたし、明日は組合で登録して、何かこれはというミッションを探してみましょう」

「楽しみだね」

「ええ、そうですね」

「私もです!」


しかし俺たちが家に帰ると、アルフレッドではなく、キンバリーとバルキリー、ヒミコ、それにぺロンが俺たちを迎えた。


「あれ?アルフレッドは?」

「夫は応接室におります」

「応接室?誰か来たの?」

「私にもよくわかりませんが、御主人様が御帰りになったら、そちらへ通すようにアルフレッドに言われております」

「わかった」


俺はエレノアたちと応接室へと向かった。

そこにはアルフレッドと一人の男がいた。

二人は向かい合ってソファに座っていた。

そしてその二人をオリオンとセイメイがアルフレッドの後ろで立って見ていた。

その見知らぬ男は、見た感じは20代後半で、精悍な冒険者と盗賊の中間のような印象を与える人物だ。

迷彩服のような服を着ていて、細身で身軽そうな装備をしている。

首には濃い緑色のスカーフを巻いているが、別に奴隷の首輪を隠しているという訳でもなさそうだ。

その人物は俺の姿を見ると、立ち上がって陽気に声をかけてくる。


「よお、お帰り!大将!」

「どちら様かな?」


俺はアルフレッドに尋ねるが、うちの家令は無言でフルフルと首を横に振る。


「どういった方だか、私も存じ上げません。

ただ、どうしても御主人様と会って話がしたいと言うので、こちらでお待ちいただいた次第でございます。

お帰りいただこうかとも思いましたが、一級の組合員のようで、こちらで待っていただく事にいたしました」

「おっとっと、これは失礼、これから仕える人間には敬意を示さないとな」


そう言うと、その男は俺に向かって恭しく礼をする。


「仕える?」

「俺の名はデフォード・ギャモン。

一応、建前は総合組合員って事だが、実際には何でも屋だ。

大抵の仕事は何でも引き受けるぜ?」

「その何でも屋が何故ここに?」

「まあ、立ち話もなんだ、お互いに座って話そうぜ」

「わかった」


俺が椅子に座ると、デフォードとやらも座る。

エレノアを初めとして、シルビア、ミルキィ、アルフレッド、キンバリー、ペロンの6人は、俺とこのデフォードという男を囲み、立ったまま臨戦態勢となる。

当然の事ながらガルドとラピーダ、それにオリオンとセイメイ、バルキリー、ヒミコもだ。

デフォードがわずかでもおかしな動きをすれば、全員即座に攻撃する状態だ。

その場が恐ろしいほどの緊張感に包まれる。

それを察したデフォードが大げさに両手を振って怖がって見せる。


「おお!こえぇ、こえぇ!

まあ、そうピリピリしなさんな!

俺はあんたたちの大切な御主人様を襲う気はこれっぽっちもないんだからよ。

何しろ今日からは俺の御主人様でもあるんだからよ」

「さっきも言っていたが、俺に仕えるってどういうつもりだい?」

「言葉通りの意味さ。

今日から俺はあんたの部下になりたい。

そういう事さ」

「ふん?どういう経緯で?」

「鑑定してもらえばわかるが、俺のレベルは138、それなりに使えるレベルだ。

昔は俺も一匹狼を気取っていたんだが、やはり世の中そうも言ってられねぇと悟った。

だから誰かに仕えようと考えたんだが・・・これがどうにもいけねぇ・・・

どいつもこいつも俺が仕えるのが勿体無い奴らばかりだ」

「勿体無い?」

「ああ、俺はこれでも自分を高く評価しているんでね。

 俺は能力もそこそこだが、忠誠心って奴も結構あるつもりだ。

 少なくとも一旦、主としたら生涯裏切らないくらいのな。

しかしその能力と忠誠心の価値がわからない奴に仕えるのには、どうにも我慢がならねぇ。

だから俺が認める奴じゃないと仕える気にならないのさ」

「それで?何で俺の所に来たんだ?」

「そりゃ、あんたを俺の主人と認めたからさ。

シノブ・ホウジョウさんよ」


そう言って鋭く俺を見つめるデフォードに、俺はおどけて見せる。


「おいおい!

俺はただのそこらへんのガキンチョだよ?

そりゃ年齢の割には少しはレベルは高いかも知れないけど、ただそれだけさ」

「馬鹿言っちゃいけねえ!

俺はこう見えても人を見る目はあるつもりでね。

俺が知っている限りで、あんたほど、器がでかくて将来性がある奴はいねぇ!

あんたなら俺の能力と忠誠心を注ぎ込むのに十分な器とみた!

それで是非とも部下にして欲しくて、こうして呼ばれもしないのに、しゃしゃり出てきた訳さ」

「そりゃまた、ずいぶん高く評価してくれたもんだな?

やめてくれよ。

俺はお世辞に弱いんで、ついあんたをこのまま部下にしてみたくなっちゃうじゃないか?」

「いいや、俺の目に狂いはないね!

是非とも部下にしてもらいたいもんだな!」

「そうかい?

俺は何の地位も資格もない、ただの子供だぞ?」


本当の事を言えば、メディシナーの最高評議員の一人ではあるが、もちろんその事は秘密だ。

それにその件に関しては、今は休職扱い中にしてもらっている。


「けっ、馬鹿いっちゃいけねえ!

その年で上黄金等級ハイ・ゴールドクラスになった人間が何を言ってやがる!

それにあんた自身も化け物だが、周囲も全員そうだ。

秘書監であるエレノア、次席秘書監のシルビア、アルフレッドとキンバリー夫妻、

そして獣人戦闘員のミルキィ、どれを取っても、尋常じゃない!

それに何だよ?そのレベル300のジャベックはよ?

そんなモンを2体も持っている奴が他にいるか?

しかもレベル160の魔法ジャベックが、その辺にゴロゴロいやがる!

オマケにありえねぇ事に、ここには猫妖精ケット・シーまでいやがる。

それを束ねるあんたが普通の人間の訳がないだろう?」


どうやらこの男は、俺以外のうちの人間の下調べをしているようだ。

中々に目ざといというべきだろう。


「なるほど、中々宿題をやってきているようだな。

俺はともかく、俺の仲間を高く評価してくれるのは嬉しいよ。

それで、あんたは一体何が出来るんだい?」

「さっき言った通り、何でもさ、まあ大抵の事には使えると思ってくれていいぜ?」

「ほう?魔法とかもかい?」

「ああ、これでも一応、魔法学士の資格も持っている」

「魔法学士?そりゃ凄いな」


魔法学士はこの世界にそうそういない。

うちではエレノアだけだ。

あれほど優秀なシルビアだって魔道士だ。


「何、あんたに比べりゃ大した事はないさ」

「俺はただの魔士だぞ?

 魔法学士どころか、魔法士ですらないんだ。

お前さんの方が、よほど上で優秀じゃないか?

資格的にも年齢的にも俺の方が遥かに下だ。

そんな格下の者に仕えて良いのかい?」

「そりゃ今の資格だけを見る分にはな、だが、そんなモンで判断を左右される奴ぁは、見る目と自分に自信がない証拠よ。

実際の所、そっちのシルビアの姐さんと、エレノアの姐さんなんぞは魔道士や魔法学士だが、あんたに仕えているだろう?」

「そりゃそうだがね」


俺はこの男を鑑定してみた。


人間 男性 32歳 レベル138


才能 

知力82、魔力63、魔法感覚65、体力67、力65、格闘感覚68、敏捷性73


こりゃ凄い!

確かにレベルや才能は中々高い。

能力だけを見れば仲間に欲しいところだ。

だが、もちろん、信用できるかどうかは別だ。


「それで?何でも屋なのはわかったが、あんたの売り所は何だい?」


その俺の質問にこの男は頭をかきながら恨めしそうに話を始める。


「けっ、痛い所をついてきやがるぜ、大将、そこが今回俺も困った所さ」

「ほう?」


あれほど何でも出来ると言っておいて、売り所に困ると言うとは面白い。

興味を惹かれた俺にデフォードが説明をする。


「俺だって多少ならあちこちの戦団ブリガードの臨時メンバーになった事もある。

攻撃魔法がない連中なら攻撃魔法を、回復系がいない所なら、回復系を、作戦力が低い所なら参謀役として自分を売り込んできた。

しかし今回ばかりは困った。

俺の売りどころがねえ」

「そうなのかい?」

「ああ、レベルが高くて魔法なら何でも使えて参謀役もこなすエレノア、

同じく魔道士で魔法協会にも勤めていたから知識も豊富で顔も広いシルビア、

獣人戦士で戦闘力抜群なミルキィ、そして護衛も出来て、家令としても一流なアルフレッド、家事万端な家政婦長のキンバリーと、どいつもこいつもその道の一流所だ。

挙句の果てにケット・シーまでいやがる!

おまけにそれを統率するあんたは万能と来てやがる。

これじゃ俺の売り込み所がねえんで、俺も困った」

「なるほど」


確かにこの男の言う通り、現在のうちの人間が結集すれば、一般的な事ならば、ほぼ不可能な事はないと言っても過言ではないだろう。

それをわかっているだけでもこの男は侮れない。


「そして何が参るってあんたらのレベルさ、

常に家に居る御二人さんとケット・シーはともかく、迷宮に行くメンバーで、今レベルが一番低いのは誰だい?」


そう聞かれて俺はシルビアに問う。


「シルビアは今いくつだっけ?」

「193です」

「ミルキィは?」

「私は216です」


ここの所の訓練で俺たちもずいぶんレベルが上がったようだ。


「ホラな?

俺はさっきも言ったようにレベルは138で、組合員としても一級の資格を持っている。

普通に言えばかなり強いはずなんだが、ここじゃ女子供にも劣るって訳だ。

俺なんざペーペーだ。

これじゃ戦闘要員として売り込むのも難しい。

そもそもそのレベル300のジャベックって何だよ?

反則じゃねえか!全く・・・

おまけにさっきも言ったように、レベルが160の戦闘魔法ジャベックはゴロゴロいやがるしよ!

ここはビックリ屋敷か?

これじゃ少なくとも俺を戦闘員として売り込むのは完全に無理じゃねえか!

全く!せっかく自分の主に相応しい人間を見つけたのに、こっちが売り込めないときたもんだ!

かと言って、俺には執事や料理の仕事なんてろくに出来ねぇ。

この性格と態度じゃ、店の接客なんぞ論外だしな。

残念ながら肉まん一つ売る事も出来そうにねぇ」


その言葉に俺がからかうように尋ねる。


「おや?何でも出来るんじゃなかったのかい?」

「はっ、厳しいね、そう言ってくれるなよ、大将?

そりゃ、俺にだって苦手な事はあるさ。

ま、何かの時に、どうしても店員が足りないから、肉まん屋の店員をやれと言われればやるがね。

何と言っても今日からは忠実な部下だ。

あんたの命令には素直に従うさ。

ただし、俺はこの性格と態度だ。

接客商売はお薦めはしないね」

「なるほど、それで?」

「だが、一つだけ俺の売り込み所があった」

「ほう、それはなんだい?」


それは俺にも興味がある。

これほどうちの人間が何でも出来ると言っておいて、この男はうちの人間が出来ない何が出来ると言うのだろうか?


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