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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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227 徽章

 その日の夕食後の時に、俺は紙と色鉛筆を用意して、その場にいた全員に聞いた。

そう言えば神様から色鉛筆も何組かもらっておいたけど、使うのは初めてだな。


「ところでみんなの意見を聞きたいんだが、うちの徽章はどういった物にしたら良いと思う?」

「御主人様のお顔をそのまま徽章にしましょう!」


即座に勢いよくミルキィが提案してくる。


「それは勘弁して。 

それにそんな複雑な物、徽章にできるわけないでしょう?」


仮に可能だとしても自分の顔のレリーフを彫った徽章など御免こうむりたい。

可愛いミルキィの意見だが、俺はそれを却下する。

次にシルビアが俺に質問をしてくる。


「あの、確か御主人様は遠い国からここへ来られたとおっしゃっていましたよね?」

「そうだよ」

「では、その国の何かを徽章にしてはいかがでしょう?

旗とか紋章とか色々とあると思うのですが?」

「旗・・日の丸かあ・・・」

「ヒノマル?」

「うん、白地にこう、赤い丸を真ん中にあしらうんだ」


俺は紙に日の丸を描いてみせた。


「なるほど、単純明快ですね?」

「日の丸は好きだけど、自分の徽章とか紋章にするのはなあ・・・」


いくらもう帰れない場所だとは言っても、日の丸を自分の紋章にするのは気が引ける。

他に何かないだろうか?

次にエレノアが質問をしてくる。


「そういえば御主人様の指輪の裏側の模様は何ですか?」

「裏側?ああ、あれか?」

「それと同じ物が確か剣の柄にもついていますよね?」

「うん、そうだね」


俺は神様からもらった指輪や剣の類で特殊効果のついた物には、そのほとんどにどこか漢字で「北条」の印を彫っておいた。

何かの時に区別するためだ。


「ええ、あれは何か特殊な紋章に見えますが?」

「うん、そう言われればそうかな?

あれはボクの姓をボクの生まれ故郷の字で彫ってあるんだ」

「なるほど、ではそれを我々の徽章にしてはいかがでしょうか?」


う~ん、確かに漢字はこちらの世界にはなさそうなので、それは良さそうだ。

候補として考えておくのは良いだろう。


「うん・・・徽章ではないにしても、何かには使えそうだね?」

「ええ、ではそれを候補としておきましょう」

「そうだね、しかし、徽章・・・徽章かあ・・・どんな風な物を考えれば良いかなあ・・・」


俺が考え込むとエレノアが質問をして来る。


「そうですね・・・御主人様は我々をどういった集団にしたいのでしょうか?

それによるのではないでしょうか?」

「そうか・・・集団の目指す物か?」

「はい、その集団の目的や方向性が決まれば、ある程度形が絞れてくると思います」


確かにそうだ。

逆にそれを決めなければ、集団としての目的や方向性に欠ける。

しかしまさかオネショタ集団などと言う訳にもいかない。

それは俺個人の趣味であって集団の目的ではないし、仮にそうしたとしても、これから集団が大きくなれば、意味が当てはまらなくなってしまうだろう。

それでは名前の意味がない。


「普通はどういった感じの徽章が多いのかな?」


俺の質問にエレノアが答える。


「そうですね、多くはその集団や、代表者に関係する剣、盾、城、植物、動物などを模った物が多いですね」

「なるほどね」


どうやらそういった部分は、こちらも地球とさほど変わりはないようだ。


「うちの集団と似たような集団は他にあるかな?」


その質問に対する答えは意外な物だった。


「いいえ、うちに似たような集団など見た事もありません」


エレノアがそう言うと、シルビアもうなずいて賛同する。


「そうですね、組合員も大抵は同じ人種で組む事が多いですし、エルフと人間、人間と獣人という組み合わせは見た事があっても、その3つが組んでいるというのは、滅多に見かけないですね。

ましてや仲間にケット・シーまでいるなどというのはありえませんね。

私も長年魔法協会の受付をしておりましたが、このような組み合わせの集団は見た事がございません」


そう言えば最初に三人で組合に登録する時も、組み合わせが珍しいから結構注目を浴びたっけ・・・


「私は田舎の村にいたので、そもそも獣人同士以外の組み合わせを見た事がありません」


ミルキィもがそう言うと、再びシルビアが説明をする。


「強いて言えば、私が受付をしている時に、ジャベックで似たような集団を見た記憶がありますね」

「え?ジャベックで?」

「はい、若い魔戦士風の男性が、女性剣士型の人型ジャベックと女性エルフ型のジャベック、それに猫獣人型のジャベックを連れているのを見た事がございます。

あの構成は見た目だけならば、現在のうちの構成に近いですね」


確かにそれはうちの構成に近い。

というか、ジャベックである事を除けば、かなり似ている。


「へえ、そんな人がいたんだ?」

「ええ、確か組合員登録証を下げていましたから、組合員だとは思いますが」

「なるほど、そうすると、やっぱりうちはかなり珍しい集団構成なんだね?」


俺の質問にシルビアとミルキィもうなずいて答える。


「ええ、特にケット・シーまでがいる集団などありえません」

「私もそう思います」


エレノアもうなずきながら説明をする。


「そうですね、まさに偶然が生んだ奇跡的な集団だと言えます」

「奇跡的か・・・」


その言葉を聞いて、俺はふと思いついた事があった。


「そう言えば、この世界に青い薔薇ばらってある?」


青い薔薇ばらは地球でも長い間作れなくて、それは奇跡の証と言われていた。

俺はこの世界にも薔薇があるのは知っているが、何色があるかまでは知らない。

俺の質問にシルビアが答える。


「青い薔薇ですか?

いいえ、私が知っている限りではありません」


エレノアもうなずいて答える。


「ええ、確かに薔薇は多種多様な種類があって、色も赤、白、黄色、紫とありますが、青い色はありませんね。

ありえない物の象徴ともされています」


なるほど、この世界でも青い薔薇は地球での状況と同じようだ。

地球でも青い薔薇は21世紀になって遺伝子改造技術で作られるまでは、不可能の象徴とまで言われていたほどだ。

どうやらこちらの世界でも、その点は同じらしい。


「ありえない物の象徴ね?

うん、それでいいんじゃないか?

うちの集団はありえないような集団なんだ。

それを表現するのに、同じようにありえない青薔薇を使って表現するっていうのは良いんじゃないかな?

では我々の徽章は青い薔薇を中心にすえて、その周囲を金の葉で模った物にしてみるのはどうだろうか?

それなら紺と金の制服とも合うと思うしね。

そういう徽章や紋章はあるのかな?」


俺の質問にエレノアとシルビアが答える。


「いいえ、赤や白の薔薇の紋章はよく見かけますが、青はありませんね」

「ええ、私も見た事はございません」

「アルフレッドは?」

「さようでございますね。

私の知っている限りでも、青い薔薇を基調とした貴族の紋章は記憶にございません」


生きた貴族事典のアルフレッドが言うのならば他にはないのだろう。

組合の集団にはいるかも知れないが、その時は仕方がない。


「じゃあ、徽章はそれでいいかな?」

「いいですね」

「ええ、良いとおもいます」

「奇跡的な存在でもある、御主人様に相応しい徽章と思います」

「私も賛成でございます」


どうやらみんな青薔薇の徽章で納得したようだ。


「よし、では我々の徽章は青い薔薇に黄金の葉だ。

集団としての名称も、そのまま「青い薔薇」・・・いや「青き薔薇ブルア・ローゾ」としよう」

青き薔薇ブルア・ローゾ・・・良いとおもいます」

「ええ、有り得ない奇跡的な集団にはピッタリな徽章と名前だと思います」


みんなも賛成のようなので、俺はそれに決定する。


「ではそれで決定だ」

「かしこまりました。ではそれを作って我々の服に?」

「食堂組の方にもそれを配りますか?」


そう言われて俺は少々考える。

それでも良いのだが、やはり外組と食堂組は分けた方が良いだろう。


「そうだね・・・いや、では食堂組の方の徽章は「北条」を模った物にしよう」

「承知いたしました」

「しかし我々の方はともかく、魔法食堂の方は、そのままでよろしいでしょうか?」

「え?」

「食堂組は外組と違って、これからも人数はかなり増えていくと思います。

全員が同じ徽章では、上下関係もわかりにくく、いささか問題もあると思いますが?」

「そうだね・・・じゃあ、組合と同じような感じで、とりあえず店長以上はオリカルゴールドで、幹部級はミスリルシルバーで、一般社員は青銅ブロンズにしよう」

「承知いたしました」


これで俺たちの徽章は決まった。


何とか徽章も決まったので、翌日にスペンサーさんの店に行く。


「おや、ホウジョウ様、いらっしゃいませ。

今日はどのような御用事で?」

「徽章が決まったので図案を見せにきました」

「はい、どんな図案でしょう」

「こんな感じです」


俺は「青い薔薇と黄金の葉」と「北条」の紋章を描いた図案を見せる。


「まあ、青い薔薇ですか?」

「ええ、どうやらうちはありえない集団構成らしいので」

「そうですわね、人間にエルフ、獣人にケット・シーなんて、確かに他にはありえない集団ですわ。

これは相応しい徽章ですね」

「ええ、これでお願いします」

「承知いたしました」

「それと我々の服の端切れがあれば、少々いただきたいのですが・・・」

「それは別に構いませんが、どのような事に?」

「ええ、実はこの連中の服も統一して作ろうかと思って・・・

ハムハム、ムサビー、出ておいで」

「ウキュッ!」

「うきゅ」


俺が呼び出すと二匹が俺のポケットから出てきて、俺の両肩に駆け上って止まる。

この二匹も一応「外組」扱いなので、見た目を揃えてみようと思ったのだ。


「これは僕の作ったジャベックなのですが、この二匹にもスカーフか何か、我々と同じ色合いの物を作ってやろうかと思いまして」


スペンサーさんは2匹を見て感心したように驚く。


「あら、まあ、なるほど!

それでしたらそれもこちらで御作りいたしますわよ?」

「いや、そんな大層な物を作る気はないので、端切れをいただければこちらで適当に作りますよ」

「いえいえ、ついでですから無料で作らせていただきますよ。

うちの店の子の良い練習にもなるでしょうから」

「そうですか?

ではお願いします」

「はい、承知しました。

一応首周りとかを測らせてくださいね」

「はい、どうぞ」


スペンサーさんがハムハムとムサビーの体を測り、満足そうにうなずく。


「はい、これで大丈夫です」

「では、よろしくお願いします」

「ええ、お任せください」


こうして俺たちは外組全員の服装を整えて制服を作る事となったのだった。


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