215 奴隷たちの休日
俺は以前から思っていた。
うちの奴隷たちに休日をあげるべきだと。
もっともそれは奴隷たちに限った事ではない。
家令であるアルフレッドやキンバリーにもだ。
魔法食堂の店員であるブリジットたちは自由日と休日を休みにしているのだが、奴隷の三人と家令と家政婦長には休みなしなのだ。
まあ、ペロンは1年中休みだが・・・
「お休み?別にいりませんが?」
「ええ、そもそも休日は迷宮へも行かないし、お休みのような物です」
「そうですね」
三人の俺の休日提案に対する返事はこうだった。
「いや、休日でも僕の世話をしている訳だし、休んでいる訳じゃないでしょ?」
「それはそうですが・・・」
「まあ、ともかく休日ではないにしても、1ヶ月に1日位は自分たちの好きにできる日があっても良いでしょう?
特にシルビアはエトワールさんとか、知り合いもここにはたくさんいるんだし」
俺の言葉にエレノアはうなずく。
「そうですね」
しかしシルビアはどちらかと言えば不服そうだ。
「確かにそれはそうですが・・・」
「三人とも何か自分がしてみたい楽しい事とかあるでしょ?
そういう事を休日にすれば良いじゃない?」
その俺の質問に三人が答える。
「私は御主人様と一緒にいる事が一番楽しいのですが・・・」
「私もです」
「私もです」
あちゃ~そうなのか?
確かに俺もこの三人と一緒にいる事が一番楽しいんだけど・・・
本当に三人ともそうなの?
「ま、まあそれは嬉しいし、僕もそうなんだけど、他の事もあるだろうし、やっぱり休暇を取ろうよ」
「承知いたしました」
こう言って俺は強引に三人の休日を作った。
さて、1日休日にするとして、この世界でもどこへ行くにも何をするにもお金は必要だ。
休みだけあげて、肝心な物がないでは意味がない。
俺は休みの日には三人に小遣いをあげる事にした。
しかしいくら位が妥当であろうか?
奴隷とは言っても子供ではないのだから、小遣いとは言っても大銅貨や銀貨では少なすぎるだろう。
しかし逆に一応奴隷ではあるので、魔法食堂の店員の給金が1ヶ月大銀貨5枚なのだから、それより多くしてはまずい気もする。
実際にはエレノアは魔法の教師もしているし、家令であるアルフレッドよりも上の地位なのだから金貨数枚をもらっても不思議はないのだが、一応最初は様子見だ。
そもそもこの三人は、その気になれば自力でも月に金貨数枚を稼げる実力があるのだ。
考えた結果、俺は小遣いとしてシルビアとミルキィには大銀貨2枚を渡した。
そしてエレノアは奴隷頭なので、1.5倍にして大銀貨3枚だ。
公平にしようかとも思ったが、エレノアは一番大変だし、これ位良いだろう。
しかしエレノアは困惑した。
「休日のお小遣いをいただくにしても、二人と同じで構いませんが・・・」
「いいから、いいから」
「そうですよ、エレノアさんは一番色々とやっているんですからそれ位当然ですよ!
私の10倍もらっても良い位です」
「私もそう思います」
「わかりました。では謹んでいただきます」
俺たち三人に説得されて、エレノアはようやく大銀貨3枚を受け取る。
こうして俺はエレノアたちに休日を与えた。




