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旧・オネショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!   作者: 井伊 澄州
第1章 オネショタな俺が転生したらエロフに騙された!
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010 女奴隷エレノア



 その女の声に奴隷商館の主人が驚いたように答える。


「エレノアさん?

いや、こちらの方は始めての方で、とりあえず、ざっと奴隷を見てみたいという方なので、今回はあなたは関係ないと思いまして・・・」

「それでも良いですから、私にも紹介してください」

「はあ・・・それは別に構いませんが・・・」


その会話を聞いて俺は不思議に思った。

会話の内容から、どうやら声の主は奴隷のようだが、奴隷商館の主と奴隷の会話にしては変だ。

まるで奴隷の方が格上のような話し方だ。


「では・・・どうぞ」


奥の扉を開けて中に入ると、そこにはベッド、机など生活用具が一式そろっている12畳ほどの広さの小奇麗な部屋になっていた。

これが上級とはいえ、奴隷の部屋だろうか?と俺は不思議に思った。

しかも個室である。

そしてそこには一人立っている者がいた。

ここにいるからには女奴隷なのだろうが、ボロ切れでできたような茶色い服にフードをかぶっていて、顔や年齢はわからない。

せいぜいわかるのはその胸が大きい事くらいだ。

うん、この女奴隷、凄い巨乳だ。

乳を上げ底して騙していない限り、それだけは間違いない。

でも、なんで顔を隠しているんだろう?

いぶかしがる俺に、奴隷商人がその女奴隷を紹介する。


「シノブ様、こちらは特級奴隷のエレノアです」

「特級奴隷?」

「ええ、本来そのような等級は、うちの奴隷にないのですが、この人を売るにはかなり特殊な条件がございまして、例外として特級を設けました」

「特殊な条件?」


俺がいぶかっていると、その人物が奴隷商人に話しかける。


「・・・御主人」

「はい?」

「どうやらこの方が私の探していた人のようですよ」

「え?!」


奴隷館の若主人の顔はまるでこれ以上はないといった驚きである。


「本当ですか?エレノアさん?」


驚いて問いただす主人に女奴隷がうなずく。


「ええ、本当よ」

「では、この方に買っていただくという事に?」

「そうね、この人に買ってもらう事に決めたわ」

「そうですか、それは良かったです」


その二人の会話を聞いて俺は驚いた。

え?ちょっと待った!何で話が勝手に進んでいるの?

俺がいつ、この奴隷を買う事になったの?

驚いた俺が問いかける。


「ちょっと待った!

何で私がこの人を買う事で話が進んでいるの?

そもそもこの人は何なの?」


冗談ではない。

今までの話の流れから良心的な奴隷商人かと思ったら美人局だったのか?

これが目的で今まで俺に良心的な奴隷商人の演技をしていたのか?

まるで歌舞伎町のぼったくり風俗店だ。

これで帰ろうとすると、奥からごついおっさんどもがたくさん出てくるのか?

もっとも実際にそんな店には行った事はないが・・・


「これは大変失礼をいたしました。

私としても、あまりに突然の事で、ついうっかり、お客様をないがしろにして話を進めて申し訳ございません。

順番に説明させていただきます」


丁寧に頭を下げて謝罪する奴隷商人に俺も少々安心する。


「うん」

「実はこの方、エレノアさんは、かれこれ10年以上前、当商館の先代の頃からここに住んで自分を購入してもらえる御主人となる方を待っていたのでございます」

「10年以上前?」

「正確には15年前からでございます」

「15年・・・?」


それを聞いて俺も驚いた。

15年も奴隷になって、自分を買う人間を待っているとはずいぶんと気の長い話だ。


「はい、何でもある目的のための方を探していて、その方の奴隷となって、その方に尽くす事が目的で、自らを奴隷の身に落としたそうです」

「自分から奴隷に?なんでまた?」


どう考えても必要もないのに自分から奴隷になるとは普通ではない。

しかし首に奴隷の証である首輪をはめている以上、本当に奴隷なのだろう。

なぜそんな事になったのか、俺には全くわからなかった。


「そこからは私が話します」


そう言って、その人物は、今まで着ていた、自分のボロ切れでできたようなフードつきの奴隷服をスッと一気に脱ぎ捨てた。

そこには一人の女エルフが立っていた。

そう、何とエルフだ!

御約束通り、耳がとんがっている人!

神様からその存在は聞いていたが、この世界に来て初めて見る!


しかもただのエルフではない。

おそらく金髪長身はエルフにしては珍しい事ではないにせよ、顔の方はそれこそ超がつくほどの美形で、柔らかで気品のある微笑をたたえて立っている。

そしてその胸は・・・!

細身のエルフにあるまじき巨乳!

確かに先ほどの女教師も美人だった!

しかし比較して悪いが、このエルフの方がはるかに美形で巨乳だ。

いや、正確に言えば、俺好みの顔立ちだ。

しかも服装がまた薄手のローブのような物を着ていて、エロい事この上ない。

そしてその全身から匂い経つようなフェロモン感が尋常ではなかった。

これエルフじゃないよ!

エロフだよ!

エロ過ぎるよ!

驚く俺に、そのエロフ、いや、エルフが説明を始める。


「改めて私から自己紹介させていただきます。

私はエレノアと申します。

先ほどまでは姿を隠していて申し訳ございませんでした。

以前は普通に姿を見せていたのですが、私がこのような者だと見るや、こちらの意図とは関係なく、どうしても強引に購入しようとする方が後を絶たなかったために、このような方法をとらせていただきました。

どうか、お許しください」


うん、まあ、それはわかる。

こんな絶世美人のエルフを見たら、金持ちだったら金に糸目をつけないで買いたくなる奴がいるのは間違いないし、その気持ちはわかる。

それを防ぐためにはボロっちい格好をするのも仕方がないよな。

俺だって、もし金持ちだったらこのエルフを買いたくなるだろう。

あ、忘れてたけど、俺一応金持ちだったか?

それを思い出したら、ちょっとこのエルフを買いたくなるじゃないか!


「今この若主人が話したように、私はある目的で、人を探していたのです。

そして、それにはこの奴隷商館で、その人を待つのが良いと予測魔法に出たので、私はここで待っていました。

私は長い間、ここで待ちました。

そこについにあなたが来たのです。

あなたこそ私が求めていた方です」


ようやくある程度話が見えてきたが、一番肝心な事がまだわからない。


「その「ある目的」って?」

「残念ながらその目的はまだ申せません。

ただ私を購入していただけるなら、いずれお話しする事になるでしょう。

もちろん私はあなたに誠心誠意お仕えしますし、私は自分で言うのも憚りますが、かなり広範囲に渡って、物事をこなせますので、奴隷としても、とても使いではあると思います」


上級一般奴隷のさらに上級の特級・・・万能って事かな?


「万能型奴隷って事?」

「そう思っていただいて結構です。

この世の事、全てが出来るとは言いませんが、およそ大抵の事は可能なつもりです」


そのエルフの言葉を補足するように奴隷商人が説明をする。


「はい、この方はうちでも特別な奴隷です。

いえ、世界中探してもこのような奴隷はいないと断言できます。

一般的な家事全般はもちろんの事、戦闘、交渉、上級魔法までもこなします。

およそ出来ないことはないのではないか?と思うほどです」

「魔法まで?

でも、先ほどこの館には魔法の使える奴隷はいない、と言っていたはずですが?」


俺が奴隷商人に尋ねると、頭をかきながらアルヌは答えた。


「恥ずかしながら先ほどはこの人の事は忘れていたのです。

この人は色々と例外で、何しろ私が子供の頃からずっとここにいた人ですから・・・」


うん、15年も前からここにいるって言っていたもんな。


「あなたが子供の頃から?やはり、それは長い方なのですか?」

「もちろんです。

通常、よほど特殊な事情がない限り、奴隷は早ければ数日、長くとも数ヶ月以内には売れます。

半年以上、奴隷商館にいる奴隷などというのは、私はこの人以外に知りません」


それほど長い間ここで待っていたとは驚きだが、その待っていた人というのが自分とはもっと驚きだった。

ただ俺としては納得の行かない、不思議な事があったので、それを聞いてみた。


「ただ、どうしてその待っていた人が私だとわかるの?」

「それはあなたが私の捜し求めた条件に合致するからです」

「条件?なんでそんな事がわかるの?」

「はい、正直に言いますが、私は「鑑定」の能力を持っています。

ですからあなた様がどのような能力を持っているのかわかります。

私が見た限り、その能力は私が希望していた以上の物です。

ですから私はあなた様に私を買っていただきたいのです」


つまり、俺を待っていたというより、ある条件があって、それに合致する人間を待っていたという事か?

そして自分がたまたまそれに合致した人間だったと・・・なるほど、それならまだ納得できる。

確かに転生して神様に様々な能力を授けられている自分は鑑定能力で見れば尋常な能力ではないだろう。

・・・しかし、これは単なる偶然なのだろうか?

神様が何か絡んでいるのではないか?

そう思った俺はこのエルフに質問してみた。


「・・・それは私の転生とかに関係する件なの?」

「は?テンセイ・・・ですか?

いえ、それが何の事かわかりませんが、多分それは関係ない事だと思います」


どうやら転生した事はこの件とは関係ないようだ。


「ふ~ん、まあ、どっちにしても僕は奴隷商館っていうのはまだ2回目で、今日もどちらかと言えば、興味本位で来た方が大きいんだ。

確かに良い奴隷がいれば、買おうかなと考えては来たけど、まだこれと言って決めてはいないんだ。

ましてや自分で欲しくて選んだ奴隷ならともかく、そっちから勝手に売り込んできた奴隷を買う気には全くならないね」


そもそも誠心誠意と言いながら、最初からあからさまに目的も言わず、隠し事をしているのが怪しすぎる。

しかし俺の説明にもひるまず、そのエルフはまだ自分を売り込んでくる。


「おっしゃる事はごもっともで、その通りだと思います。

しかし私はあなたに買っていただきたいのです」


話は平行線だ。

確かにこのエロフ、いやエルフは万能系だと言うし、おそらくそれは嘘ではないだろう。見た目は美人だし、そういう意味では一晩お相手を願いたいくらいだ。

それに話した限りでは知的そうだし、交渉などにも活躍するという事は、知識や話術などにも優れているのだろう。

旅の供にも良いかもしれない。

しかし俺には当然の事ながら騙されているという不安はぬぐい切れなかった。

なんと言っても俺は騙されない男だからね!


「そりゃ、そちらとしてはそうかも知れないけど、こちらとしてはいきなり始めてあったエルフを奴隷として買ってくれといわれてもね・・・あれ?そういえばこの町に来てエルフという者をここで始めて見たけど、そもそもエルフって、平人へいじんに対しての人口比率はどれ位なの?」


平人へいじんというのはいわゆる普通の人間の事だ。

この世界では俺の前世での人間以外にも様々な人種がいる。

つまりエルフ、ドワーフ、獣人種などだ。

それらを含めての総称は「人間」だが、特に最も人数が多い「普通な人間」を「平人へいじん」と言う。

そして俺はこの町に来てから初めてエルフに会った。

実際には、この町どころか、この世界に来てから初めてだ。

俺が尋ねるとアルヌさんが答える。


「そうですね、私もよくはわかりませんが、平人へいじん千人に一人もいないんじゃないでしょうか?」


エレノアもさらに詳しく説明する。


「単純な比率で言ったら、だいたい平人へいじん千五百人に対して一人位のはずですわ」


え?千五百人に一人!そんな希少種だったのか!

それを聞いてますます俺は怪しむ。


「そんな珍しい人が何で奴隷になっているの?

いや、それ以前にエルフが奴隷になる事ってあるの?」

「ここではこの人以外にはいませんが、ずいぶん昔に、帝都の大きな奴隷商館で一人だけ売られているのを見た事があります」

「その時の値段は?」

「確か1200万ザイほどだったはずです」


やはりか!

先ほど奴隷の相場は金貨数十枚から高くても300枚ほどだと聞いていたが、どうもエルフは別枠なようだ。

1200万ザイと言ったら、21世紀の日本なら億越えじゃないか!

俺は神様から大金貨を999枚、金貨も999枚を貰っているので、もちろん金貨1200枚でも買えない事はないが、きっとこのエルフの値段はそれ以上だろう。

俺の財産の1割、いや下手をすると2割以上がいきなり吹っ飛ぶ事になる。

しかも話しからすると、このエルフの値段は、まだそれ以上もありえる。

こちらの世界の家とか、下手すると城よりも高いんじゃないだろうか?

俺としてはもちろんそんな訳のわからない買い物を、こんな人生序盤でする気は毛頭ない。


「そんな金額になる奴隷を、いきなり奴隷初心者の私が買う訳ないでしょう!」

「しかし、私はどうしてもあなた様に買っていただきたいのです」


食い下がるエルフに、俺はきっぱりと断りの言葉を言い放つ。


「無理!却下!さよなら!」


なまじ見た目が好みで、しかもおそらくは自分には買えるという思いがあるだけに、このままここにいると、買ってしまいそうな自分が怖い。

確かに俺もこのエロフは欲しい!

しかし、値段も然る事ながら、こんな得体の知れない奴隷を買う訳にはいかない!

危険だ!

これはとっととこの場を離れるに限る!

俺が断りの言葉を即座に断言すると、そこへアルヌが割って入ってくる。


「まあまあ、ではこういうのはいかがです?

お客様がしばらくの間、この人をお貸りするというのは?」

「貸りる?」


なんだか話が変ってきたぞ?

奴隷って買うだけじゃなくて、貸し出しもしているのかな?


「ええ、普段ならば、当然うちでもそのような事はいたしません。

しかし先ほどから説明している通り、この人は奴隷でも特別なので、それを確かめるために何日か奴隷として使ってみてはいかがですか?」


つまりはこのエルフをお試しで、しばらく使ってみるという事か?

俺は確認のために質問をする。


「それはこの人を私が何日か使ってみて、気に入ればそのまま奴隷として購入、気にくわなければ、ここに返すという意味で良いのかな?」

「はい、その通りです」

「もし、返す時になって実は買う契約だったから金を払え、何て事はないだろうね?」

「もちろん、そのような事はございません。

我が商館の信用に関わる事です。

お気に召さなければ購入はしないでいただいて構いません」


アルヌの説明にエレノアもすがるように話してくる。


「私もそれで構いません。

そうしていただいて、数日でも使っていただければ、私の決意と、使い良さもわかっていただけると思います」

「いかがですか?」


う~ん・・・そう言われると、確かにこのエルフを使って見たくはなる。

なんと言っても俺好みの美人だし、巨乳なのだ。

それに俺は前世に美女などとの縁は無かったので、このような美女に懇願されるのは弱い。果てしなく弱い!

だからとっとと逃げようとしたんだけど・・・困るなあ・・・

しかも大枚を叩いて奴隷として買うのならばともかく、数日貸し出しというのであれば、確かに気は楽だ。

騙される可能性も低いだろう。

そう考えると俺の心も揺らいでくる。

・・・いや、買わないよ?ちょっと借りるだけだよ?

本当だよ?

と自分に言い訳もしたくなってくる。


「う~ん、なるほどね・・・それでお試し期間は何日位なの?」

「それはもちろん、お客様のご希望で構いません」

「私もそれで依存はありません」


二人とも日数に制限はないようだ。

1日でも1ヶ月でもいいって事?

そこまでこちらの自由になると、さらに考えさせられる。

つまり、大雑把に言えば、このエルフを奴隷として好きなだけ試してみて、その間に気に入れば、買ってよし、気に入らないなら返せば良いという事になる。

う~ん、試し期間は2・3日でも良いような気もするが、それでは短すぎて相手の意図が読めない気がする。

おっと、これはもう買う気前提の感覚になっているな?

危ない危ない、俺は騙されない男だからね?

・・・1週間、いや1ヶ月は必要だろうか?

その位一緒にいれば相手の意図も見えてくる気もする。

・・・いや、買わないよ?

買うつもりはないけど、一応ね、相手がどういうつもりでいるかを知りたいからね?

1ヶ月、いや、もう一声で2ヶ月はどうかな?

いや、いや、3ヶ月でどうだろう?

ちょっと長いから拒否されるかもしれないけど、何日でも良いというのだから、言うだけ言ってみよう。

断られればそれまでの事だ。


「3ヶ月位でどうかな?」


少々お試し期間としては長すぎるかな?と思って言った俺だったが、当のエルフはあっさりと答える。


「もちろん、それでかまいません」

「それでしたら貸出料は1ヶ月当たり金貨1枚で、金貨3枚ではいかがでしょうか?」


エレノアが返事をすると、すかさず、アルヌが貸出料を即座に言ってくる。

見事な連携プレーだ。

あれ?長すぎるとか文句言われると思ったのに、あっさり通っちゃったよ?

でも考えてみれば十年以上待っていたなら三ヶ月くらいどうってことないか・・・

しかし、特上エルフのレンタル一か月分が金貨1枚・・・それって高いのか安いのか?

正直なところ、まるで見当がつかない。

金貨1枚が令和時代の日本の10万円相当になるならば、金額としては相当高い方なのかも知れないが、相手は特上エルフである。

どうも話の流れからすると、かなり高位のエルフらしい。

しかも上位魔法まで使える万能エルフ、言うならば家事万端出来る人気絶頂アイドルのようなものだろうか?

それのレンタル料が一ヶ月10万円なら破格の値段という気もする。

それに金貨3枚程度なら今の自分にとってそれほど痛い損失でもない。

この奴隷商人も奴隷を買いに来るぐらいなら、その程度の金は持っていると考えての値段設定なのだろう。

それにもし、これより安かったら、逆に俺は何かあると疑っただろう。

そういう意味でも絶妙な金額設定だ。

やるな!奴隷商人!

そしてこれなら確かに仮に途中で逃げられても、少々高い授業料と納得のできる範囲内だ。

ん?待てよ?逃げる?

考えてみれば逆もありうるか?


「お試し期間の途中で返したくなったら、その時に返してもいいんだろうね?

3ヶ月間は何が何でも借りてなきゃならないって事はないんだろうね?」


いくら美人とはいえ、長く生活すれば嫌になるかも知れない。

一緒にいるのが嫌になった奴隷と、その後ずっと生活する気など、さらさらない。

そうなったらむしろこっちが逃げたい位だ。

その点が気になった俺の質問にアルヌが答える。


「もちろんです。いつでもお返しください。

その時、残り2ヶ月未満なら金貨2枚を、1ヶ月未満であれば金貨1枚をお返しいたします」


あら、良心的?

自分としてはこちらの都合で返すんだから貸出料金は返ってこなくとも良かったつもりで言ったんだが・・・

それにしてもあの神様の時と同じで、俺に有利すぎるのが気になると言えば、気になるなあ・・・

そもそもこのエルフの本来の金額はいくらなんだ?

俺はその点も聞いてみた。


「・・・そういえば、この人はそもそもいくらなの?」

「それは・・・」


奴隷商人が口ごもるとエレノアが話す。


「それは私を試しに使ってみてから返す時に聞いてください。

その後で納得が行くなら買っていただけるだろうし、買っていただけないなら私はあきらめるだけです」


今はまだ言えないって事か?

やはり特上エルフだけあって、相当お高いらしい。

もっともどんなに高くても俺は大金貨999枚持っているので、おそらく支払い不能という事はない。

先ほど聞いた帝都とやらで売っていたエルフ奴隷の倍の値段でも金貨2400枚、大金貨なら240枚分だ。

大金貨1枚は令和の日本で百万円に相当するはずだ。

つまり大金貨240枚ならば2億4千万円以上にも匹敵する。

さすがに希少なエルフと言ってもそれ以上の値段とは考えにくい。

もっとも俺は買わないし、騙されないけどね!

むしろ俺としては気になるのは別のことだった。


「で、この人、エレノアさんですか?この国の知識も相当ある方ですか?」


俺としては一番気になるのは、せっかく3ヶ月このエルフを借りるからには、その3ヶ月の間に可能な限り、知識を吸収したい。

ガイドブックには書かれていない、実践的なこの世界の知識をだ。

それには知識豊富な人物であって欲しい。

果たしてこのエルフがその知識を持っているかが気になったのだ。

エルフなんて、もしずっと森の中で暮らしているだけだとしたら、人間の町の事なんて、ほとんど知らないかもしれない。

いくら美人なエロフでも、それでは困るのだ。

俺の質問にアルヌが答える。


「はい、私はこの人の知識は相当な知識と伺っております」

「そうなんですか?」


その俺の質問にエレノアも答える。


「はい。知識の量という物は計りがたいですが、私は通常の平人よりは、かなりの知識を持っている自負はございます。

この国に限らず、大抵の国の知識は持ち合わせております」


まあ、確かに言われてみればそうだ。

何しろエルフだもんな。

見た目は人間で言えば、せいぜい20代後半程度にしか見えないが、相当年齢はいっているんじゃなかろうか?

そういえば初見からあたふたしていて、まだこのエルフを鑑定していなかった。

そう考えた俺はこのエレノアを魔法で鑑定してみた。



     レベル681 年齢560


・・・・・?

はあ~っ!!!???

レベル681で、年齢が560~?

何それ?

凄まじいBBAじゃないか!

まだこの世界に来てほんの数日だが、もちろんこんなレベルの人間にあった事もないし、これから会う確率も恐ろしく低いのは間違いない!

種族や性別の部分が不明みたいだが、それは彼我のレベル差のせいだろう。

神様が鑑定魔法も鑑定する対象に対してレベル差がありすぎると、鑑定できない場合もあると言っていたしな。

こんなレベル差では無理もない。

確か神様がこの世界での現最高レベルが835だとか言っていたが、このエルフ、その次か、3番目位の順位じゃないの?

もはやこれを見ただけで、他のステータスを見る気が失せてしまった。

思わず動揺した俺の口から言葉が漏れた。


「レベル・・681?」

「私を鑑定したのですね?

はい、その通りです」

「ちょっと待って!

やっぱりおかしいでしょ?

なんでそんな凄い人が、僕の奴隷になんてなりたがるの?」


はっきり言って、このエルフと俺の差は、人間と猿、いやネズミ以上の差だろう。

こんなエルフが俺の奴隷になるとは信じがたい!

いや、そもそも本当に何で奴隷になっているのか?

さっきの説明では信じがたいほどだ。

どう考えても怪しすぎるだろう!


「確かに今ならば私の方があなた様よりも何もかも上でしょう。

しかし明日はあなたの方が上になる。

私はそれを信じて、あなた様にお仕えしたいのです」


はい~?・・・明日というのもちろん比喩で、実際には遠い将来という意味なのだろうが、それにしても彼我のレベル差は絶望的なほどだ。

レベル681と41だぞ?

こんなエルフを将来自分が超える日が来るとは到底思えない。

冗談か笑い話にしか思えない。

しかし落ち着いて逆に考えれば、これは間違いなく貴重な経験となるだろう。

何しろただでさえ希少なエルフなのだ。

しかも年齢はともかく、こんな凄まじいレベルのエルフなど、いくらエルフでもそうそういるもんではないだろう。

3ヶ月とはいえ、このエルフと一緒に生活するならば、自分にも何がしかの成長があるのは間違いない気がする。

どちらにしても金貨3枚ならば諦めることもできよう。

もうこうなったら覚悟を決めて、いっちょやってみるか!

そう考えた俺はエレノアにうなずいて話した。


「わかりました、では試しに金貨3枚で、あなたを3ヶ月の間、奴隷として借りましょう」

「本当ですか?」

「ええ、ただし、本当に借りるだけですからね?

3ヵ月後に本当に買うとは思わないでくださいよ?」


俺が念を入れて釘を刺すと、アルヌがうなずいて答える。


「それはもう、もちろんお客様のご自由に、決して購入を強制する事はございません。

先ほども言ったように、うちの信用にもかかわりますから」


それを聞いて、俺は金貨の小袋から金貨3枚を出してアルヌに渡した。


「はい、確かに、それでは3ヶ月このエレノアをお貸しいたします」


こうして俺は稀に見る希少高レベルなエルフ、エレノアを3ヶ月の間、借りる事になったのだった。

むむむ・・・期限付きとは言え、こんな美女エロフ奴隷と一緒の生活とは、我ながらこれからどうなるのだろうか?


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アースフィア 9日目


名 前 : シノブ・ホウジョウ


レベル : 41


年 齢 : 15


状 況 : 古都ロナバールで、奴隷商館に行き、女奴隷、エレノアと出会って

      3ヶ月借りることになる。




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